Establecida en 2010

Escrito por Tomoko Ikeda del ITT

Sr. Japón y Hasekura san

Japón さんと支倉さん

〜 日本とスペイン400年の時と海を超えた出会い 〜

Fundado en 1995

スペイン語翻訳通訳

Instituto de Traducciones de Tokio

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ここは日西翻訳通訳研究塾ホームページ「支倉 と Japón san 11-M de Japón」の特別号その1ページです

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 − Número Especial (11-M) 1−

「今世紀、世界が握手する世紀 −東日本大震災に直面して−」


― 被災された方々に心よりお見舞いを申し上げるとともに
お亡くなりになられた多くの方のご冥福をお祈り申し上げます ―

 
Dear friend,
Are you and your family safe and sound? I hope so.
The catastrophe of Japan filled us with dismay. The city hall in Coria del Río is with the flag at half-mast and our Hasekura Tsunenaga Association, our mayor and many mass media in Spain are asking people for help. Now we want to think of those Japanese people who can be still alive. Through Red Cross in Spain (www.cruzroja.es) and other NGOs we are sending donations for humanitarian aid in Japan.
I look forward to hear from you.
Best wishes,
Juanfran Japón
 
   
(親愛なる友人へ あなたもご家族も無事でいらっしゃいますか?そうであることを願っています。日本で起きた大災害に、ただただ呆然としています。コリア・デル・リオの市役所では半旗を掲げ、私たち支倉常長協会、町長、そしてスペイン中のマスコミが日本を助けるために声を上げています。今、私たちは生き残った日本の人々のことを考えたいと思っています。スペインの赤十字やNGOを通して日本へ義援金を送る予定です。あなたからのお返事をお待ちしております。 Juan Francisco Japónより)
 
日本スペイン支倉協会会長のJuan Francisco Japón氏からのメッセージ

2011年3月15日、私のもとへ一通のメールが届いた
送り主は、
Juan Francisco Japón氏。コリア・デル・リオに住む日本スペイン支倉協会の現会長だ。遠く離れたスペインのJapónさんからの、Japónで起きた大震災を案ずるメッセージだった
2011年3月11日、日本はかつて経験したことのない大地震に見舞われた。そして、この日を境に、この国はとてつもなく大きな試練を乗り越えなければならなくなった
地震と津波で多くの方々が亡くなった。家も、街も一瞬で消えた
今もなおたくさんの人たちが避難所生活を余儀なくされ、テレビをつければ増え続ける死者や行方不明者の嫌な数に心が痛くなる
福島県にある東京電力の原子力発電所事故からも日々目が離せない
放射線、溢れる情報、風評被害、買占め、西へと逃げる人々、計画停電
突如突きつけられた試練を目の前に、日本にいる私たちは不安と混乱の渦の中に落とされそうだ
そんな中、スペインから届いた
Japónさんのメッセージにとても勇気付けられた

そうだ、私たちは一人じゃない

スペインから、アメリカから、中国から、韓国から、アジア、ヨーロッパ、世界各国から、救助、支援、物資、温かいメッセージが続々と届いている。世界中の人々が国境を越えて日本を応援してくれている。その様子をニュースで知るたびに、感謝の気持ちでいっぱいになる。大切な人を思う気持ちや、助けたいと思う気持ちに国境なんてないのだ
Japónさんたちも同じだ。彼らの場合は、“時”と“海”を越えてその思いを届けてくれた
彼らの先祖と言われている慶長遣欧使節団の面々は、約400年前、仙台藩主伊達正宗の命により、宮城県石巻市にある月の浦から世界へ向けて出航した。宮城県は、
Japónさんたちの始まりの場所とでも言おうか。彼らにとってもう一つの故郷なのである
コリア・デル・リオと仙台市は以前より交流があり、数年前にも何人かの
Japónさんたちが仙台を訪れた。 私がスペインで出会ったJapónさんたちも、いつか日本へ、支倉常長の故郷仙台へ行ってみたいと言っていた。Episodio 7でも紹介したが、コリア・デル・リオにはSENDAIという名のバルがあるくらいなのだ。距離は離れていても、とても馴染みの深い地名であることは確かだ
その仙台に、
Japónさんたちと縁の深い人が住んでいる
支倉常長の子孫である支倉哲男さんだ。しかし、地震発生後、彼とは連絡がとれておらず安否は確認できていない。現在、どうにかして連絡をとろうとしているところだ

どうか、どうか無事でいてほしい

Japónさんから届いたメッセージを読みながら、支倉さんと初めてお会いしたときに彼が何度も力強く語ってくれた言葉を思い出した
「今世紀、世界が握手する世紀。21世紀は、無駄な争いごとは止めて、世界中の国々が手をとりあい、助けあう世紀でなければいけない」
今、まさにこの言葉の通りのことが実現しつつある
“助けあう” 私たちがこの大きな試練を乗り越えるために一番必要なことは、実はとてもシンプルなことなのかもしれない
未曾有の大震災の爪跡は深く、まだまだ事態は予断を許さない。でも、そんな中でも助かる命があること、みんなで協力し合っていること、原発で命をかけて作業をしてくれている勇気ある方々がいること、国を越えてエールを送ってくれる人々がいることは、大きな希望となり、明日を照らしてくれるだろう 希望を持ち、前を向いて、一人ひとりができる事をする。こんな時だからこそ、相手を思いやり、助けあう。私たちは今、試されている
一刻も早く事態が良くなることを祈りながら、私もこれから自分が出来ることをやっていきたいと思う。何かの役に立つかどうかは分からなが、こういった文章を書き、
Japónさんからのメッセージを紹介することが、仙台とスペインに関するコラムを書く私に出来ることの一つであるならばと思い、このNúmero Especialを書かせて頂いた
少しでも多くの方に、
Japónさんたちの思いが、世界中からのエールが届きますように

冒頭の
Juan Francisco Japónさんのメールには、次のように返事をした
いつかまた、たくさんの
Japónさん達が日本を、仙台を訪れる日が来ることを願って

(Juan Francisco Japónさんへ とても温かいメッセージを有難うございました。すごく嬉しかったです。私と家族は無事です。東京は少しずつ状況が良くなってきましたが、震源地である東北は未だに行方不明者が後を絶ちません。それに、原子力発電所の放射線漏れも心配です。仙台は地震と津波で多大な被害を受けております。支倉常長の子孫である支倉哲男さんも仙台に住んでいらっしゃいますが、彼と連絡はとれておらず、安否は確認できておりません。仙台はライフラインも断たれているのです。支倉さんの無事を祈るばかりです。スペインからの、世界中のみなさんからの助けに心から感謝しております。本当に有難うございます。 Tomoko Ikedaより)

―追記―
Juan Francisco Japón さんからもらった勇気の出る言葉がもう一つあるので、紹介したい

"Querer es poder." (成せば成る)
日本は、きっと大丈夫