本格的に、そして、本腰を入れ、じっくりとスペイン語を学び、実践的なスペイン語力をつけたい、伸ばしたい人のためのスペイン語塾
 

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Instituto de Traducciones de Tokio

 


 

 
ここは日西翻訳研究塾ホームページ「月刊メルマガ」のNo.17です
 

 

     

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日 西 翻 訳 研 究 塾
Instituto de Traducciones de Tokio

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☆        e-yaku ニュース・ No.17 (03月号) 2002/03/31         ☆
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==== 初めてこのメールを受け取られる方へ ====
  このメールは、日西翻訳研究塾が基本的に毎月末、スペイン語学習者のお役立ち一口メモと共に、塾のお知らせをするための、ネット上のごくごく簡単な定期的かつ一方的なメール(メール・マガジンの小型版)です。過去のバックナンバーをご希望の方は遠慮なくお申し出下さい。尚、『Monólogo de un pasota』シリーズは終了後に、第1回からホームページに掲載予定です。お急ぎでない場合は少々お待ち下さい。逆に、受信をご希望でない場合は、このメールの一番下の宛先までその旨をお知らせ下さい。
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緊   急   の   お   知   ら   せ
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    21世紀初頭を飾る記念すべきサッカーのワールドカップが近づいてきました。本塾もこのワールドカップと決して無縁ではありません。というのも、本塾からもリエゾンなどの縁の下の力持ちとしてそれぞれ活躍することになっているからです。こうした優秀な方々が本塾の塾生であられることを大変光栄に思います。以下の方々がそれぞれの任務を無事果たせるよう、皆様も是非応援して上げて下さい。
 まだチャンスは残っています
    尚、下記のように澤山さんが従事される『訪日外国人招待旅行の業務』に対する通訳サポート(ボランティアではありません)の仕事はまだ募集中だそうですが、締め切りが迫っているとのことですので、興味のある方は早めに行動されることをお薦めします。
    尚、本塾塾生で、「何も言っていなかったけれど、実は私もワールドカップに関係しているんです」と言う方がおいでになりましたら是非お知らせ下さい。
ワールドカップに参加する本塾の塾生:
        ☆ 経済・時事翻訳クラスの尾郷 奈々子さんは、FIFA(世界サッカー連盟)の『アクレディテーション登録センター』勤務。
        ☆ プロ翻訳クラスの長岡 絵里子さんは、コスタリカ・チーム・リエゾン。
        ☆ 元プロクラスで現在休学中の小粥 敦代さんは、エクアドル・チーム・リエゾン。
        ☆ この度新たに入塾されたセミプロ翻訳基礎クラスの古畑 美和子さんもコスタリカ・チーム・リエゾンです。
        ☆ 上級翻訳クラスの澤山 陽子さんは、訪日外国人招待旅行者向け通訳

       因みに、昨年度本塾でも教鞭を執って下さっていた『武蔵』の制作者でもあるアルベルト松本氏は、コスタリカとウルグアイ両チームの主任リエゾンです。

 『訪日外国人招待旅行の業務』募集!!!!!!!!!
     A  オフィシャルスポンサーが主催する訪日外国人招待旅行の業務
    B  選手団・審判団・ジャーナリスト等のエスコートならびに、大会組織運営担当
    C  上記A Cに関連する空港業務
    おおまかに上記3種ですが、スペイン語での仕事は具体的に応援団の添乗業務、スポンサーの招待客のエスコート等。
    電話連絡の上、履歴書を送付して面接があります。
                     会社  ツーリズムエッセンシャルズ株式会社
                    ホームページ http://ww.t-e-i.co.jp
                    電話 03-3432-7381 (代表)
(ここから通常に戻ります)

