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スペイン語文法 番外編 (第一編)

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Monólogo de un pasota == Serie II -26 ==
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『馬耳東風』 第二編 (スペインの政経社編) 第26話

社労党政権の勝利とサパテロ新政権 (その2)

   前号では、PSOEの勝利の要因を追ってみたが、最終的な結論が出せないままに終わったので、今号はここからはじめることにしよう

   では、これらの300万票はどこからやってきたのか?その謎の最大の答えは投票率の増加にあった。4年前の総選挙では、68.71%だった投票率が、今回は77.21%まで増えたのである。これを票数で見てみると、約250万票の増加と言うことになる。つまり、非常に単純かつ無謀と知りつつも、実数のみで計算をしてみると、この250万+69万のPP支持者の大半から流れてきた50万票=300万票という計算が成立する。無論、実際にはこんなに単純なものではないが。ただ、共産党系の統一左翼(IU)が2000年の8議席から今回の5議席に落ち込んだことをPSOEの勝利に結びつけることは出来ない。理由は簡単だ。IUが通常獲得している得票数の少なさもそうであるが、更に、IUは議席数こそ3議席失っているが、得票数では1,263,043票から1,269,532票へと極々僅かではあるが増加させているからである。因みに、得票数と議席数に生じているギャップは、スペインの選挙制度(比例代表制)上の問題がその大きな要因である

   前述のように、77.21%という「驚異的」な投票率の高さは、無関心層や通常は選挙に行かない若者層を動かした結果であり、そうさせた理由がテロ事件であり、これが4年前倒しの結果を生みだしたのである。無論、別の味方をする人もいるかもしれないが、これが筆者の検証結果である

   上院の結果を見ると、これまでの検証が裏付けられている。PSOEは61から81に議席を増やしたものの、PPは127から102議席に減らし、過半数こそ逃しはしているが、上院での第1党の座を確保している。つまり、国民のPP離れは、PPに大きな打撃を与えるほどのものではないと言うことであろう。したがって、今後のPSOEの統治能力次第では4年後の総選挙で政権維持が出来るか否かが決まるわけだが、これに関しては、PSOEは約14年間の政権経験があり、当時の政治家がまだまだ現役で活躍していることからも、さほどの心配はないだろう。事実、PSOEの前政権の大臣が新大臣として復帰していることをみると、サパテロ新首相のバランス感覚が相当なものであることが伺える

   この新内閣については後述するとして、下院はなんとか第1党ではあるが、単独過半数には達しておらず、上院では第2党でしかないPSOEがどのようにして国の舵取りをしていくのだろうかと心配なところだが、先頃行われた国会でのサパテロ首相任命選挙では、183対148(棄権19)で危なげのない勝利を収めた。他の少数5政党(ERC、IU、CC、BNG、CHA)の19票を獲得できたからであるが、これには事前の協約があった。サパテロ新政権は、単独過半数での単独政権を貫くとしており、今後も今回の任命選挙同様、案件毎にこれらの政党の協力を得ながらの舵取りになる。(...続く)(文責:ancla)

   以上は、本塾のメールマガジン『e-yakuニュースNo.43(2004年05月末号発行)』に掲載されたものです
  

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