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スペイン語文法 番外編 (第一編)

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Monólogo de un pasota == Serie III -25- ==
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第三編 『スペインの慣用句』 (その二十五)

     さて、昨年の9月末からまるまる1年にわたった動詞シリーズも取り敢えず今回で終えることにしよう。さて、動詞シリーズの最後を飾れるような仕上がりになるか?ちょっと不安…

1. 『saltar en pedazos』
     動詞《saltar》は、あの「山を飛び回る昆虫」のバッタという名詞《saltamontes》にも実にうまく表現されているように、「飛び跳ねる・飛び上がる・飛躍する」などの印象が強く、《pedazo》が「かけら」なので、これが複数になっているところに注目しながら、直訳すれば「たくさんのかけらの中で飛び跳ねる」になるのだが、この「飛び」方次第で、この慣用句は様々な比喩的意味合いに用いられる。しかも、ここで注目したいのは、前置詞《en》である。《en》は確かに「〜の中に・中で」が基本的な用法だが、「〜として」・「〜に(なって)」の機能も併せ持っている

     したがって、この慣用句では、『多くのかけらになって飛んでいく』、つまり、下の例のように、『粉々になって飛び散る』と言うことになる。また、物質的なもののみが『粉々になって飛び散る』時だけではなく非物理的なものも『粉々になって飛び散る』場合にも使用可能である

     例-1) Un coche saltó en pedazos por las bombas que colocaron banda terrorista.
          (自動車はテロ一味が仕掛けた爆弾で粉々に散り去った)
     例-2) La alianza saltó en pedazos.
          (同盟はバラバラに崩壊した)

3. 『remontar el vuelo』
     《remontar》は《montar=乗る》に、『再び』や『強調』を意味する接頭辞《re》が加えられた動詞だから、その意味は「再び乗る」だ。《vuelo》は飛ぶこと自体やいわゆる飛行機のフライトという意味なので、これほど明確な慣用句はない。したがって、『飛んでいる鳥や飛行機などが、さらにその高度を上げ、高く上昇する』ことを表現しているが、慣用句や熟語とも言えないかもしれないほど意味と表現が一致している。では何故ここでご紹介したかというと、『飛んで…上昇する』というそのままを表現するだけではなく、下の例のような場合にも使用される。この手の分かり易い慣用句は大いに利用したいものだ

     例) A esa empresa parece que le vuelven a ir bien los negocios; puede decirse que ya ha remontado el vuelo.
          (その会社はどうやら商売がうまくいきだしたようで、すっかり持ち直したと言っても良いだろう)

4. 『picar muy alto』
     《picar》には様々な意味が存在するが、基本的には何か先端が鋭利な針や刃物で刺したり・刺されたりすることを言うので、例えば、蚊や蜂に刺された場合にも使用され、その後、つまり、刺された後のチクチクするような「かゆみ」などの時も《picar》で表現される。その針で刺すような行為がとても高いというのはどうもよく分からない。しかし、《picar》には比喩的にまた別の意味も存在する。それは、「(まるでチクチクと刺されているかのように」他人の言うことが気になる」ような場合や、「(だれかの発した言葉に・が)引っかかる・つられる・気にさわる」などの意味も持っている。この慣用句はそのような比喩的な意味合いに近いもので、「とても高くが気になる・望む・目指す」→『高望みする』となる

     例-1) No acepto un cargo subalterno; yo pico más alto.
          (そんな下級の役職なんか受けない。僕の望みはもっと高いんだ)
     例-2) Pedro nunca casará con ese chica ya que pica muy alto.
          (ペドロはもっと上を狙っているから絶対にその娘とは結婚しないよ)

     さて、今回で遂に動詞シリーズは終わりにするが、次回は何を特集しようか?やっと涼しくなったのでゆっくりと寝ながらでも考えるか。寝てしまったら考えられないけど…って?では、あなたのご希望をお待ちしている。(文責:ancla)

     以上は、本塾のメールマガジン『e-yakuニュースNo.45/46合併号(2004年08月末発行)』に掲載されたものです

 

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