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スペイン語文法 番外編 (第一編)

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Monólogo de un pasota == Serie II -33 ==
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『馬耳東風』 第二編 (スペインの政経社編) 第33話 == Serie IIの終了 ==

   少年Aはスペインにもいる? (… y その5)

   誠に残念ではあるが、実際にはここでは紹介し尽くせないほどの悲惨な事実(事件)が存在する。読者はこのこともあわせて認識していただきたい。少々、三面記事的で気は進まないのだが、以下、様々な事件を掻い摘んでご紹介しておこう

   2000年4月1日、ムルシア県で16歳の少年が両親とダウン症の妹の3人を刀で斬殺した、というのも痛ましい事件であったが、彼はファミコンの大ファンでその幻想の世界に没頭していたということで、こちらの方が現在の社会を反映していて実に悲惨である。因みに、この犯人は最終的審判が出る前に6ヶ月が過ぎ、釈放されている

   カディスで起こった事件では、16歳と17歳の少年が、16歳の少女を騙して郊外に連れ出し、そのまま何も言わずにナイフで32箇所を突き刺した後に首を切るという実に冷酷かつ残虐な殺人を犯したが、その動機がなんとも悲しい。「人を殺すとどんな気持ちがするか経験してみたかったのと、有名になりたかった」と言うのがその理由だったのである

   バルセロナでは、22歳の青年が友人二人とオリンピック村を散歩中に10人のグループに取り囲まれ、内臓などが破裂するまでリンチにあい、最後には頭蓋骨を割られて死亡した。グループの主犯格の「少年」には5年間の保護観察付きで8年の刑が下るはずだった。しかし、実際には、半年間の内に刑が正式確定しなかったことで釈放されている。さらに驚くべきことは、(これがまさに法なのだろうが…)この「少年」がこの事件を起こしたのが、なんと、誕生日の僅か2時間前だった、というのだ。つまり、後2時間で18歳になっていたはずで、そうであれば、さらに厳しい刑が待っていたはずだった

   さて、決して我々外国人に無縁でない事件もある。2003年の秋、ギリシアの旅行者がバッグを盗もうとした未成年者に抵抗して心臓を一突きされた。3人の幼子の母親だった。しかし、最もスペイン社会を震撼させた残虐極まりない事件は、サンドラ・パロさんの身の上に起こった事件だった

   事件は2003年5月17日に起こった。サンドラは精神的な障害を持つ22歳の女性で、ヘタフェ市(マドリードとトレドの間の大きな町)の住民であった。帰宅途中に誘拐され、繰り返し暴行を受け、壁に押しつけられ虐待を受け、意識がまだ残っていた状態でガソリンをかけられ焼き殺されたというのだ。犯人は、18歳、17歳、16歳、そして、14歳の4名だった(名と言うのもおぞましい)。彼らは、車に乗ったままガソリンスタンドや商店の中に突っ込んで盗みを働くという実に荒手の窃盗を繰り返していたグループのメンバーで、警察には過去に幾度もお世話になっていたという「札付きの少年たち」で、なんと、合計で700件もの告訴歴をもつ連中だったのである

   14歳の少年は2年以内の少年院に送られ、16歳の少年には4年、17歳の少年には8年それぞれ特別な少年院送りとなったが、当時18歳だった成人には、2004年9月時点で検察側は69年の刑を求刑している。僅か1歳か2歳の違いであまりにも大きな差が生じるわけだが、本当にこれでよいのだろうか?もっとも、例えそれが69年の刑であっても、サンドラさんを失った家族にとっては、結果は同じだろう。彼女は戻ってこないのだから。(文責:ancla)

   以上は、本塾のメールマガジン『e-yakuニュースNo.52(2005年02月末号発行)』に掲載されたものです
  

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