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Monólogo de un pasota == Serie II -21 ==
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『馬耳東風』 第二編 (スペインの政経社編) 第21話

アスナールの後継者と来年の総選挙の行方 (その1)

  昨年2002年3〜5月の3回にわたり、このコーナーでアスナール首相の後継者について色々と考たことがあった。私は予想屋ではないが、その折にまったく名前を挙げなかった人物が、実は、アスナールの後継者に決まった。けっして弁解のつもりではないものの、このことについて少し考えてみると共に、来年の総選挙の行方も少し探ってみようと思う

  来年の総選挙の行方は今年の5月に実施された地方選挙、特に、都市部(マドリ−ド)の結果が大きく左右するだろうと述べたのは、この『馬耳東風』シリーズのNo.05(2002年5月)でのことだった。ところが、その注目のマドリード自治州選挙だが、誰も想像もしていなかった大変な事態になってしまった

  そこでまず、このマドリード自治州選挙の大スキャンダルを簡単にご紹介しておこう。PP(55議席)とPSOE(47議席)の接戦の末、PSOEがIU(9議席)との連立(計56議席)を組むことで、政権を奪取するはずであった。しかし、PSOE議員の中に造反議員が2名現れ、55議席対56議席になるはずが、55議席対54議席で逆逆転状況が生まれる一方、PSOEとIUの連立政権誕生を阻止したPSOEの2議員に、PPが『毒まんじゅうを配ったの配らないの』に始まり、その追求の過程で、関係議員の不動産がらみの汚職・利権等々が一挙に噴出するという一大疑獄スキャンダルにまで発展し、ついには、5ヶ月後の10月26日に出直し選挙という実にお粗末な結末を招いてしまったのである

  このスキャンダルで大きく傷ついたのは、言わずもがな、PSOEであるが、PPもマフィアまがいの裏工作の疑惑などが完全に拭いきれないままの再選挙となった。結果は、PPが1議席を増やし57議席、PSOEが2議席減の45議席、IUは5月と同数の9議席をそれぞれ確保し、PSOEとIUが組んだとしても PPには勝てず、PPが単独政権を維持することになったのである。結果的には、予想外の方向からではあるが、来年3月の総選挙の方向性を示した結果となった。つまり、PSOE陣営に大きなかげりを残すことになり、PPは、その反面、イラク攻撃が比較的早期決戦となりアスナールの手腕が大きな覆いとなって被さり、信頼度を高めたわけである

  そんな中、去る8月30日の第14回国民党(PP)全国大会で、アスナール首相は遂に自らの後継者を発表した。前述の通り、昨年のこのコーナーではまったく名前を挙げなかった人物が後継者となった。アスナール首相が選んだ後継者は、何らの驚きも、変化も、新たなる幕開けをも予言させるような人物ではなかった。その人は、第1副首相のマリアノ・ラホイであった。(...続く)(文責:ancla)

  以上は、本塾のメールマガジン『e-yakuニュースNo.37(2003年11月末号発行)』に掲載されたものです
  

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