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お   知   ら   せ
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 ★ 『文法専科』、接続法のその2が終了!!
         関東4大学のスペイン語文法の権威6名が、1年を通じて(月1クラス)、文法を分かりやすく開眼させて下さるというこの画期的なクラスですが、早いものでもう第7回が済んでしまいました。3月11日は、日本のスペイン語文法界のホープ、早稲田大学他の有名校で大学で教鞭を執っておられる泉水 浩隆先生のご担当で『接続法』についてご講義いただきました。いつものように、塾生たちが興味津々の例題が次から次へと提示されました。その一部を以下にご紹介します。

     以下の例文のカッコ内の中の動詞はどちらが正しいのでしょう????
             a) ¿Asistió a la conferencia porque le (interesaba / interesara) el tema?
                b) Aunque (llueve / llueva) mañana, saldremos de excursión.
                c) Corría de manera que nadie (podía / pudiera) seguirlo.
                d) Habló de forma que todos (pudieron / pudieran) entender su explicación.
                e) Busco un libro en el que (se analiza / analice) el modo en las oraciones relativas.
                f) Leo un libro en el que (se analiza / analice) el modo en las oraciones relativas.
 
(出典:泉水浩隆先生 2002年3月11日『文法専科』の授業より)
     次回04月08日(月)19:00〜21:00講義は、スペインから戻られたばかりの安富先生(拓殖大学教授)に再登場して頂き、知っていて絶対に得する・便利な接辞・語基』の講義をしていただきます。ご期待下さい。
      おことわり:現在『文法専科』は最大定員に達しており新規の募集はしておりません。
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★ 『経済時事翻訳クラス』の特別講義について
    昨年10月01日に引き続き、神田外語大学 国際コミュニケーション学科学科長、経済博士の戸門 一衛 教授をお迎えし、経済の特別レクチャーの開催日が決定しました。4月15日です。今回は『経済思想と経済政策(Pensamiento económico y Política económica)』をテーマに、普段語学の世界にいる我々が触れることのない、古典派の経済思想のお話から始めて頂き、20世紀の経済政策を支配してきたケインズ思想を軸とした20世紀の経済にスポットを当ててご講義していただく予定です。何だか難しそうな感じを受けますが、これらの難しそうな話を、語学畑の我々にもよ〜〜く理解できるように、かみ砕いて優しくご説明していただきますのでご安心下さい。よって、普段こうした講義を聴くチャンスが滅多にない語学畑の皆様で、本コース以外の方々にも広く門戸を広げて一般からの聴講を受付けます。お申し込みは、前日までにメールにてお願いします。定員になり次第締め切ります。尚、受講料は5,000円です。
★ HPの『本塾の趣旨』のスペイン語版が完成!!
    本塾のホームページを日西二カ国語表記にする計画があり、まずその手始めに、本塾の特徴を紹介するスペイン語のページを立ち上げました。ご興味がおありの方は一度見てみて下さい。日本語版のように『しつこい』書き方ではなく、読み手に優しい簡単明瞭な形になっています。
 ★ 『武蔵』今月のHP掲載は『EDUCACIÓN DE LOS HIJOS Primera Parte』です
    制作者アルベルト松本氏のご厚意により、本塾のホームページに掲載しておりますLatinos en Japónのための超お役立ちページ『武蔵(Musashi_Index.htm)』は、毎月1ページずつ追加掲載しておりますが、回を重ね、今月で第10回を迎えました。このページは、前述のように日本に滞在・居住するスペイン語人のためのページですが、日本の様々な事柄がスペイン語で書かれていることから、日本人のスペイン語学習者にも大いに役立つページです。これからもお楽しみに。そして、大いにこのページをご利用下さい。
