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初めてこのメールを受け取られる方へ
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このメールは、日西翻訳研究塾が毎月末に、スペイン語学習者のためのお役立ち情報と、本塾のお知らせをするネット上の定期的かつ一方的なメール・マガジンです。ご希望の方にはバックナンバーを送付いたしますので、遠慮なくお申し出下さい。
尚、『Monólogo
de un pasota』シリーズの「Serie
I」と「Serie
II」のバックナンバー版を、2002年7月31日、『馬耳東風』第一編
スペイン語文法番外編と第二編としてHP上に連載を開始いたしました。したがいまして、このシリーズのバックナンバーはHP上でもご覧になっていただけます。
アドレスを変更される場合、また、このメール・マガジンの受信を希望されない場合、その他、ご意見ご希望等は、このメールの一番下の宛先までご一報下さい。
以前からの購読者の皆様はお気付きになられたと思いますが、先月7月31日より、フォントサイズを大きくし、読みやすく致しました。
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塾ニュース
\(^_^=^_^)/
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Luz María先生、本当にお疲れさまでした(・_・)☆ヾ(^^
)
この度、2年間教鞭を執っていただきましたLuz
María先生が、健康上のご都合で、『一時』塾から離れられることになりました。別にご病気というわけではありませんので、ご安心下さい。時間に余裕ができ、体調が戻れば、きっと戻ってきて下さるものと信じております。何しろ、人気がありましたから。実は、今日、塾で歓送迎会が催されました。深い感謝の気持ちを込め、天皇家御用達の漆器の手文庫が塾生全員と塾から記念品として贈られました。
ゆっくり身体を休めて下さい。
(_
_)。。o
○
☆ ミゲス先生いらっしゃ〜〜い!!( ^_^)/□☆□\(^_^ )
メキシコ出身のLuz María先生の後任には、スペイン出身のMíguez先生が就任されることになりました。Míguez先生は、これまで、本塾の『わがままプライベート・レッスン』や『DELE対策レッスン』でのみ教鞭を執っていただいておりましたが、今後は本コースもすべてお引き受けいただくことになります。元々翻訳の専門家で、また、大阪外国語大学の日本語・日本語事情課程や上智大学大学院の修士課程で日本語を専攻された修士ですので、塾生の期待以上の結果が出ると確信しております。
★ 奨学金制度開始
本塾では、2002-2003学年度から、奨学金制度や、この不況の中、勉強を続けたくても失業して勉強が続けられないといった方々を資金援助する制度を開始します。前述のように来学年度が終わった時点で、条件を満たした塾生を対象に奨学金が授与されますが、この度、この条件に該当する塾生がおいでなので、前倒しで同制度を適用することにしました。オメデト〜〜〜〜〜(*^_^*)。
☆
奨学金対象者:澤山
陽子さん(この9月からは基礎クラスへ進級)
★ 2001-2002学年度
皆勤賞・精勤賞
本塾では、毎年、その学年度を通じて皆勤された方々を表彰しておりますが、今学年度は、残念ながら、皆勤賞はたったの一人だけでした。そこで、1日のみの欠席の方も精勤賞として表彰することに致しました。尚、これまでは賞品だけを授与していたのですが、今回から表彰状も授与されることになりました。以下がその模範的塾生です。奨学金の授与同様、本日開催された歓送迎会兼2001-2002学年度終了式にて表彰されました。
☆ 皆勤賞:青木
雅子さん(セミプロクラス)
副賞:El
Ingenioso
Hidalgo Don
Quijote de la
Mancha
☆
精勤賞:高橋
由理さん(メキシコのスペイン語会話クラス)
副賞:Diccionario
de Uso del
Español
Actual
"Clave"
おめでとう!!
\(^。\) (/。^)/
来学期も頑張って!!
★ 2002-2003学年度は2日から!!
今期から、本塾は、その柱である『翻訳部門の強化』を果たすべく、通学授業はすべて翻訳に主眼をおいたクラスだけになります。そのため、レベルの幅を広げると同時に、レベル間隔差を是正する目的で、2クラス(レベル)が増設されました。
一方、徐々に塾生が増えつつあるプライベート・レッスンも大きく改革。1人分の授業料で2人がレッスンできるようにしました。
★
通信講座も同時開講!!
