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スペイン語翻訳通訳

Instituto de Traducciones de Tokio

翻訳・通訳学習を通して、本格的に、そして、本腰を入れ、じっくりとスペイン語を学び、実践的なスペイン語力を身に付けたい、伸ばしたい人のためのスペイン語学校です


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2018年01月04日(Ju)施行『改正通訳案内士法』についての塾頭見解

 
 
まず、今回政府がこのように大きく舵を切ったその経緯や見解ならびに法律そのもの等については、政府のHPをお読み下さい。尚、このページに貼り付けたこれら政府ページの各アドレスは、2018年01月時点でのアドレスです 。何らかの理由にて変更される場合があります。ご注意下さい

去る2018年01月04日施行の今回の改正によって、今後は全国通訳案内士の『資格を有さない方であっても、有償にて通訳案内業務を行えるようになるなど(Sic.)』と言う極めて『斬新かつプログレッシブな』措置がほどこされることになった
これについては様々な意見もあろう。が、少なくともこれまで必死になって試験対策の勉強に多大なる時間を費やすのみならず、少なからずの投資も行い、やっとの思いで免許を取得し、『さあ、これからは胸を張って大いに稼ぎ、これまでの苦労を吹っ飛ばすような新たなる人生を歩むぞ!!」と言う多くの人たちを始めとし、多くの心ある人たちは、納得はおろか、同意などとんでもない、最悪の措置だと感じておられることと思います。「私は、社会が望んでいた規制緩和を推進しただけ」等とうそぶき、安易かつ短絡的な「私は何か新しいことをこの日本に残すのだ!」とばかり『プログレッシブな思いつき』を抱いた人物がいるわけで、今後何十年か後に、その人物が、『あの時はちょっとそう思っただけ…』と回想する(何十年か後にその政治家がまだ生きていたとして)だけで済むような単純な法改正とは決して思えない、今後何年間かにわたり(今すぐかも知れませんが…)、特に東京オリンピックが終了した後の観光市場において様々な問題が表出してくることは必死な法改悪だったと考えている

もっとも、小生は決して規制緩和に反対しているわけでも、万人に門戸を広げるべきではないと言っているのではない。この点については、この最初の段階でハッキリと表明しておきたい

しかしながら今回の措置は、規制緩和のはき違えだったでは済まされないとも思う。この大失態に、その張本人がいつ気付くのか?或いは気付かないのか?は知るよしもないが、ハッキリしていることは、今後様々な障害や事件などが発生し、多くの人(外国人旅行者も含め)が多大なる被害や損害を被り、多くの人の人生をも変えて行くことになるのは間違いなく、自殺者の排出と言った悲しい事態が発生する可能性さえも孕んでいるのではないか?と危惧もしている

ではどうすれば良かったのか?に付いては、今さら言っても詮無い、無駄なディベートであるので、蒸し返しするつもりはない。が、少なくとも、前述のように、バブル崩壊後に残された日本にとっての唯一の産業とも言うべき観光に、外国から遙々やって来て下さる人々をも巻き込んだ、社会的かつ国際的な大事件や、或いはさほど大袈裟でもないものの、様々な不具合(最低限の軽犯罪なども含め)が多発してから始めてそこで今回の『規制緩和』によって実施された法の改悪に付いて悔やんだとしても、それはもう、事すでに遅し!で取り返しが付かない。そして、極めて遺憾なのは、我々一般市民はそうした事態が発生することを待つ(本当は待ちたくもないし、待つことでもないのだが…)以外、他に打つ手がない(ましてや現在のような全体主義に大衆が引き摺られている時代では…)仕方がないのだろう。仕方がないというのは、実に遺憾な表現ではあるが、正に何らかの、或いは、様々な事件が発生し、犠牲者が相次ぎ、それらが原因となり、日本の観光産業が落ち込んでいけば、そこで始めて(改めて)新たな方針が示される、方向転換がなされるのだろうが、それまで待つしかないと言うことである。無念としか言いようがない…