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特別コーナー ☆ ☆ ☆ ------
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★ スペイン語学業界視察レポート (その1)
    この度、本塾では、スペインへ留学を希望する方々への支援を視野に入れ、スペインの語学市場の視察を敢行(去る2月16日〜25日のかなりの強行軍ではありましたが)いたしました。今回の視察は、所謂、業界用語で『逆ミッション(Misión inversa)』と呼ばれるもので、スペイン政府の『Español como Recurso Económico (E/RE)=経済資源としてのスペイン語』という政策の下、貿易庁の肝いりで、そのものズバリのE/REとなのる語学業界の協会が中心となり組織された視察旅行でした。参加したのは、日本全国から全19社(語学学校は本塾を含め7校、その他の12社は留学斡旋業者)でした。
     本塾が参加した理由は、これまでにも塾生を始め、ネットを通じてスペインへの留学の問い合わせが多く受けてはいましたが、ご紹介する上は責任と自信を持ってご紹介できなければ紹介したくないので、ほとんどすべて『無視(この言葉のままではありません)』してきたからです。
     まず始めに、スケジュールを公開しますと、日程の最初の2日間は、ホテルに缶詰状態で、朝の8時から夕方の6時まで、ホテルの宴会場に設けられた19のブースに日本側が、それぞれ指定されたテーブルに座っていると、スペイン全国から語学学校や大学が次から次へと各々20分ずつのプレゼンテーションに現れ(2日間に32校)、それに対応し、2日目のその日程が終わればバスに乗り、サラマンカへ移動し、夜9時30分に到着し、10時からサラマンカの一部の学校代表者との夕食会、終わればもう翌日になっていました。またまた朝は6時半に目を覚まし、朝食をとったりして、9時から学校訪問し、夕方にはまたバスに乗り込み、バジャドリーへ移動、その夜もビジネスディナーで翌朝まで。次の日も朝9時から学校訪問と市内観光、昼前(スペイン時間の)にバスに乗り込みアビラに移動し、アビラでビジネスランチ。この町は町全体が世界遺産に指定されていて、マドリーとサラマンカのちょうど真ん中くらいに位置しているという好条件に恵まれている割には、これまではこれと言った産業がなかったことであまり目立たない町でしたが、今後は観光で身を立てようとしています。そんなわけで、ここには、まだ1校しか語学学校はありません。その学校を訪問し、市内観光をした後マドリードに帰りました。
     ここで始めてビジネス抜きの各自自由に夕食ができました。これを利用し、現在、日本大学とマドリー大学との間の協定により日本学の客員教師として現地に滞在されています松井先生(昨年、本塾で中級及びメキシコのスペイン語会話の文法をご担当)と久しぶりにお会いし旧友を暖めるという有意義な時を過ごしました。
     翌日はマドリード市内の学校訪問、最終日の土曜日にはセビリアまでAVEに乗って出かけ、市内の学校を訪問し、夕刻にはマドリーに戻るという芸当まで演じてきました。
     直にプレゼンテーションを受けた学校は、民間の語学学校や国立・私立大学を合わせ、全部で40校でした。その内、実際に視察できた学校は17校でした。本塾では、近々に鋭意努力し(政治家のような微妙な表現でしょう)、今回の視察旅行を無駄にしないためにも、本塾のホームページ上で『スペインへの留学』をサポートするページを公開する予定です。とはいいましても、何しろ、頂いたパンフレット類が何と約14Kgあり、現在海の上を公開中ですので、これが到着してからと言う少々のんびりした話ではあるのですが、いずれにしても乞うご期待です。その中でも注目に値するのは、また、本塾の塾生たちのレベルを考慮して、最も知りたかったことが判明しことです。それは、一部の民間語学学校や大学では、語学研修の一環として、一般の民間企業での研修を世話してくれるところがあると言うことです。無論研修ですから給料は出ませんが、実際の語学が学ぶことができるので、これは大いにお薦めです。ところで、本塾が今回の視察旅行に参加した理由は、実はもう一つあったのですが、少々長くなりそうですので、この続きは次号でご報告いたします。
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    スペイン便り その5 (H.M.Planning.S.L 森 統の現地情報)
