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Monólogo de un pasota == Serie III -44 ==
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第三編 『スペインの慣用句』 (その四十四)
さて、今回は、「C, D y E」の3文字で始まる語をキーワードにした慣用句をみてみることにしよう。とは言っても、各文字1慣用句なのだが・・・
1. 『quedarse corto』
この手の慣用句は直訳調でその実体に迫ることができるので、外国人には優しい慣用句だ。最も簡単な理解方法は、主語を自分にしてみるることだ。例えば『Me he quedado corto』を直訳すると「私は短く/少なく残った」となるが、これでは意味をなさない。「短く、あるいは、少ない(不足した)状態で私は残った」わけなので、背が伸びないまま大人になってしまったのだろうか?いやそうでもなさそうだ。ではどう理解すればよいのか?背が低いというのは、高いところに手が届かないわけだから、そこに辿り着くまでには何かが不足していると考えればよいのではないか。確かに「何らかの目標まで届かない」、「知識が足りなくて、言いたいことをすべて言えなかった」等ということは良くある。こうした状況をこの慣用句が表現している。何に届かなかったのか?何が不足しているのか?によって当然のことながら訳語は変化するが、その根底にある意味は同じだ
例) Creí que el trabajo iba a ocupar cuarenta folios, pero me quedé corto.
(レポートは40枚にはなるだろうと思っていたが、一歩足りなかった)
2. 『dar (algo) por descontado』
《descontar》を辞書で引くと、大方が「割引する」としか出ていないが、その中には「差し引く」の意味がある。何を言いたいかというと、日本語の「割り引く」には、少な目に見る(評価する)という意味もある。しかし、スペイン語の場合には、『…を当然のこととみなす』や『折り込み済み』の意味がある。つまり、少な目でも大目でもなく、『あることに関し、そのことはそこから差し引く』。つまり、1〜10の中の5だけは抜いて考えるわけである
例) Doy por descontado que me recogerías en la estación.
(私はあなたが駅で私を拾ってくれると信じてるわ)
3. 『edad de merecer』
動詞「merecer」は、何らかの評価(その善し悪しは別)に値すると言うわけだが、ではいったい何が、何についてその評価に値するのかはまではこの表現には含まれていない。しかし、何らかの評価に値する年齢と言えば、通常は、「una edad que merece tener novio/a(=お年頃・結婚適齢期)」を指すのであって、決して、退職や死亡適齢期を意味するわけがない。もっとも、「恋人を持っても宜しいお年頃=価値ある年齢」は年々下がり、近頃では日本でさえもbesoの経験がない中学生は少ないと言われる一方、この「結婚適齢期」が、スペインでは女性は30才、男性は33才が平均結婚年齢になってきているという統計もあり、子供を産む場合も、30代が全体の60%を占め、40才になってから産むという女性も年々増えてきているそうだ
例) Con veintidós años, ya está en edad de merecer.
(22才だともう十分適齢期よね)(つまり、結婚の)
さて、今回はこのあたりでおいとますることにする。ご質問・ご意見をお待ちしている。(文責:ancla)
以上は、本塾のメールマガジン『e-yakuニュースNo.72号(2006年10月末発行)』に掲載されたものです |
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