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スペイン語文法 番外編 (第一編)

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Monólogo de un pasota == Serie II -06 ==
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『馬耳東風』 第二編 (スペインの政経社編) 第6話

  『Felipeはいまどこに?』 (その1)

  先の2号では、来る2004年のスペイン総選挙にまつわる話題をご紹介したが、公平性を期すため?に、今号と次号の2回に分けて、今度は、その対抗馬である、野党第1党の社会労働党の話題をご紹介しようと思う。

  Felipe González Márquez。今から6年以上も前の1996年に、現在の与党である国民党のアスナール氏に首相の座を明け渡したものの、1982年10月から1996年3月までの約14年間、首相であり続けた人だから、スペイン関係者ならまず知らない人はいないだろう。もっとも、1996年3月6日の総選挙での敗退を機に、翌年の1997年6月の第34回党大会にて、1974年10月11日、32才の若さで選出されて以来23年間の長きに亘り勤めたスペイン社会労働党の書記長の座も、ホアキン・アルムーニャに引き渡し、自身は党幹部から完全に身を引き、その後はあまり彼の名を耳にもしないし、その姿となると、あまりお目にかかることはないが、ゴンサーレス氏は、現在でも彼の地元であるセビリアから選出された社労党所属の国会議員である。

  その彼が、今や社労党の『“un problema llamado Felipe”(目の上のたんこぶ)』になっている。あの『ノー・ネクタイ』の若き獅子も、今や60才(1942年3月5日生まれ)を超え、スペインの政界では『年寄り』的存在(もっとも、今でもトレードマークにもなっているノー・ネクタイスタイルは守っているようだ)になり、若手(対日本政界との比較からの表現)の多いスペイン政界の中で、実に『煙たい存在』になっているというのだ。スペイン政界とは言っても、実際には、社労党の中でのことで、若い執行部にもの申し、執行部のお荷物になっていると言うことは、与党にとっては、これは逆にありがたい存在なのかも知れない。

  社労党は、前述の96年選挙での敗退と、その後のフェリッペの書記長引退以降、ずっと不安定な状態が続いている。まず、彼の後任となったアルムーニャが、2000年選挙を前にして、党としての次期首相候補の座(スペインでは、各政党が与党の座に着いたときには誰が首相になりますよ、と言うことを総選挙で明確にした上で選挙に臨むので、首相直接選挙ではないにしても、ほぼこれに近いシステムが取られている)をホセ・ボレルに奪われ(無論、党大会での選挙で)、書記長としての面目丸つぶれの事態に陥った。もっとも、その後、ボレル氏の旧友(元部下)が汚職で逮捕されるに至り、同氏は首相候補を辞退し、アルムーニャが首相候補として2000年総選挙を戦ったものの『見事』アスナルの前に大敗退を期してしまった。アルムーニャはその夜(選挙日の夜中)の内に書記長辞任を発表したが、その後、彼の後任を巡って社労党内は大混乱を起こし、民主化後、党の最大の危機を迎えた。

  『Felipeはいまどこに?』というタイトルからは少々逸脱した形になったが、今号はこの辺で...。(つづく)(文責:ancla)

  以上は、本塾のメールマガジン『e-yakuニュースNo.21-22(2002年7・8月末合併号発行)』に掲載されたものです