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Monólogo de un pasota == Serie II -25 ==
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『馬耳東風』 第二編 (スペインの政経社編) 第25話
社労党政権の勝利とサパテロ新政権 (その1)
去る4月17日夜、サパテロ新首相は16名の閣僚名簿を発表し、8年振りの社労党(PSOE)政権が発足しました。前号で、今回の総選挙やPSOE新政権について、ご希望があればコメントしますと申し上げたところ、多くの、ではありませんが、何名かの方々から希望のメールなどを頂きました。この場をお借りして御礼申し上げます。そこで、容量の都合などもありますので、今号から3回程度に分けてこのテーマを掲載させて頂こうと考えております
前号でも述べたように、歴史が4年前倒しの形でやってきたという感じだ。PSOEは、昨年5月の地方選挙におけるマドリード自治州選挙で大失態をした後、11月には、バルセローナ自治州選挙後にカタルーニャ左翼共和党(ERC)と連合を組んでまで与党の座を確保したことなどの問題があり、今総選挙での勝利は予想できなかった。確かに、4年前の2000年7月に書記長に選出されて以降、月日が経つ毎にサパテロのカリスマ性は増していた。また、一方の国民党(PP)の方はと言えば、国民の総意に反し強引なまでのイラク攻撃支持政策(テロ撲滅を視野に入れた)を採ったことで、アスナール政権も簡単には勝利できないだろうことも確かではあった
しかし、そのバスクのテロ撲滅に向けたアスナールの思惑が確かな結果を出していた上に、8年間で首相を引退するとしていた公約も守ったことなどもあり、PPに対する風当たりは、イラク攻撃政策に対する国民感情ほどの強い反発はなかった
しかし、あの11-Mテロ事件は、多くの若者を投票所へと向かわせると共に、多くの国民に対し、ここで「政権を替えねば」という気持ちを沸き立たせた。その結果、上記の条件などを総合的に検証してみると、PPへの「罰」は、下院183議席から148へと大幅な損失という形で表れた。しかしながら、1996年のPP第1期政権時の議席数は156(過半数に20議席も少ない)しかなく、その時政権の座を明け渡したPSOEの議席数は141議席であった。つまり、今回PSOEが下院で獲得した議席数は164であるので、PPが35議席を減らしたのに対し、PSOEは23議席しか増やすことが出来なかったことになる。しかし、これは下院の議席数での話で、得票数でこの差を見てみると、これがなかなか面白い。PPが183議席という絶対多数を獲得した2000年選挙での獲得票が10,321,178で、今回の得票が9,630,512。つまり、僅か69万票しか減らしていない。つまり、PP支持者の「家出」はほとんどなかったということになるわけだ。では、これに対するPSOEはといえば、2000年の7,918,752から10,909,687へと約300万票も票を伸ばしている。(...続く)(文責:ancla)
以上は、本塾のメールマガジン『e-yakuニュースNo.39(2004年04月末号発行)』に掲載されたものです
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