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スペイン語文法 番外編 (第一編)

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Monólogo de un pasota == Serie II -05 ==
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『馬耳東風』 第二編 (スペインの政経社編) 第5話

『アスナール首相の次は誰が明日なーる?』 (その3=終)

  前号では3人の女性首相候補をご紹介したが、この噂には何か裏がありそうな匂いがしないでもない。その理由は、次の総選挙は2004年で、まだ2年も先の話(もっとも、2年前は政界ではもう遅いくらいです)だし、実はその前年の2003年には地方選挙(自治州選挙を含む)があり、中でも首都であるマドリードの市長選は次の国選を大いに左右する大きなポイントだ。日本の東京都知事選に匹敵する。それが総選挙の前年に実施されるとなれば、この選挙で、現与党に国民の審判が下されるといっても過言ではない。事実、1995年の市長選では、国民党のアルバレス・デ・マンサーノが勝利を収め、翌年の国選に大いに勢いを付けたという経緯がある。これを社労党側から見れば、マドリード市長選に勝利し、国政選挙にも勝って政権復帰を願いたいというのが当然の戦略だろう。これが社労党の新書記長サパテロ氏の将来を占う大きな分岐点にもなるわけだ。そこで、社労党は、昨年の中頃、早々と市長候補に国際関係担当書記長であるトゥリニダー・ヒメネスという女性候補の名を挙げた。

  つまり、国民党の首相候補に女性の名前が今挙がっているというのは、実は、このマドリード市長選を意識してのことではないだろうか。首相候補にも挙がるほどの人物なら、社労党の候補にも勝てるだろう、というわけだ。しかも、女性同士の一騎打ちと言うことになり、国際的にもアピールできる。この説を裏付ける(説を唱える本人が裏付けるのも変な話だが)唯一の理由は、市長選が来年に迫っているというのに、国民党側の候補の名前がまだ出されていないということだ。無論、アルバレス・デ・マンサーノの続投ということも十分考えられるのだが...。

  そんなところから、アスナール首相が後任候補を発表するのは、来年の2003年の地方選が終わってからだという話もある。今年中に後任候補の名前を挙げてしまうということは、しいてはその候補者の名の下に地方選挙を戦うことにもなる。そして、もしものことがあっては、すべてが崩壊し、2004年の国政選挙を社労党の手に戻しかねないというわけだ。現在の2002年の時点では、いかなる選挙であってもアスナールの国民党が破れる可能性はまずない。しかし、未来は神のみぞ知るであって、2003年までに何が起こるか不明と言った不確定な要素がないこともない。絶対に間違いのない後任候補と目されていたラト第二副首相(明日、2002年5月31日来日)の可能性があっけなく崩れた(前々号参照)という、国民党にとっては実にいやな思い出は、まだ今年初めの出来事だ。だからこそ他の候補の可能性を模索させられているわけだ。つまり、アスナール首相は後任候補を探すという予定外の事態に対処することを余儀なくさせられているわけで、この手の重要なテーマがそう簡単に決まるわけもなければ、もともと、アスナールに代わるような『人気者』がいたわけではなかったのだから、アスナール氏が慎重になるのももっともだろう。(このテーマの終了)(文責:ancla)
 
  以上は、本塾のメールマガジン『e-yakuニュースNo.19(2002年5月末発行)』に掲載されたものです。