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Monólogo de un pasota == Serie III 194 ==
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第三編 『スペインの慣用句』 (その194)
さて今号は『ponerse el mundo por montera』をみてみることにしよう
結構長ったらしい慣用句だ。まずこの《montera》なる名詞は何を意味しているのか?というところから始めよう。と言うのも、この慣用句をいつものように直訳してみると「〜は世界をmontera(@について・Aに関して・Bによって・Cのために)置く」となるが、この4択の中ではどうやらCの「〜は世界をmonteraのために置く」が最も近そうだが、この《montera》が分からねば先には進めない。あまり馴染みのない名詞、品物で、闘牛士のかぶる布製の帽子をこう呼ぶ。もっとも、必ずしもあの横長で凹凸のある闘牛士がかぶる帽子のみをそう呼ぶのではなく、例えば、スキー帽のような形の毛糸の帽子なども《montera》と呼ばれているようだ
ともあれ、この慣用句は、闘牛の世界から生まれたものであることは推測に難くない。闘牛士たるもの、闘牛を前にして決して怯んではならず、勇猛果敢に立ち向かっていくためには、邪念や雑念を払いのけなければ命取りになる。つまり、『他のことは気にもかけず』、ひたすら闘牛に立ち向かう姿勢というものが必要というわけだ。と言うわけで、『猪突猛進』というか、『無鉄砲』に、『向こう見ず』に、『世評など気にかけず』に、『世の中に対して挑戦的に邁進する』等々の場面をこの慣用句は代弁してくれるわけである
例) La directora del colegio se ha puesto el mundo por montera y ha admitido a varios niños inmigrantes en contra de las protestas de la Asociación de Madres y Padres de Alumnos.
(その女性校長は周りの意見を無視し、PTAの抗議に反して複数の移民の子供たちを入学させました)
さて、ご質問・ご意見をお待ちしている。(文責:ancla)
以上は、本塾のメールマガジン『e-yakuニュースNo.89号(2008年03月末発行)』に掲載されたものです |
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