『e-yakuニュース』の購読者の皆様は、もうこの新しい講座のHPをご覧頂いたことと思いますので、詳述はしませんが、一言だけ:口コミ宣伝を宜しくお願いしま〜〜〜す。
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耳 寄 り な お 話 コ ー
ナ ー
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★ ねぇ、ねぇ、知ってる?
この度、本塾HPの『講師紹介』ページが、『Se
Busca』スタイルに変身しました。どう変身したか?それは見てのお楽しみ、と言うことで、ここでは更新しました、とだけお知らせしておきましょう。う〜〜〜、気になる〜〜〜、という方は、HPにアクセスして下さい。
★ ユーロ記号(€)の出し方
今年の1月から、スペインを含むEU12ヶ国では単一通貨EUROが流通し始めましたが、この通貨ユーロの記号をコンピュータ上で表示できないのだろうか?こんな疑問をもたれたことはありませんか?
実は、この質問が授業前の雑談の中からでてきました。その時は誰からも答えはでなかったのですが、このほど、偶然にも同じ日に2人の塾生(青木雅子・尾上光紀の両塾生に感謝)から情報が入りましたので、皆様にもお知らせいたします。是非試してみて下さい。「そんなのもう知っている」という方は、このコーナーは無視して下さい。
Wordのツール・バー(最上段の、ファイル・編集・表示などのツールが並んでいるところ)で「表示」の次にある、
1.
「挿入」から「記号と特殊文字」を選ぶ
2.
「記号と特殊文字」のウインドウが立ち上がる
3.
様々な「フォント」の中から、「Courier
New」・「Tahoma」・「Times
New Roman」のいずれかを選ぶ。つまり、外字系のフォントを選ぶ
4.
「種類」の中から「通貨記号」を選ぶ(注:その前に「フォント」で前記いずれかのフォントを指定しなければ「通貨記号」という項目は表示されません)
5.
「通貨記号」を選ぶと、自動的に通貨記号の最初の記号(『₣』)にマークが移動する。バージョンによって少々の違いがあるかも知れませんが、その後は、左端から、『₤₧₪₫』という4つの記号が並んでいて、その次、つまりこれらの右隣に『€』があります。これを選択して「挿入」をクリックすると、Word上にユーロ記号が表記されます。
注 (1)
次回から「記号と特殊文字」を選べば、「最近使用した記号」の中からすぐに選べるようになっていますので楽です。
(2)
Wordで出したものをコピーして張り付ければ、EXCELでも使えます。もちろん、フォントが、上記の3種類のいずれかになっている必要があります。
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イベント紹介コーナー
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★ 『ミロ展
1918-1945(絵画の詩人ミロ誕生への軌跡)』
7月27日(土)から世田谷美術館(世田谷区砧公園1-2)で好評開催中のこの展覧会も、残り少なくなりました。塾に用意してあった『割引券50枚』も、8月末現在、ほとんど残っていません。まだ2〜3枚ならあったかな?と思います。9月23日(月・祝)までですので、お見逃しのないようにご注意下さい。
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特別コーナー ☆
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『Diccionario
de
Español
para
extranjeros』のお礼!!m(_
_)m
6月号でお知らせいたしましたこの辞書の特別価格での販売に、20冊弱のご注文を頂き、InterSpainからも御礼の言葉が届いておりますのでお伝えいたします。なかなか良い辞書だと購入者の間で評判です。
本塾のホームページへのアクセス数が30,000件を突破!!\_(^◇^)_/
さる8月25日、本塾のHPへのアクセス数が31,868件になりました。お陰様で、今年に入り伸びが目立ち始め、2月には2万件を突破したばかりでした。なにしろデータの入手が1週間単位ですので、3万件を突破した正確な日は不明です。サーバーが独自のサーバーではないもので...トホホ、情けない(^^ゞ。
いずれにしましても、これもすべて皆様のお陰ですm(_ _)m。この場をお借りしまして深く御礼申し上げます。尚、ひょっとすればですが...年内にも4万件突破のお知らせが出来るかも知れません。
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スペイン便り その7 (H.M.Planning.S.L
森
統の現地情報)
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<名優>
