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Monólogo de un pasota == Serie III -16- ==
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第三編 『スペインの慣用句』 (その十六)
今回からは、人間の動作がキーワード、つまりは、動詞が鍵となる慣用句をみてみることにしよう。今号は《vuelta》を”巡る”動詞の特集といったところか...
1. 『dar vueltas』・『dar vueltas a』
まずは、大変有名なこの慣用句からみてみよう。もっとも、この慣用句のキーワードが動詞《dar》で良いのか?と異論を唱える方もおいでかもしれないが、そこはまあ、そんな堅いことは抜きにして、話を進めることにしよう。動詞《dar》は実に多彩な役割を持つ動詞で、それ故に実にやっかいな存在だ。基本的には「(〜を)与える」だが、この《dar》と《vuelta》の組み合わせでは、《dar
una vuelta》や《dar cien vueltas》等々多数あるが、《vuelta》は「回転=回ること」で、ここに紹介する慣用句は冠詞のない複数形になっていることから、1回だけ回るのではなく何度も(不特定な回数)回る。つまり、「ぐるぐる回る」と考えればよい。しかし、「ぐるぐる回るのを与える」ではなく、『(とにかくグルグル何度も)周り巡る』ということになる
ここで注意したいのは、前述のように、冠詞のない複数形であることを十分に考慮することだ。つまり、同じ『周り巡る』でも、「四国を何周も回ったり、南米の各国を周り巡る」わけではなく、「(何らかの目的があるなしにかかわらず、また、何らの結果を得ることなく)ほとんど無駄にグルグル廻る」ときなどに使用される
尚、二つ目の『dar vueltas a』では、何らかの目的を示す前置詞『a』を伴っているので、『(何等かについて)思いを巡らす』等と言うときに使用する
例-1) Ayer estuve todo el día dando vueltas por tada la ciudad buscando
algo de comer.
(昨日は一日中何か食べるものはないかと、私は町中を探し回っていました)
例-2) José María no para de darle vueltas a la idea de hacer la
guerra con sus amigos, Jorge y Tony.
(ホセ・マリーアは友達のホルヘやトニーと戦争をやることにばかり脳味噌を絞っている)
2. 『estar de vuelta』
《estar de vuelta》で、主語が女性の場合であれば、この慣用句は通常の文と間違えられても仕方がない。つまり、《Ella
ya está de vuelta》なら、「彼女はもう戻ってきている」ということになって、慣用句でもなんでもないからだ。しかし、性の一致は無関係で文章が成立するからこそ慣用句なのである。だからこそ、前述のように、女性が主語の場合は、果たして慣用句として使用されているのか通常文として使用されているのかの判断が難しくなる。その判断は意味からするしかない。しかし、その判断を間違うと大変なことになる。何故なら、まったく意味が異なるからだ。この慣用句は『(事前に何かを)知っている、あるいは、(何らかの)経験がある(よって、何等心配はいらない)』ということであって、けっして、「戻る・帰る」ではない
例) Es normal que no se sorprenda de lo que le contamos porque está de
vuelta de todo.
(彼はすべてお見通しだから、我々が何を言っても驚かないのは当然だ)
3. 『no tener vuelta de hoja』
これも結構頻繁に使用される慣用句だ。《hoja》は「紙・葉っぱ」で、《vuelta》は、「回る」の意味と同時に、「裏側」の意味もあるから、「紙の裏側は存在しない」ということになる。裏のないような紙や葉っぱなどというものが果たして存在するのだろうか?それはありえないだろう。そこで、この「紙の裏側は存在しない」というのをもう少しひねって考えてみると、裏が存在しないと言うことは、表だけが存在するわけで、つまり、「裏も表もない」ということを言いたいのではないだろうか?しかし、日本語の慣用句『裏表がない』という意味とは違う。つまりは、『何も言う必要はない、明らかだ』ということで、『(裏を見るまでもない→)火を見るよりも明らか・論をまたない』ということになる。尚この慣用句は、《¡No
tiene vuelta de hoja!》として感嘆文表現で良く聞かれる
例) No discutamos más ya que este asunto no tiene vuelta de hoja.
(この件についてもう議論をするのはよそうよ。答えはハッキリしている)
今回はこの辺で終わりにしよう。次回も引き続き動詞をキーワードにした慣用句をみてみることにしよう。ご質問やご意見をお待ちしている。(文責:ancla)
以上は、本塾のメールマガジン『e-yakuニュースNo.35号(2003年09月末発行)』に掲載されたものです |
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