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スペイン語文法 番外編 (第一編)

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Monólogo de un pasota == Serie II -01 ==
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『馬耳東風』 第二編 (スペインの政経社編) 第1話

『ペセタからユーロへ』

  本年1月1日からEU12ヶ国で新統一通貨EUROが誕生したことは周知の通り。日本のTVニュースなどでは、ドイツやフランスのニュースしか流れなかったものの、間違いなくスペインでも導入された。当初の予定に反し、昨年初頭より各国がスケジュールの前倒しを発表し、どこの国が最も早く導入を終了するか、ほとんど競争の様相を呈し、結果的に、スペインでは、ペセタとユーロの2通貨共存期間は、来る2月28日までとなり、後1ヶ月もしない内に、これまで慣れ親しんだペセタが使えなくなる。手元にペセタをお持ちの方はおられませんか?読者はこの件に関してすでに情報をお持ちかもしれないが、念のために以下にユーロへの交換スケジュールを記すことにする。

  上記の通り、ペセタとの共有期間は2月28日に終了。3月1日からはユーロ(euro)のみが唯一の流通通貨となる。しかし、6月30日までなら、スペインの民間の銀行で手数料なしでペセタとユーロを交換してくれる。尚、日本国内での交換は2月28日までなのでご注意を。では、7月1日以降はどうなるのか?ペセタは『古銭化』するのか?それもいいかもしれないが、マドリードのシベレス広場にある、スペインの中央銀行である『スペイン銀行 Banco de Espana』に行けば、いつでもユーロへの転換が可能であり、しかも、これは無期限だ。したがって、10年後にスペインを旅行したときにでも交換できるというわけだ。もっとも、その時に現在の固定レート(1ユーロ=166.386ペセタ)で交換する方が得か、それとも、古銭として売る方が得かは、その時に考慮すべき問題となる。

  ではここで、新通貨ユーロについて少し述べておこう。まあ、遅かれ早かれ実際に手にされるとは思うが。

 ★ 2002年1月15日以降からは、すべてのATMで紙幣の取扱いが可能になっている。
 ★ 紙幣の表は、開放性と協力の精神を『窓や門』で象徴。
 ★ 紙幣の裏は、欧州市民同士の、また、世界との架け橋を意味する『橋』と欧州の地図。
 ★ 紙幣は7種類で、大きさは以下の通り。
      5euros(120X62mm)
     10euros(127X67mm)
     20euros(133X72mm)
     50euros(140X77mm)
    100euros(147X82mm)
    200euros(153X82mm)
    500euros(160X82mm)

 ★ 硬貨は、1・2ユーロ 1・2・5・10・20・50ユーロセント(1/100ユーロ)(centimos)の8種類がある。デザインは、表面は全参加国共通だが、裏面は各国独自のデザインで、因みに、スペインの場合は、1・2・5センティモがカテドラル、10・20・50センティモがセルバンテス、1・2ユーロが国王である。面白いのは、導入が2002年にも関わらず、刻印されている年号が、おそらく製造年と思われる年が刻印されている点だ。つまり、1999年の刻印もあるということで、導入年と合致しない。

    2centimosの周りは溝がある。
    10と50centimosは周りに大まかなギザギザがついている。
    20centimosの周りには6ヶ所に刻みが入っている。
    1euroは周りに細かなギザギザがついている。
    2eurosの周りは細かなギザギザに加え、EUのシンボルである星が刻まれていて、コインの中ではこれが一番大きい。

 ★ 昨年12月15日、本格的導入に先立ち、『Monedero euro』が配布された。スペインでは2000ペセタ=12.02eurosの43個の様々なEUROコインが詰められた袋だった。無論スペインのみではなく、ユーロ圏すべてでこの袋配布制度が導入されたが、唯一日本の報道の中でスペインの名前が出てきたのはこの時だけだった。つまり、フランスなどでこの袋を交換する人が多く、急遽スペインから取り寄せる(輸入という表現を使用していたがあれは間違い)という内容であったが、これは、決してスペイン人が交換しなかったことからスペインでは袋が余っていた、というのではなく、単なるフランス政府の予測ミスと見た方がいいだろう。さて、この袋の中身は以下の通りだった。

  1euro =2枚・2euros=2枚・1centimo=4枚・2centimos=9枚・5centimos=6枚・10centimos=6枚・20centimos=7枚・50centimos=7枚

  しかし、その袋は実に『POBRE』なる単なるプラスチックの袋で、この袋が記念になることは全くない素っ気ないものだった。

  最後に、ペセタ建ての切手についても言及しておくと、こちらも通貨同様のスケジュールで交換可能だ。そして、最終的には、『スペイン銀行 Banco de Espana』の並びに位置する『中央郵便局』に行けば、無期限でユーロ建ての切手に交換してくれる。尚、注意が必要なのは、お金の場合は、『Banco de Espana』なら、各地の支店でも交換してくれるが、切手の方は、スペイン全土でこの中央郵便局のみだ。

  以上は、本塾のメールマガジン『e-yakuニュースNo.15(2002年1月末発行)』に掲載されたものです