ちょうど今から1年前の8月29日、スペインの名優、フランシスコ・ラバル(Francisco
Rabal,
75歳)がカナダのモントリオール映画祭から、彼の半世紀を越える俳優生活を称える特別賞をもらい帰国の途中の飛行機の中で肺浮腫の発作に襲われ、緊急着陸したボルドー空港で、亡くなりました。1999年彼がゴヤ賞(スペインのアカデミー賞)を獲得した、カルロス・サウラ監督の映画「ボルドーのゴヤ」のロケ地であり、実際に、彼が亡命中のゴヤの死の床を演じた町での、偶然といえ、宿命を感じさせる最後でした。
ムルシア県の鉱夫の子として生まれ、少年時には、辻売りから石工までして家族を助け、独学、艱難辛苦の上、役者となり、二枚目スターになったものの、交通事故で、顔に傷を負った後、性格俳優への転換を成し遂げる、という小説のような人生を送りました。ヨーロッパでは最も知られたスペイン人俳優で、Luis
Bunuel, M.A.Antonioni,
Claude
Chabrol,
Carlo
Visconti等に起用され、1984年にはカンヌ映画祭の最優秀男優賞を『Los
Santos
Inocentes』で、無垢な知恵遅れの老人を演じて獲得(これもCarlos
Saura監督)
しました。
彼は終始一貫した共産主義者で、その思想や行動の一貫性を万人が評価し、相反する考え方を持つ人々からも尊敬をもって受け入れられていました。スペイン最大の日刊紙「El
País」誌のあの日の社説を以下に翻訳してみましょう。
『パコ・ラバルは並みの人間ではなく、非常に多様な政治状況(幼・青年期は共和制、成人後は独裁制、恵まれた老年期は民主制)を生き、天与の職業を、純粋の独学で磨き続け、大衆の愛着と尊敬を集め続けた、特異な人種に属する人たちの一人である。同時にその人たちは、いかなる状況下にも、自分に不利であっても、その理想と人間としての尊厳を放棄しなかった人達である。彼の長期にわたる俳優歴と国内外から与えられた、無数の賞と認知は本人の役者としての優秀さをおのずから物語るものであり、下手に語ると、偏った評価しか出来なくなってしまうこととなりかねない。パコ・ラバルは彼と同時期の朋輩が呼ぶ、単なる、喜劇役者ではない。彼は一生を通じて接した人のすべてをその信憑性で惹きつけた人であった。その範囲は、生まれ故郷Aguilas(ムルシアの小村)の住人から、共産党の同志達、ひいては、“意外にも、フランコ独裁下のような凡庸で残酷な社会のもとでも、彼のような一貫性を貫き尊敬に値する人間を生み出すことが出来たこの国スペインの”、インテリから社会の全階層に存在する友人達までにわたっている。多分“人生における”彼の発見の一つは、人間の惨めさと偉大さは世界中何処でも、大なり小なり同じものであるという理解とそれを認めることであったと思われる。』
少し修飾が長い文章なので“ ”は訳者がつけました。下手な日本語に直訳してしまうと、まったく味のない文章となってしまいます。同時にこの文章は原文が、処々削除されているとおもわれます。最終フレーズは、彼が一時ブニュエルと、メキシコに亡命していた時期があり、それを指しているとおもわれます。
名優と言われる人は自己の個性と主観を使い、せりふと振り付けの中に溶け込んだ客観性を大衆に対して伝える事の出来る本当の歴史の語り部なのでしょう。
(あなたの留学のお手伝いをするマドリード在住の『H.M.Planning.S.L』森
統)
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スペインの慣用句 ==
Serie III -06
== 馬耳東風 第三編の六
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動物シリーズは第4・5回と扱ってきたが、正直言って、第4回に動物を扱ったときには、これほど『長編の』シリーズものにする気はなかった。しかし、調べてみると、動物が登場する慣用句は結構あり、今回で3回目になってしまった。次回で一応終わりにしようとは考えているが、とりあえず、もう少しこの動物シリーズにおつき合い願いたい。
1. 『echarle (a
uno) un gato a
la cara』
猫は前回に一挙にまとめて6句も取り上げたが、スペイン語人が犬よりも猫の方が好きなの
か、あるいは、猫という動物の性質上、何かと揶揄しやすいからなのかは定かでないが、いずれにしても、猫を扱った慣用句はまだまだある。余りポピュラーではないかも知れないが、もう一つご紹介することにしよう。
直訳すると、「誰かの顔に猫を投げつける」となり、少々物騒な感じがするが、実際の意味も、遠からずで、状況次第、あるいは、発話したときの口調次第では、単なる『挑発する・仕掛ける』から、時には『喧嘩を売る』という意味になる。次の例文がそれを旨く表現している。
例) Me
limité a hacerle
una pregunta y
reaccionó como
si le hubiera
echado un gato a
la cara.
