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スペイン語文法 番外編 (第一編)

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Monólogo de un pasota == Serie II -31 ==
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『馬耳東風』 第二編 (スペインの政経社編) 第31話

   少年Aはスペインにもいる? (その3)

   前回では実にescalofrianteなデータを挙げて「新・少年法」問題の存在と未成年者の犯罪増加について話をしたが、今号では、法の問題点を中心としてこのスペインの少年犯罪自体の問題点を見ていこうと思う

   まずその前に、前号でご紹介したスペイン全土での2002年の少年犯罪者数について少々補足をしておこう。まず、92,787件の年齢別内訳だが、14〜15歳が34,628人、16〜17歳が50,562人、17〜18歳は7,597人であった。この数字は何らかの理由で保護された少年の延べ人数である。以上の件数の内、実際に少年法が適応され審判廷にまで進んだ件数は30,445件で、その内、収監にまで至ったのは、約3分の1の10,031名で、2001年の4,791名からは明らかに増えてはいる。つまり、2001年改正法が機能しているという見方もできる

   少年法の問題点として様々の指摘があるが、殺人などの重大犯罪に対する処罰の軽さがその一つだ。つまり、例え殺人罪であっても14歳未満は処罰の対象とはなってない等々である。この点に関しては日本同様スペインでも14歳未満の少年たちは何をしても処罰の対象にはならない。しかし、スペインでは、今このことが方の不備だとして社会的に問題視されている

   では、14歳以上の未成年者の場合の処罰はどうなっているのかというと、特例として10年の観護措置期間は認められている(16歳以上の場合)ものの、通常は最高5年の刑を超えてはならないことになっている。また、刑罰(少年刑務所への収監)に至っては2年を超えてはならず、さらに、その刑期の3分の1をも経過していない時であっても、保護観察許可(家に帰れる)が出される可能性も残されており、実際、多くの少年たちはこの種の許可を享受しているのが実体だというのだ

   問題点を一つ一つ取り上げていると切りがないので上記の例だけに止めるが、新法の良い点も挙げておかねば片手落ちになる。例えば、少年法の対象年齢を18歳までに引き下げたことだ。また、前述のように、特例ではあるにしても、護措置期間を最長10年にまで引き上げたことも少年法改正が新しく導入した評価すべき点の一つといえる。(...続く)(文責:ancla)

   以上は、本塾のメールマガジン『e-yakuニュースNo.49(2004年11月末号発行)』に掲載されたものです
  

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