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 雨音をバックに先日家内と一緒に道端で買った音楽を聴いています。Tamaraと言う若い女性歌手のボレロのコレクションで、雨に良く合う歌集です。
  アフリカからきた漆黒の青年達が路上に広げた盗作CDレコードの群れの中から気まぐれに買ったものです。著作権を無視した行為に荷担する後ろめたさと、死を決してジブラルタル海峡を渡ってきた彼らの1夜の夕食の一助になればと言う自己弁護が交錯しますが、明らかに、廉価と言う強力な味方を持つ後者のほうが強く、この次はどんなCDが見つかるだろうかと言う方向へ思考が進んでゆきます。
  不思議と、この業種(盗作CDの街頭販売)はアフリカ人の青年達の専売になっており、盛り場の花売りは中国人の女性、衣料品は中米人、等と露天のヤミ売りのきまりが出来上がってきたようです。子供の頃、近所の夜店で、古本・古雑誌の山の前にしゃがみこみ、時を忘れたことが懐かしく思い出されます。あの頃既に身に染み付いた、習慣が今になっても断ち切れず、ラストロであれ、街頭の立ち売りであれ胡散臭く並べられたものの前は素通りできません。
  今から、10年前、自宅でCDやDVDのコピーができるということを想像できた人はどれだけいたでしょうか。情報関係部門で20年ばかり糊口を凌いだ身ですが、元々技術とは縁遠く、門前の小僧でしかなかった自分が、今ではPCのおかげで少なくとも日本や世界の最新情報と日々接することが出来たり、情報の重複(と言えば響きはいいですが要するにコピー)がいとも容易くできるようになった今、露天で販売されている複写CDを買い、それを再生(プレーヤーで聞くこと)することに大した抵抗が無くなっていることに驚きます。
  現在の、先進国経済のかなり大きな部分が知的所有権や著作権の販売や貸与で成り立っている事は誰もが知ることです。そしてこれから先もその比率が増してゆくことも明らかです。その知的財産の創造、製作のために動員される資本や人口、すなわち頭脳集約型といわれる産業部門の投資と雇用は、その成果が有効な期間中妥当な対価を保証されることで成り立つわけですから、盗用・盗作という行為は最も疎まれる行為であるわけです。
  しかし、現実の問題としてその資産を保護したり管理する事は容易ではありません。5年以上も前にバンコックやハノイの町で盗作最新CDレコードのみを販売する大きな店を見ました。少し前の韓国や台湾の事情に詳しい方は良くご存知の通り、ブランド商品、有名家電、精密機械に至るまでありとあらゆるものがコピー生産されました。
  それを防ぐ一手段として生産力提供国のWTOへの参加があるわけです。先進国としては同じルールを認めさせる事以外に盗作を防ぐ手は無い事を思い知らされて来たからです。しかし、すべての社会が同時に同じルールで動くのはまだずっと先の事か、永久にこないかもしれません。なぜなら、そのルールはいつもすべてに公平に作用するとはいえないからです。殆どの場合ルールを作った側に有利になるように出来ており、ルールに従わせられる側には不利となります。これが格差を生み出す原因でもあります。世界のグローバル化で一番利益を受けるのは先進国である事は確かです。例えば昔はレコードのヒットで100万枚売るのは、大変な事でした。今では、1,000万枚、2000万枚と言う数字が売れるのです。
  先進国の自己懺悔の意味で、この十年来GNPの0.07%を低開発国援助に供出しようという運動がありましたが、このあたりが「反グローバル運動」の起源でもありました。
  しかし完全にこれらの所有権を擁護し、それからの収益を計上する事は事実上不可能な事は誰でも知っています(PCの利用者で、違法プログラムを1本も使用していないと言う人が居るとすればそれは表彰に値する行為でしょう)。強力な警察権、司法権が行き届かない場合、もろく侵害されやすい(Vulnerable)ものです。
(あなたの留学のお手伝いをするマドリード在住の『H.M.Planning.S.L』森 統)
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         スペインの慣用句 == 02 ==
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 前回の慣用句は、日本人の感覚からは少々ありそうにないような慣用句を4つばかりご紹介しました。慣用句には、こうした『ありそうにもない(Inverosimil)』なものや、『ありそう(Verosimil)』だけれど...といったものや、聞けばなるほどとは思っても、ちょっと『想像がつかないもの(Inimaginable)』、結構日本人の感覚でも判ってしまう『想像可能な(Imaginable)』もの、そして、万人に判る『そのまま(tal cual)』のものなど、いろいろあります。また、単語を基準にすれば、人間の体の部分を遣って表現するものが結構存在し、また、家具・動物・自然等々も相対的に多いと言えるでしょう。つまり、基本が口語体だけに生活に密着した単語を使うのが基本なのでしょう。無論例外もありますが。