(質問をするだけに止めたつもりだったのに、彼はまるで僕が喧嘩を売りでもしたかのような反応をしたんだ)
2. 『oler a tigre』
「虎の匂いがする」というのがありきたりの訳だが、これだけでは意味不明だ。動物園に勤めているか、インドの山奥で虎に出くわした、というような人ならまだしも、通常の人は虎の匂いなど知るわけもない。ましてや、近頃では動物園の虎の檻もガラス張りで、現代人の我々には匂いを嗅ぐことすら難しい。あるいは、虎の匂いを客に嗅がせないための動物園側の配慮なのだろうか?いずれにしても、こんな慣用句がスペイン語にあるからには、きっとスペイン語人は虎の匂いがどんなものか知っているのだろう。あるいは、この慣用句は、かの『Félix
Rodríguez de la
Fuente(註:著名なスペインの動物学者)』あたりが、70年代に彼の解説で超人気テレビ・シリーズになった『El
hombre y la
Tierra(1974-79)』で語った言葉にでも由来するのかも知れない。ともあれ、どうやら、虎は極めて不愉快な匂いを発するらしい。スカンクとどちらが臭いのかを筆者に尋ねられてもお答えはできないが、慣用句の意味は『悪臭がする』だ。日本語には、『鼻を突く・鼻が曲がる・鼻がひん曲がる』と、少々味気のない慣用句しかなく、この件に関しては、日本の慣用句はどうも頂けない。スペイン語では、他に、慣用句ではないが、同じような状況でよく使用される表現に『Oler
que apesta』がある。
例) Su
habitación olía
a tigre.
(彼の部屋はひどい匂いがしていたよ)
3.
『coger el toro
por los cuernos』
「闘牛の牛の角をつかむ」というのが訳になるが、500sも600sもあるあの勇猛果敢な闘牛の牛の角をつかもうというのだから、これは、まさに実感のこもった慣用句の一つだ。先の『oler
a tigre』なども、実際に虎の匂いを知っていれば確かに実感もこもるのだろうが...。したがって、意味もそのものズバリ。『勇気を持って立ち向かう・思い切って何かをする』となる。日本の慣用句にも『清水の舞台から飛び降りるよう・性根を据えて掛かる』等々、同意のもので色々と良いのが少なくない。会話などでよく使用され、その意味からして、例文のように、だいたいが命令形的な使用が多いようだ。
例) ¡Vamos,
hombre! Tienes
que coger el
toro por los
cuernos.
(さあ、なにしてんだ。肝を据えて頑張れよ)
4.
『pillar el toro
a alguien』
闘牛の牛をもう一つ。こちらも少々物騒な感じだが、闘牛の牛というのがそのような感じを抱かせるのだろう。確かに、「闘牛の牛に轢かれる・捕まる・押しつぶされる」等すればこれは大変なことだ。もう、『やられた〜』って感じになるわけで、『どうしようもない状況に追いやられ、何もできなくなってしまう』というようなニュアンスになるのだが、この慣用句を一言で日本語で表現するのはなかなか難しい。そこで、下に例文を二つ上げておくので、何とかニュアンスをつかんでいただきたい。
例-1) No
pude terminar el
trabajo a tiempo
y, claro, me
pilló el toro.
(時間までに仕事を終えられなかったよ。もちろん俺の性じゃないぜ。仕方がなかったんだよ)
つまり、「牛の下敷きになったかのように自分にはどうしようもできなかったんだ」と言っているわけだ。
例-2)
Date prisa, que
siempre te
“pilla el toro”
y llegamos tarde.
(急げよ。お前はいつもそうなんだ。お前の性で遅刻ばかりだよ)
急げとせかされている人物は常に行動が遅い人らしいく、その理由というのが、「牛の下敷きになったかのように自分にはどうしようもできない事情」をその言い訳として出してくるのだろう。
5.
