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スペイン語文法 番外編 (第一編)

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Monólogo de un pasota == Serie II -30 ==
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『馬耳東風』 第二編 (スペインの政経社編) 第30話

   少年Aはスペインにもいる? (その2)

   前回ではETAの手先となり、純粋なテロ行為なのか?それとも、体制に対する単なる「反抗」行為なのか?いずれにしても、正当なデモ行為ではない許し難い犯罪行為を繰り返す未成年者たちの存在をご紹介した。

   さて、スペインでは、ドラッグ(麻薬など)の販売行為などは違法ではあるが、ドラッグをやること自体は違法ではない、と言う問題も根底にあり、こうした少年たちが、ドラッグなどを入手するための資金を作る目的で犯罪に手を染める、という、まだ日本ではまだそれほど大きな問題になっていない動きがスペインではすでに先行して存在することも忘れてはならない。つまり、次は日本で起こる動きなのだ。

   こうした増加傾向にある未成年者の犯罪に対処するため、2001年1月、「新・少年法」が交付された。一向になくなりそうにない未成年者の犯罪の原因もさることながら、その新しく改正された少年法がどうも改悪だったのではないか?ということでこれが社会問題になっている。無論、犯罪自体の直接の原因ではないにしても、増加をくい止められないのは、同法が不備であるからだ、ということで、一部には、未成年者の犯罪増加の原因をこの少年法に求めようとする考え方さえある。

   事実こんなデータもある。首都マドリードでのデータだが、少年法改正前の2000年の少年犯罪件数は27,117件であった。しかし、法が公布された年はさすがに若干の減少(26,493)が見られたものの、翌年の2002年には、なんと、延べ逮捕者数が33,336件に急増したというのだ。その内訳は恐喝:26.6%・強盗:20%・傷害12.7%・窃盗:10.6%・殺人:0.18%・強姦:0.16%・その他:29.76%となっている。

   同様の全国レベルのデータが入手できていないので、新法施行以降の2001年と2002年のデータで比較してみると、スペイン全土での殺人件数は減って(162件から111件へ)いて、犯罪件数も全体で98,272件から92,787件へと若干の減少を見せている。しかし、それにしても殺人件数はほとんど身の毛もよだつ数字だ。2002年の日本での同データが156件であるので、少ないようにみえるが、全体の人口比から算出すると日本のそれの2倍以上に相当するからだ。(...続く)(文責:ancla)

   以上は、本塾のメールマガジン『e-yakuニュースNo.48(2004年10月末号発行)』に掲載されたものです
  

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