===========================================
Monólogo de un pasota == Serie III 198 ==
===========================================
第三編 『スペインの慣用句』 (その198)
今号は『sacar partido』に着目してみよう
《partido》は、「政党」や「試合」を意味するので、直訳すると「政党を引っぱり出す」や「試合を取り出す」という風に、訳の分からないことになってしまう。もっとも、動詞《sacar》を辞書で見ると、単に、何かを何かから引っぱり出すだけの行為を表現する動詞ではなく、例えば、《Este año saqué muy buenas notas.「今年はとってもよい成績だった」》や《Me gustaría sacarle qué tipo de música le gusta.「(彼女が)どの種の音楽が好きなのか知りたい」》のような意味で使われる。もっとも、これらも根本的には、前者の場合であると、「自分が試験で良い点数獲得した」と言うことは、自分がそういった状態を引き出したのであって、自助努力なく勝手に先生がよい点をくれるわけがない。後者もまた然りである。自分が知りたいと思っても、それを彼女の口から「聞き出さ」なければ知ることはできないので、またこれも「引き出す」である。よって《sacar》の「動き」としては、常に「何かをどこからか出してくる」ことには違いないようだ。因みに、《sacar partido de》と《sacar partido a》の両方の用法があるが、前置詞《de》と《a》とではまったくの正反対の意味が生み出されるのか?といえばそうではなく、強いて訳し分けをするとすれば、「de→〜から利益を得るで」、「a→〜を利用する」となろう
例-1)
Enrique sabe sacar partido de sus cualidades.
(エンリケは自身の長所からの利益を得ている【=長所の生かし方を知っている】)
例-2)
Ella saca mucho partido a su pelo.
(彼女は自分の髪を旨く利用している)
さて、ご質問・ご意見をお待ちしている。(文責:ancla)
以上は、本塾のメールマガジン『e-yakuニュースNo.95号(2008年09月末発行)』に掲載されたものです |
|