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Escrito por Tomoko Ikeda del ITT

Sr. Japón y Hasekura san

Japón さんと支倉さん

〜 日本とスペイン400年の時と海を超えた出会い 〜

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スペイン語翻訳通訳

Instituto de Traducciones de Tokio

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ここは日西翻訳通訳研究塾ホームページ「支倉 と Japón san 11-M de Japón」の特別号その6ページです

日西翻訳通訳研究塾は石巻のサン・フアン館を応援しています

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− Número Especial (11-M) その6−
サン・ファン館訪問ツアー

2月16日、塾頭と、東京からの塾生5名、仙台の塾生1名の計7名は、皆様からお預かりした災害義援金を届けるべく、宮城県石巻市にある慶長遣欧使節船ミュージアム(愛称:サン・ファン館)を訪れた。義援金を届けることと、被災地の視察を目的に企画された今回のサン・ファン館訪問ツアーは、普段なかなか会うことのできない仙台の塾生との交流や、サン・ファン館の皆さんとの新たな繋がりが生まれるなど、とても有意義な旅だったように思う。1泊2日のツアーの様子を振り返ると共に、皆様にきちんと報告したい

2月15日、一行は、午前11時頃に東京を出発し、新幹線にて仙台へと向かった。大雪が心配されたが、塾生の日ごろの行いが良いせいか、この日は晴天に恵まれた

仙台駅に到着するやいなや、松島へ移動。宮城県の中でも比較的被害の少なかったこの地域は、観光地として復興し始めていた。この日本三景の一つもまだ完全には立ち直っていなくて、見学ができない場所もあったのはとても寂しかった

午後7時、仙台市内にて仙台在住の塾生2名と合流し、交流会を行う。東日本大震災発生時の様子や、“スペイン語”にまつわるエピソードなどが飛び交い、あっというまに時間が過ぎる。


翌16日、仙台駅から石巻駅へ向けて出発。震災からもう1年も経つというのに、仙石線はいまだに復旧されていない個所があり、石巻へは高速バスで移動する。
Numero Especial 4でも報告したが、石巻駅付近はだいぶ復旧されている。しかし、駅から沿岸部に近付くにつれ、つぶれた家や瓦礫の山が徐々に増え始め、その悲惨な様子に愕然とする
町は、私が昨年10月に訪れた時と何も変わっていなかった

サン・ファン館に到着すると、職員の皆さんが温かく迎えてくださった。訪問した人数が多いこともあり、会議室に通され、濱田館長としばし懇談。今回義援金を届けるにいたった経緯や塾の紹介などを一通り終えた後、職員の方が撮影したという、サン・ファン館に係留されている復元船サン・ファン・バウティスタ号津波に襲われる瞬間の映像を見ながら、震災時の様子を聞かせていただいた。その後、
碇先生より濱田館長へ義援金が贈呈された

サン・ファン館は現在も閉館中だが、今回特別に常設展と、津波に襲われはしたものの一部の破損だけで耐え抜いた復元船の中まで案内して頂いた。大津波の襲来で、復元船を取り囲む展示室は一瞬で壊れ
、展示物はすべて流されてしまったという。展示室はあの日のまま、時が止まってしまっていた。散乱するガラスの窓はとても分厚く、これが瞬時に破壊されたのかと思うと、津波の威力にぞっとした

実は、同館を見学中にも余震があり、驚くほど大きな海鳴りがした。ごおごおと鳴り響く音を聞き、大きな揺れを感じ、すさまじい被害の様子を目の当たりにし、今回の大地震の恐ろしさを肌で感じたのと同時に、まだ何も終わっていないのだと、そこにいた誰もがそう感じた
自分の目で確かめなければ分からないことが、そこには確かにあった

サン・ファン館を去る前に、職員の方が、昨年10月にスペインとの友好400周年を記念して植樹した桜の木を案内して下さった。まだ小さく、細い木を眺めながら、いつしか満開の花を咲かせてくれる日が来ることを、そしてその時にはすべてが復旧していることを願わずにはいられなかった

サン・ファン館と日西翻訳通訳研究塾。“スペイン”を通して出会った縁に感謝しつつ、私たちは石巻を後にした
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サン・ファン館の皆様、今回のツアーに参加してくださった塾生の方々、現地で色々とコーディネートしてくださった仙台塾生のお2人、そして、募金をしてくださったすべての方々に心より感謝申し上げます

なお、サン・ファン館訪問時の様子は、同館のブログと、「6枚の壁新聞」で知られる石巻日日新聞の2012年2月23日の記事にて紹介されました
。また下のリンクをクリックすると、訪問の時の写真集もあるので、そちらも合わせてご覧頂ければと思います