=== 今後の試験について ===
とは言え、現実に目を向けよう。いつまでも悔やんでいては「奴の思うつぼ」かも知れない。今回の改正によって、政府は「全国通訳案内士試験」自体を破棄する積もりはないと言いつつ、実は、次のような内容変更をも同時に行っている。具体的に申し上げるとこうだ:従来の「『外国語』+『日本語試験3科目(地理・歴史・一般常識)』」に加え「通訳案内の実務に係る科目」が追加されたのだ
「全国通訳案内士」の価値を更に高めることを意図したことは明白で、それ自体は決して悪いことではない。正規資格を有する「全国通訳案内士」の能力とその水準を常に高目に維持させることによって、「無資格者」との差別化も計れる
しかしながらその一方で次のような不都合も発生する。つまり、従来の『公的試験』は、実は『語学の国家試験』としての価値が極めて高かった。事実、同試験の受験者のほとんどは、ガイドになることが目的で受験はしていなかった。『本邦唯一の語学の国家試験』に合格することを目標としていたのである。実際、「通訳ガイド」として登録している人は、同試験の合格者の20%以下(現在全言語のガイド登録者は全国で僅か19,000人程度しかない)であるので、この公的試験を残したとしても、その内容が「更にガイド色を濃くした試験内容に変更された」分けなので、明らかな矛盾が発生しているとしか言いようがなく、将来的にはこの試験自体も人知れず自然消滅させるつもりなのだろうか?とさえ疑ってしまいたくなる
以上のような分けで、本邦唯一の外国語に関連する公的試験(国家資格)に合格するには、多くの受験者が、「ガイドになるつもりもないにも関わらず、全国通訳案内士の心得なども併せて勉強しなくてはならない」ことになった。つまり、言語とは無縁のの科目が更に一つ加わったのだから
従来の試験科目(地理・歴史・一般的常識)は、日本人として知っていても決して悪くはなかったので、勉強のし甲斐もまだあったと言えるが、今後は、自分がなるつもりもない観光案内士の実務に関する試験対策も行わなければならないのは実にナンセンス(ましてや有償でガイドをするのにこの試験に合格することは必須ではなくなっているのに、である)極まりない
英語の場合、国家試験よりも権威が『ありそうな』検定試験が他にも存在することから、英語での受験者数が大幅に減少するだろう。日本でありながら日本語よりも英語の教育に重点を移そうと言った現在の日本の教育環境の中で、英語の受験者が利用しない語学試験をいつまでも続けても意味はない。よって試験自体が形骸化して行くのは火を見るより明らかだ!

=== 今後の小塾の方針@ ===
小塾はこの11年間、このガイド試験対策のために力を注ぎ、多くの合格者を輩出(過去11年間の合格者は対全国比で約15%)してきた。しかしながら、今回のこの法改正で同対策市場から撤退せざるを得ないと判断しました。しかしながら、今後は「無資格の人たち」も含め(と言うのも、在邦のスペイン語人の参入が増加するのは必至)、また、実際に現在もすでにガイドとして活躍中の方々から、仕事をしながらでも学び続ける方法を考えてほしいとの要望もあったことなども併せ考え、以下の『万人向けの通信講座』を開講することにしました。実は、語学試験として捉えることも考えてはいたのですが、前述のような問題からややこの方向性もなかなか難しいだろうと言う判断に至ったわけです。単純にスペイン語の能力向上を図りたい方々は、従来から開講しています『翻訳のクラス』や『通訳のクラス』にてじっくりと力を付けて頂けるので、この点についてもご安心頂ければと思います

=== 今後の小塾の方針A ===
「日本をスペイン語で表現する」講座の詳細は、この左の講座名をクリックして下さい
政府がいくら無資格者もガイドを有償でできますよ!!と言っても、日本に付いてスペイン語で語るのはそう簡単なことではありません
一方で、スペイン語には事欠かないスペイン語ネイティブの人々にとって、日本の様々な事象はあまりにも多く、この『難解な日本の事象をどのようにスペイン語で説明したら良いのか?」や「日本の事象って何?」についてまずは学ぶ必要が出てきます。小塾は今後この問題を万人の方々(有資格者にも、無資格者にも)にご提供致します!!
10年以上にわたってこの分野(スペイン語と日本語の相互関係)で多くのノウハウを有しているのは日本では我々だけだとの自負と、これこそが今後我々に与えられた大きな 使命だろうと考えまています。可能な限り、そして少なくとも、このスペイン語で日本を説明する・紹介するという部分においてだけでも何らの障害も問題も発生させないためにも、是非この講座をご利用されることをお奨めいたします
 

文責:日西翻訳通訳研究塾 塾頭:碇 順治