 尚、初回にお断りをしておくべきだったのですが、このメールマガジンは、初心者から言語学の教授に至るまで様々なレベルの方が購読されています。したがいまして、ここでご紹介する慣用句のレベルは万人向けと言うことになりますので、レベルの高い方にとってはほとんどが知っているというような結果になるかもしれませんが、ご了承下さい。
 さて、では今回は、まず、体の部分が出てくる慣用句の特集といきましょう。この種の慣用句は前述のように山のようにあるので、今後も引き続き出てくると思います。
 1. 『de boca en boca』、あるいは、『en boca de todos
    この慣用句には、通常、『andar』、『correr』、または『rodar』などの動詞が伴います。意味はすべて同じようなものです。この表現なら我々日本人にも想像できますよね。そう、その通り『口から口へと』とか『口伝えで』といった意味です。
    例) A la muerte del Cid, su fama corría de boca en boca añadiendo datos fabulosos a los datos reales. (エル・シドが死に、彼の名声は口から口へと事実に尾ひれが加えられ伝わっていった)。
2. 『con el culo al aire
    慣用句には、上記1の例のように、日本語訳がほとんどの状況でも変化しないものよりも、むしろこの慣用句のように、状況によって様々な日本語訳が想定されるものがあります。意味は『頭隠して尻隠さず』ではなく、直訳すれば『お尻丸出しで』ということになり少々赤面するような状況が浮かび上がってくるのですが、無論、『文字通り【(al pie de la letra)これも慣用句の一つです】』の状況だってないことはないでしょうから、その場合は慣用句としては扱えません。しかし、慣用句として使用される場合は、意味と言うよりもその使用される場面の状況がものを言います。つまり、『無防備』状態の時、『お手上げの状況に置かれた』場合や、『突然何かが起こりあわてふためいている』状態の時でしょう。尚、慣用句として使用する場合、動詞『quedarse / encontrarse / estar』等が多々使用されることも併せて覚えて下さい。と、言いながら、例には違う動詞を出すのですが...。
    例) Mi mujer se marchó con todo el dinero que tenía y me dejó con el culo al aire. (かみさんが全財産を持って出ていってしまいましてね、僕、どうしようもないんです)。
 3. 『chuparse el dedo
    赤ん坊が指をくわえている情景が浮かぶでしょうか?そう、その通りです。『指をしゃぶる』という訳になります。ところが、このスペイン語の慣用句を訳した場合、必ずしもそうなるとは限りません。立派な大人が指をしゃぶっている情景を想像してみて下さい。それではその人がまるで馬鹿に見えませんか?そうなのです。意味としては『ばか(無邪気)である』となり、『mamarse el dedo』としても同じ意味での使用が可能です。尚、日本語では、何か物欲しげなときに『指をくわえている』と言います。例えば、「私は幼い頃近所の子達が遊んでいるのをよく指をくわえてみていた」などと。しかし、これをスペイン語に訳すときに、Solía chuparme el dedo mientras miraba a los vecinos jugando.とすれば、自分は単なるバカだったといっているだけであって、日本語の真意が汲まれいません。確かに、見ているだけでなく、羨ましいと思わずに一緒に遊べばよかったわけで、それをしなかったのはバカなのかもしれないのですが、この日本語文が言いたいのはそんなことではありません。私は別段バカではないのだけれど、(性格が)内気で、一緒に遊びたかった。仲間に入れなかった。あるいは、何らかの理由で仲間に入れてもらえなかったのであって、けっして、この主人公がバカだとはこの日本語文からは読みとることはできません。では、この場面では絶対にこのスペイン語の表現を遣うことができないのかと言えばそうでもありません。つまり、慣用句としての表現を解除すればいいわけです。例えば、Solía chuparme el dedo como señal de rabia y deseo mientras miraba a los vecinos jugando.という風に、何故指をくわえていたかの理由を述べればその時点で慣用句ではなくなるわけです。