『ver los toros
desde la
barrera』・『mirar
los toros desde
la barrera』
更にもう一つ闘牛の牛に登場してもらおう。この慣用句は実に分かり易い。闘牛を見物したことのある人ならこの句が持つ意味は十分に理解できるだろう。「防壁から闘牛を見る」わけだから、安全であるだけでなく、自分が闘牛と戦っているわけではないので、安心して批評でも批判でも可能というわけだ。日本語の慣用句にも『高みの見物』というのがあるが、スペイン語の意味もまさにこれだ。唯一気になるのは、何故『desde
la barrera』なのか?だ。『barrera』というのは、上記の訳のように、観客席と闘牛場の「アリーナ」との間に、競技者が逃げ込める(牛は除く)ようにアリーナの中に設けてある小さな壁の意味と、そのすぐ後ろ、つまり、観客席の最前列も『barrera』と呼ばれる。しかし、その辺りだと元気のいい牛ならフェンスを飛び越えて暴れ込む可能性もある。よって、日本語の『高みの見物』というわけには行かないはずだ。『andanada(最上階の席)』や『grada(2階席)』でもなく、せめて『desde
el
tendido(1階席)』ではないのだろうか?等と勝手なことを言っているが、慣用句は慣用句であって、これは尊重するしかない。
例) El
negocio que
planeas me
parece muy
arriesgado. Así
que me dedicaré
a ver los toros
desde la barrera.
(君が計画している商バイはとてもヤバイ気がするよ。僕は高みの見物といこう)
6.
『las vacas
flacas』
男女機会均等が叫ばれるおりから、片手落ちになってはいけないので、『Toros』の後は『Vacas』を見てみよう。やせたいという気持ちはどうも女性の頭からは離れないらしいが、牛の場合は余りやせていたのでは頂けない。まあ、これも、それを「食ってやろう」と考える人間から見た勝手な言い分かも知れないが。ともあれ、女性以外は、この「やせた(雌)牛」のように、「やせている」というのは余りよい印象を与えないようで、この「やせた(雌)牛」は『不景気・不況・窮乏』の代名詞となっている。さて、この慣用句の起源だが、紀元前にまで遡らねばならない。『創世記』の第41章に、ある夜ファラオの夢の中に「7頭のやせた牛」が現れるという話がある。これは7年間の間エジプトに飢饉がやって来るという前兆だった、というわけだ。
例)
Actualmente
Japón se
encuentra en un
estado de vacas
flacas.
(日本は現在大不況のまっただ中にあります)
おまけの例) Me
han dado una
beca muy pobre.
Claro está, es
natural que sea
una beca flaca
estando en una
época de vacas
flacas.
(少しの奨学金しかもらえなかったの。そりゃそうだろう。今のような不景気なときには痩せっぽちなベ
カ奨学金しか出ないよ)
7.
『las vacas
gordas』
『las vacas
flacas』が慣用句になるなら、『las
vacas gordas』だって慣用句になるはず。むろん、当然と言えば当然でしょうが、まったく逆の意味になります。しかも、やはりその起源は創世記まで遡り、同じ章に同じような夢の話が出てきていて、こちらの方は、当然のことながら『好景気・繁栄』を意味するわけだ。だいたい『お話』というのは旨くできているもので、だからこそ喜ばれる。
例) Cuando
les tocó el
gordo en la
Lotería de
Navidad,
comenzaron las
vacas gordas
para esa familia.
