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スペイン語翻訳通訳

Instituto de Traducciones de Tokio

翻訳・通訳学習を通して、本格的に、そして、本腰を入れ、じっくりとスペイン語を学び、実践的なスペイン語能力を身に付けたい、伸ばしたい人のための塾です


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Monólogo de un pasota == Serie I-10 ==
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『馬耳東風』第一編 スペイン語文法 番外編

   今回はいよいよ最終回になってしまいました。『Monologo de un pasota』のシリーズ自体は、2001年1月末からの開始でしたが、スペイン語の符号や記号(signos)についてブツブツ独り言を言い出したのが昨年2001年の2月末発行の第4号からでしたから、ちょうどまる1年間続いたことになります。我ながら実に驚いています。この間、「役に立ってるよ」とか、「楽しみにしてるよ」といった激励のメッセージも頂きました。本当に有り難うございました。次回からは、前述の通り、新たなシリーズにバトンタッチです。少々形が変わりますが、こちらの方も、きっと皆様のお役に立つのではないかと思います。引き続き宜しくお願いします。

   さて、最終回の今回は、少々短いのですが、大文字についてです。大文字の使用方法は良く知られているようですが、おさらいのつもりでもう一度だけここで確認しておいて下さい。回のel guion(-)でお話しした事と関連した話をしましょう。

   いわゆる固有名詞に大文字を使用するわけですが、必ずしもそれだけだとは限りません。例えば、よく知られているのは、
例-1) El Gobierno ha emprendido la dificil tarea de estructura administrativa.
政府は非常に難しい行政改革にのりだした。

   この場合、この『Gobierno』というのは、例えば、小泉内閣などのように、ある一定のどこの国のどの内閣かが事前に判っている場合に大文字の使用が可能です。したがって、

   例-2) El gobierno de la nacion dirije un estado.
         一国の政府は国を治める。

   と、言ったような、漠然とした場合には大文字にはなりません。

   その他、固有名詞以外に大文字を使用する例、といいましょうか、一般的にいわゆる固有名詞扱いをするものとしては、『Rey, Emperador, Presidente, Director, Jefe...』などの威厳ある位に対して使用したり、『Salvador, Redentor, Dios, Buda, Papa...』などの神、或いはそれに相当する人物に対して使用します。それから、歴史的な重要な出来事である『Revolucion Industrial, Segunda Guerra Mundial...』などを表現する場合にも使用します。書物のタイトルや歌や映画のタイトルもそうですが、以外に知られていないのが、星・惑星などや方角にも大文字は使用されます。『Sol, Marte, Oeste, Norte...』などですが、これも、例-1)のように、宇宙の事物として扱わないときには大文字で使用することはありません。

   例-3) Ella fue a la playa para tomar el sol.
      彼女は太陽を浴びに海岸に行った(彼女は日光浴に海に行った)。

   では、いつものようによくある間違いをあげておきましょう。

   固有名詞に定冠詞が付いている場合は、少々厄介です。その定冠詞も固有名詞の一部なのか否かについては、事前に知っておくとか、判らない、或いは疑わしい場合には調査する必要があります。特に、それが会社名であったりする場合です。例えば、『El Escorial』や『El Salvador』は誰でもが知っている名前で、冠詞も固有名詞の一部なので問題はないのですが、よく見かけるのは、あのほとんど独占企業かとも思えるような、スペインの大百貨店である『El Corte Ingles』ですが、我々日本人が、日本語で話をしているときに、この定冠詞をつけた形で『エル・コルテ・イングレス』と言うでしょうか?まずそういう人は少ないと思います。したがって、そこで起こりうるのが、いざこれをスペイン語表記したときに、冠詞がはずれる、或いは、冠詞が小文字のままで表記されてしまうことです。正しくは、前述の通り、『El Corte Ingles』ですので、間違わないように。人名の間違いは相手に失礼に当たりますが、相手が企業である場合も同様ですので、ご注意下さい。

   これはあまりないとは思いますが、念のために申し上げておくと、『ch』や『ll』は、これで一字なのですが、これらの文字で始まる単語の場合には、最初の文字のみを大文字にし、けっして、『CHile』だとか『LLeida』などとしないように。

   この間違いは意外に多いのではないでしょうか?つまり、月の表記です。そう、1月とか2月とかの月の名称です。日本語は今や完全に数字での月名称が当たり前になり、いわゆる陰暦月異名(睦月・如月等々)はまったく使用されなくなりましたが、スペイン語の『enero, febrero...』は、日本語の陰暦月異名に相当するものです。したがって、これは固有名詞に近いものだから、『大文字で使用しなければいけない』という考えが意外に浸透しているようですが、これは大いなる間違いです。かならず、『02-febrero-2002』と、小文字表記にして下さい。どうしても大文字にしたい場合は、最初の文字のみならず、すべて大文字にして下さい。但し、その場合、『これで何か言いたいのですか?何か強調することがあるのですか?』という質問に答えられるようにしておきましょう。

   最後に複合語の場合ですが、これは最初の単語の最初の部分のみ大文字にして下さい。つまり、寝台車の場合『Coche-Cama』ではなく、『Coche-cama』が正解です。

   一年間、『Pasotaの独り言』におつきあい下さり大変感謝申し上げますm(_ _)m。そして、今後も引き続き宜しくお願い申し上げます。(^Q^)/^
 
   以上は、本塾のメールマガジン『e-yakuニュースNo.15(2002年01月末号発行)』に掲載されたものです。尚、次回からは、新しい『スペインの慣用句』シリーズが始まります。お楽しみに