    例) ¡¿Es que tú piensas que yo soy uno de esos que se chupan el dedo?! (お前は俺のことをその辺の阿呆だと思っているんだな?!)。
 4. 『morderse los labios
    通常スペイン語というのは、複数や男性女性が明確にされていることなどで実に合理的な言語なのですが、中にはこういった不合理な表現も存在するのです。唇は上と下の両方を合わせて唇というわけで、だからこそ複数形で正しいのですが、この『唇を噛む』という表現になると訳が分からなくなります。それとも、hispanoparlantesは両方の唇を一度に噛むことができるのでしょうか?などとバカな冗談はさておき、これも例3同様かなり状況を想像することができる慣用句の一つです。我々日本人だって『何かを言いたいのを我慢』したり、『笑いたいのを我慢』したりするときはありますよね。日本語の慣用句の『臍を噛む』に似た状況はあるのですが、この場合は『悔しい』という感情に支配されているわけで、『morderse los labios』は必ずしもそのような極端な状況でなくても使用可能です。『morderse la lengua』も同じ意味で使用します。
    例) Deberías haberte mordido los labios y no haberle contado toda esa historia.(いらぬことをベラベラ喋らずに黙っているべきだったんだよ君は)。
 5. 『ensuciarse las manos
    『(自らの)手を汚す』というのがそのままの訳であって、しかも、日本語の慣用句である『手を汚す』にとてもよく似ています。但し、両言語で大きな違いがあるのは、日本語の方は、『(何か良くない、あるいは、つまらないことをしたことで)手を汚してしまったよ』などと、スペイン語で言うところの『悪事に手を出す』とか『法を犯す』という意味ではありません。つまり、スペイン語の『手を汚す』は、あくまでも『法的に良くないこと』が前提になります。もっとも、日本語には『手を染める』という慣用句が存在します。こちらの方がよりスペイン語の意味に近いかもしれませんが、『手を染める』という表現自体にはこちらも悪意は内在していませんから、次の例文のような使い方になるでしょう。
    例) Conmigo no contéis que yo no pienso ensuciarme las manos. (君たち僕は悪事に手を染める気はないからな)。
 6. 『comer con los ojos
    日本料理はまさにこの通りだとばかりに、スペイン語人に『Debes de comer con los ojos la comida japonesa』などとは言わないようにしましょう。無論状況が違いますから理解してもらえるとは思いますが...。この慣用句は、ちょっと難しい動詞を使用して『devorar con los ojos』とも言うのをみても判るように、あまり良い意味・表現ではありません。日本語でも、美しいご婦人を見ると男たちが言いませんか?『おいしそう』などと。そう、ここまで言えばもうその意味・状況はつかんでいただけたでしょう。『(物欲しげに)見る』とか『(ほれぼれと)ながめる』、あるいは、もっと分かり易く言えば『(あの女・男を)食べてしまいたい(とsexしたい)』ということなのです。
     例) ¿Sabías que en la fiesta de anoche ella te estaba comiendo con los ojos? (昨夜のパーティーで彼女が君のことを物欲しそうにじっと見つめていたことに気づいていたかい?)
 7.  『hablar por los codos』
       肘によって話すというのではまったく意味を介さない。口だけではなく肘ででも話す、?とまで訳出してくると若干判らぬこともない。と言うわけで、『良く喋る・喋りまくる・どんどん喋る』の意味になる。この表現は大変一般的なので知っている人は多いと思うのでこれ以上のコメントは避けることにする。
         例) En Honolulú de Hawai se habla japonés hasta por los codos.(ハワイのホノルルでは日本語がいやと言うほど話されている)。
  さて、できるだけ分かり易く説明しようという意図からなのですが(エッ?性格がしつこいからだ?)、どうも解説が長くなってしまい、なかなか数がこなせませんがご理解下さい。読者諸氏からのご質問・ご意見をお待ちしております。 (文責:ancla)