(クリスマスの宝くじで大当たりが当たってからだよ。あの家の景気が良くなったのは)
今回はここでキーを打つのを止めましょう。次号で動物シリーズは終わりにしようと考えています。では、読者諸氏からのご質問・ご意見をお待ちしております。
(文責:ancla)
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森
統のスペイン豆辞典 その7 (H.M.Planning.S.L
森 統)
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<Gazpacho>
ガスパチョというスープはよくご存じだと思いますが、これはアンダルシア地方で主に食されるもので、かつてこの地方を何世紀にも亘って支配したアラブ人の料理に起源をもつものと思われています。早い話が、今でいう生野菜スープです。生野菜ですから、当然火を使わないので、壊れやすいビタミン類,ミネラルなどがそのまま生きており、夏の栄養摂取のバランス維持に効果があるといわれます。栄養士ではないのでその辺は専門家に任せます。個人的な意見を言いますと、純粋の日本料理に合うものではありませんが、揚げ物や焼き肉の前菜としては十分に使えると思います。また、毎日何リットルもつくり、家族中で水代わりに飲んでいる家庭もたくさんあります。この場合は薄目というか、少し水っぽく作るほうが良いでしょう。
さて、用意して頂く材料は次の通りです。
<6人前>
良く熟れたトマト 1kg(赤く熟れたもの)
たまねぎ 半個
きゅうり
太め1本
ピーマン
中サイズ1個
にんにく
1粒
パン(硬くなった食パン) 2枚
植物油(オリーブ油の方が良い)
大さじ2杯程度
酢またはレモンの絞り汁 大さじ2杯またはレモン1個分
塩 小さじ1杯
<作り方>
1)トマトは皮をむき、種を取り除く。たまねぎ、きゅうり、ピーマンを小さくきざむ。
2)にんにくはつぶすか極小に刻む。(嫌いな人は入れなくても良い。)
3)硬くなったパンを事前に水を含ませてやわらかくする。
4)上記材料をミキサーで二度くらいに分けて良く液化する。その際調味料(植物油、酢、塩)を入れることを忘れないように。
5)スープの濃さは好みに合わせて冷水を使って調節する。
6)出来上がったものをスープ鉢,またはボールに入れて冷蔵庫で30分ほど冷やした後に食に供する。その際氷を入れて冷やしても良い。スペインでは、スープ皿に盛られたガスパチョに入れる浮き身として、元の材料(トマト、たまねぎ、きゅうり、ピーマン,パン)の刻んだ物が小皿に添えて出されることが多い。その場合,好きなものだけを,選んで入れればよい。以上がオーソドックスなガスパチョで、地方によっては生卵の黄身1~2個を加えて作ることもある。そうすることで味がまろやかになるが、入れ過ぎると野菜の味が変わってしまうので要注意。
簡単でしょう。試して見てください。きっと夏の暑い日にはいいとおもいます。
(あなたの留学のお手伝いをするマドリードの『H.M.Planning.S.L』森
統)
編集部:スミマセン、少々時機を逸してしまいましたか?(=^_^;=)
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Monologo de un
pasota === Serie
II -07== 馬耳東風 第二編の七
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『Felipeはいまどこに?』 (その2)
さて、総選挙後4ヶ月を経た2000年7月23日、社労党はその第35回党大会で新しい書記長を選出した。それが、現書記長のホセ=ルイス・ロドリーゲス=サパテロ(通常はこの長い氏名も第1姓も使用せされず、母方の第2姓Zapateroが使用される。ピカソの場合と同じ)だ。ともあれ、この時の党大会での書記長選出選挙には、男性2名、女性2名の4名が候補として名乗りを上げていた。もう一人の男性候補はホセ・ボノ。女性はマティルデ・フェルナンデスとロサ・ディエスだった。因みに、各候補が得た得票は、それぞれ405、109、65票の順だった。39才のサパテロは414票を獲得して最終的に書記長に選出されたわけだ。しかし、この得票差を見ても明白なように、ホセ・ボノとの差は僅か9票だけだった。これではホセ・ボノを推していた『後見人』的存在のフェリッペにとっては面白くないのは当然(ここで話の筋がやっと主人公のフェリッペに戻った。いや、よかった、よかった。前回の6月末から2ヶ月のブランクがあったので、このままではどうなるのかと少々心配してしまった)だ。
この時の党大会では、書記長のみならず、党執行部もすべて刷新された。したがって、現在の執行部(25名、内10名が女性)の平均年齢は42.8才で、我々日本人には実に信じがたく羨むべき平均年齢だ。ところが、現在の社労党の当面の重大課題は、この若き執行部をもってして如何に『重鎮フェリッペ・ゴンサーレス』という高いハードルを乗り越えられるかにある。
