谷 めぐみ
「ス ペ イ ン  わ が 心 の 歌」
第17回リサイタル・ライブ CD
  旅がはじまる、歌のつばさは弾む
 ことばのふかい森をぬけて
しずかに、ゆくりない時が、舞う
 

♯ ♭ ♪ 「谷 めぐみ」 第17回リサイタル(*) スペイン わが心の歌  ♪ ♭ ♯

=== 谷 めぐみ 本人からのお礼状 ===

おかげ様で、昨秋は、念願のリサイタルを開かせていただくことができました。塾頭先生はじめ日西翻訳研究塾の方々、そして塾maga読者の皆様からいただきましたご支援に、改めて深く感謝申し上げます

スペインゆかりのホールで「鳥の歌」に始まり「鳥の歌」に終わったコンサート。この度、そのライヴCD『スペイン わが心の歌』が出来上がりました。濃青の美しいCDに、「わが心のアランフェス」、日本語とスペイン語による「千の風になって〜Soy miles de vientos」など、全18曲が収録されております。当日ご来場いただきました方には、あの秋の夜をもう一度思い出していただき、お運びいただけなかった方には、スペインの歌の多彩な魅力を味わっていただきたいと思います

不思議な偶然、出会い、再会…様々な思いが重なり、私にとりましても忘れられないコンサートでした。ささやかなCDですが、ひとりでも多くの方にお聴きいただければ嬉しく存じます

スペインの歌をこれからもよろしくお願い申し上げます
                                         谷 めぐみ

(*)2007年10月10日に「日本大学カザルスホール」にて催されたました
CDには演奏のみ収録されています
CDでは曲順が一部変更になっています

鑑 賞 記
小塾からは塾頭と副塾頭を含む5名が参加

カタルーニャのチェロの名手Pablo Casalsの名を冠した劇場でスペイン歌曲を聴くことができりのは実に感慨深い
ホールは広くもなく狭くもなく 二階両サイドのバルコニー風の座席が何ともお洒落  ホール全体をとても居心地よ くしている
ヴォーカライズによるCasalsの「鳥の歌」がどこからともなく聞こえてくる 谷さんの姿はどこにもない
ワン・コーラスを舞台の袖で歌いきった谷さん 登場
そのうち会場のどこかの座席から立ち上がる? 会場入口あたりから登場してくる?
いや 二階のバルコニーのどこかから? っと、下世話な想像は吹っ飛ばされた
最初から観客の心を一気に掴む ニクイ演出だ
第一部  彼女がスペイン歌曲を勉強したカタルーニャの作曲家の歌の数々
「ハバナの小唄」に至っては ジャージーで心地よく スイングまで誘う
二部は大ヒット中の「千の風になって」  スペイン語 そして 日本語でも歌うサービスぶり
これ一曲で 二部も またしても すっかり谷めぐみの世界に引き込まれてしまう
時折の解説などのお喋り 谷さんの優しくて暖かい人柄が見え隠れ クラシックのコンサートにありがちなかたぐるしさがまったくない
しかも 二部はお馴染みの曲がズラリと並べられた
え?もう終わるの?という気持ちにさせてしまう この演出も憎い
ロドリーゴの「わが心のアランフェス」
 トゥリーナの「エスペランサの聖母に捧げる祈祷風のサエタ」などなど
また言ってしまうが クラシックとは違う きわめて庶民的な心温まる歌が多いのは やはり スペイン
さて 一部と二部の間隙を縫っておトイレへ
20代の若者二人の 聞き捨てならない会話を耳にし てしまった
一見 レゲェかラップでも歌い出しそうな一人 曰く
「オレさぁ 一番前に座ってて よかったよ 歌の調子が変わったりするときの息づかいとかがハッキリとわかって とにかく すっごくテクニック なんかが伝わって来るんだよね 二部は 全部録音してやるんだ!」
録音が違法か合法かは ここでは論ぜず 20代の若者を唸らせてしまう谷さんに 敬礼
最後に、やはり スペインの歌をスペイン語で聴くというのは いや〜いいものです
気さくな谷さんの人柄がにじみ出たコンサートだった
終了後のホールは大にぎわい 谷さんのまわりに大勢の人々 挨拶もせずに おいとましてしまった

本鑑賞記は、小塾の塾maga No.84号(2007年10月30日発行)に掲載されたものを転記しました

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