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    森 統のスペイン豆辞典 その3 (H.M.Planning.S.L 森 統)
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<オリーブについて そのB>←因みに、この文字の色はオリーブ色なんです。
 これだけ良いこと尽くしのオリーブ油ですが、一つ難点があります。それは採油の残渣です。この残渣は重量比で約60%発生します。更にプロセス中に使われる水を含めると、全原料と同じかそれ以上の廃棄物が出ます。この廃棄物はアルペチン(Alpechin)と呼ばれる黒い汚泥水で、酸性度がpH3.5前後という大変厄介なものです。更にタール分、フェノール酸、二酸化フェノール、アンモニアなどを多量に含むもので、今もって完全に処理を行える方法が確立していない産廃なのです。これが収穫後、採油工場から出たものを、村のはずれの大きな人口の溜池状の廃棄場に集約するのです。これは又大変な悪臭を伴い、地中に流れ出たり、河川に流入すると、大きな汚染を引き起こします。
 広大な地域で単一作物を生産する農業につき物の現象で、自然が自浄作用で処理できる規模をはるかに上回って作り出される残渣の処理が出来なくては完結プロセスとはいえません。それは、オリーブ栽培だけに限らず、養豚、乳牛、養鶏等から排出される公害も同じです。かつては、工業分野の排気、汚水,悪臭等が公害の代名詞のように考えられていましたが、人間の生存に不可欠な、食品の生産のための集約農業が環境破壊源と成りつつある現状は早急に是正されなくてはなりません。
 オリーブの実のもう一つの利用法は、あく抜きをした後、ハーブと塩で漬物にした食卓オリーブ果実です。これは、日本の漬物の様に、地方毎に、色々な種類があります。実が熟す前に採取した緑色のもの、熟した黒色のもの、それらのミックスのものがあります。味付けのベースとしては、バニラ、麝香草(Tomillo)、等の軽い物から、にんにく、パプリカ、からし粉、等の強いものにたるまであります。特にハエン種といわれるものは苦味がありワイン好きには好まれます。又、種を抜いて、そこにアンチョビーの塩漬けを詰め込んだものなどもあります。
  専門にこれを売る店があり、家庭の主婦(夫)は、店頭に樽に入れ並べられた種類の違う漬物の内、好みのものを量ってもらい買います。一般には、ワインやビールのおつまみとして使われ、スペインのバーや家庭の食前には欠かせないものです。料理にも使われ、ローストの詰め物や、パイ、煮物の具にも使われます。このように加工されたオリーブの実を食べるとき、果実本来の持つ油脂分(約40%)にもかかわらず、それが殆ど感じられないのは不思議という他はありません。
 参考:
オリーブ油の栄養価(100g)は次の通り;
カロリー             900kCal
油脂分 複合不飽和性         8g
    飽和性           13g
    単飽和性          79g
ビタミン             A、D、E
(オリーブのお話はこれで終わりです)
(あなたの留学のお手伝いをするマドリードの『H.M.Planning.S.L』森 統)
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     Monologo de un pasota        === Serie II -03==
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『アスナール首相の次は誰が明日なーる?』 (その1)
    1993年の総選挙。すでに疲弊をきたしていた社会労働党政権(PSOE)に退陣を迫ったのは、その3年前の1990年3月に37才の若さで国民党(PP)の党首に選出されていたホセ=マリーア・アスナールだった。しかし、その頃のPSOEは、党自体の信任は確かに崩れはしていたものの、国民に絶大なる支持を得ていた書記長でもあったフェリッペ・ゴンサーレス首相のカリスマ性は衰えてはおらず、アスナールは苦渋を飲まされてしまった。
     そして、満を持して望んだ1996年総選挙。アスナール(薬のカコナールとは何の関係もない)はやっとのことでPSOEを倒し、連立ではあったものの念願の首相に就任した。ところが、彼はその時点で、早くも、2期(8年)以上は首相を続ける意志がないことも同時に明言していた。もっとも、当時は政権に着いたばかりであったばかりか、2期目の政権継続さえまだ4年先の話であったことから、このことは誰も気にもかけなかった。