前号でも書いたように、フェリッペ・ゴンサーレスは、フランコ以降の民主化過程のスペインで実に大きな役割を果たした『スペイン政界の大物』だ。いや、国内だけではない。国際的にも彼ほど知名度の高いスペインの政治家はいない。ひょっとすると、国際舞台では、現首相のアスナールよりも重要な政治家かも知れない。世界中の大物政治家も彼には一目置いているためで、むげに無視することはできない。したがって、特に国際関係での彼の助言やサポートは、社労党としては、現時点でも欠かすことができないのが実状だ。その彼がいまだにホセ・ボノを後押ししている。しかも、サパテロ率いる新執行部は、現在、次の2004年の総選挙を目指し、党の更なる『若返り作戦』を推進している。つまり、次の選挙で『老人』たちを選挙リストから外そうということだ。その中には、党の執行部は無論のこと、フェリッペが首相時代に大臣を務めた大物も含まれており、フランコ以降の民主化過程のなかで、国のため、また党のために多大なる活躍をした人物たちを姥捨て山に送り出そうとしている。もっとも、その内の何人かはすでに自ら危険を察知し、議員を辞職し、企業に天下ったりしている人もいるが、議員の座にあくまでも執着するというのは、古今東西どこの国でも、またいかなる政党も同様で、『老人外し』の対象となっている議員たちは、フェリッペ・ゴンサーレスを盾に、なんとか政界での生き残りを図っている。
さて、フェリッペ・ゴンサーレスという人物が偉大なカリスマ性を持った人物であることは周知の事実だ。少々個人的な話になって恐縮だが、彼が首相として来日した、確か1985年。彼の通訳の話が舞い込んできたことがあった。しかし、その時は残念ながら諸事情が許さずお断りをしてしまった。その後、筆者が彼に直接会う機会を得たのは、1996年7月17日のことだった。その時彼はもうすでにスペインの首相ではなかった。身長も170cm強(小生はちょうど170cm)で、それほど高くもなければ大柄でもない。しかし、オーラと言うか、他の誰とも違う何かを持っていて、実に大柄な人に見えた。因みに、筆者は特にフェリッペのファンではないことをつけ加えておこう。
そんな彼だから、彼の発言には、党の内外でいまだに大きな影響力があるのは事実だ。したがって、彼がサパテロに対して『もの申せ』ば、その都度話題になるのは必至で、サパテロを含む執行部が彼をどの程度抑えられるか、あるいは、納得させることができるかが、今後のスペイン社会労働党、ひいては、スペイン政治地図がどの色に塗られるかにかかわってくる大きな課題だ。そんなわけで、来る2004年の総選挙は、社労党にとってはかなり苦しい展開が予測される。(このテーマの終了)(文責:ancla)
ゝゝゝゝゝゝゝゝゝゝゝゝゝゝゝゝゝゝゝゝゝゝ
短文翻訳 2002年8月更新分
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1. La función de la
familia es una, la
de la escuela es
otra.
家庭の役割は家庭の役割、学校の役割は学校の役割。
2. Según un
estudio el volcán
emite diariamente a
la atomósfera cerca
de 3.000kg de
hidrógeno.
ある研究によると火山は毎日3000キロ近い水素を大気中に放出しています。
3. Este tranquilizante
es ideal para dormir.
この精神安定剤は眠るのに最適だ。
4. La
conservación del
medio ambiente es
imprescindible para
poder continuar la
vida humana.
人間生活の継続を可能にするためには環境の保全は欠かすことはできません。
5. Lo que
hemos hecho es
informarle, paso a
paso y detalle a
detalle.
我々が行ったことは、彼に逐一そしていかなる些細なことをも報告することです。
6. Su
intención es acabar
la legislatura tanto
si tiene como si le
falta el apoyo de
los nacionalistas
catalanes.
カタルーニア民族主義者の支持を得られる得られないにかかわらず任期をまっとうするのが彼の意向である。
7. Esto ha
sido el lema del Día
Internacional para
la Preservación del
Medio Ambiente.
これが世界環境保護デーの標語でした。
8. Por fín
puedo hacer realidad
mi sueño ya que me
ha tocado el gordo
de la lotería.
宝くじの特賞が当たったので、ついに僕も夢を実現させられます。
9. El ya
viejo General puede
morir en cualquier
momento.
すでに年老いた将軍が何時死んでもおかしくない。
10. Se está
haciendo una
monstruosidad con
ese niño de 6 años.
その6歳の少年にとんでもないひどいことを強要しています。