わが心のスペイン escena.22

愛しのバルセロナ 〜Barcelona querida〜
 
― 第22回リサイタルに寄せて ―
濱田 滋郎
(音楽評論家・スペイン文化研究家)
     
「谷めぐみを、また聴ける」…そう言って微笑み合う人びとの輪は、疑いなく、リサイタルが回を重ねるごとに増えつづけている。聴いたら、次も聴きたくなるこの人の魅力は、どこにあるのだろう?愛する対象「スペインの歌」を自分のものにしきった選曲と歌いぶりに加えて、肝腎なのが「声の熱さ」ではなかろうか。この「熱さ」は、彼女が心に抱いている「想い」から来る。「歌うこと」「歌い手であること」への、使命感を伴った想い。第2の故国スペインに寄せる想い。そして何よりも、彼女のうちで人一倍深くはぐくまれた、人びとの「真ごころ」に向けての想い。「心根」は日本語で最も美しい言葉のひとつだが、谷めぐみはそれを「心音(ね)」として歌声にこめる。それをこそ、人びとは待ち受けるのだ  

 

現代ギターの2009年04月号に掲載された濱田滋郎氏との対談記事を見る

 

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