     最新の2000年の総選挙では、見事、下院183議席という過半数を悠々超える議席数を獲得し現在に至っている。ところが、その2期目も中盤に入ってきた現在、スペインでは彼の後継者選び、つまり、次期首相に誰がなるかが話題になっている。次期首相とは少々気の早い話だから、少なくとも、国民党の次期首相候補は誰か、ということだ。もっとも、野党第1党の社会労働党は、この間、あれほどカリスマ性のあったゴンサーレス書記長が身を引き、サパテロ新書記長が党を率いているが、国民党政権が調子がいいと言うこともあり、今ひとつ国民の支持が少ない。つまり、2004年の総選挙でも、このままでいけば再度国民党が政権を継続するという見通しは高い。
    したがって、アスナール首相が立候補しない限り、国民党の誰かにそのおはちは回ってくるのは確実という訳だ。実は、少し前までは、現在の第2副首相であるロドリゴ・ラト経済相が最有力候補になっていた。彼は党の第2書記長でもあり、アスナールの信任も非常に厚い人物である。ところが、昨年の6月、彼の部下に当たる大蔵長官やスペイン証券取引委員会(CNMV)の委員長までもが辞職に追いやられると言う、『ヘスカルテラ事件(Caso Gescartera)』という大スキャンダルが発覚し、ラト氏の次期首相候補は完全に交代した。
    実際のところはまだ誰が候補になるかは明白にはなっていないが、結論から言えば、現在スペインはEUの議長国の任に当たっており、これが終了する6月末まではこの件は事実上棚上げと言うことになり、夏の間あるいはそれ以降に確実な名前が挙がってくると考えられるが、ここではその予想をしようと言うのではなく、アスナール氏の後継者に女性がなるのではないか?という噂がある。そこで、この話を次回にしてみよう。(次号に続く.../...)(文責:ancla)
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    短文翻訳 2002年3月更新分
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1. La huelga de ayer fue secundada por un porcentaje elevado de empleados públicos.
        昨日のストは相当数の公務員に支持された。
2. La falta de tiempo y los avances tecnológicos modificarán sustancialmente el trabajo doméstico de las mujeres.
        時間の不足と技術革新が、女性たちの家事を根本的に変えるでしょう。
3. Hay tragedias que no se pueden evitar y otras que sí se pueden.
        回避できない悲劇もあれば、回避できる悲劇もあります。
4. El pasado 28 de mayo los ciudadanos acudieron de nuevo a las urnas para votar en la segunda vuelta presidencial.
        さる5月28日、国民は大統領選の第2回目の投票のために再び投票所に足を運びました。
5. En esta "Semana Dorada" japonesa salieron unos 580 mil personas al exterior.
        この『ゴールデンウイーク』に58万人の日本人が海外に出かけました。
6. Sí que hay excelentes vinos blancos en el mundo.
        世界には素晴らしい白ワインというものがあるのです。
7. Dijo que le habría gustado ser bailarina pero que engordó demasiado.
        彼女はほんとうはダンサーになりたかったものの太りすぎたと語った。
8. No hicieron nada y han merecido perder.
        何もしなかったのだから失敗して当然だ。
9. La policía no pudo seguir la pista del criminal.
        警察は犯人の手懸かりを掴めなかった。
10. La quiniela japonesa del fútbol comienzó a partir de marzo y se llama "TOTO".
        日本のサッカーくじは3月に開始され、『トト』と呼ばれています。

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