本格的に、そして、本腰を入れ、じっくりとスペイン語を学び、実践的なスペイン語力をつけたい、伸ばしたい人のためのスペイン語塾
 

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Instituto de Traducciones de Tokio

 


 

 
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日 西 翻 訳 研 究 塾
Instituto de Traducciones de Tokio

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☆          e-yaku ニュース・ No.24 (10月号) 2002/10/31           ☆
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==== 初めてこのメールを受け取られる方へ ====
  このメールは、日西翻訳研究塾が毎月末に、スペイン語学習者のためのお役立ち情報と、本塾のお知らせをするネット上の定期的かつ一方的なメール・マガジンです。ご希望の方にはバックナンバーを送付いたしますので、遠慮なくお申し出下さい。
   尚、『Monólogo de un pasota』シリーズの「Serie I」と「Serie II」のバックナンバー版を、2002年7月31日、『馬耳東風』第一編 スペイン語文法番外編と第二編としてHP上に連載を開始いたしました。したがいまして、このシリーズのバックナンバーはHP上でもご覧になっていただけます。
  アドレスを変更される場合また、このメール・マガジンの受信を希望されない場合、その他、ご意見ご希望等は、このメールの一番下の宛先までご一報下さい。
  以前からの購読者の皆様はお気付きになられたと思いますが、先月7月31日より、フォントサイズを大きくし、読みやすく致しました。
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 ☆ 塾生特典がもう一つ追加
      塾生は、学習以外に様々な特典を有していますが、この度、学習上の特典が付加されましたので、以下の通りお知らせいたします。 
授業の録音テープ貸し出しについて
  授業に欠席した(せざるを得なかった)方の学習を補助するため、本塾では、従来から授業の録音テープ貸出しシステムを行っていましたが、この度、ある熱心な塾生の申し出でを採用し、自宅での復習学習を補助すると共に、復習をより一層しやすくする目的で、出席した塾生にも、この『授業の録音テープ』を貸出すことにしました。これに伴い、以下のようにルールを定めますが、これは塾生の特典の一つとしての位置づけになりますので、従来の塾規約には変更はありません。
     1. 欠席者の有無にかかわらず、すべての授業(講義)は録音テープ(以下、
       テープ)に収める。
    2. テープの貸出し優先順位は、欠席者(短期休学者ではない)が第一優先
       権を持つ。
    3. 上記2にかかわらず、その他の塾生(授業に出席した塾生で、復習をさ
       らに充実させたいと考える塾生)が、テープを持ち帰った翌週に必ず返
       却することを条件に、当日の欠席者に先んじてテープを持ち帰ることは
       できる。但し、その理由の如何にかかわらず、テープの返却が翌週にな
       されなかった場合、同塾生への2回目以降のテープ貸出しについては、
       その権利順位を最下位とする。
    4. 上記3の場合で、テープを持ち帰りたい出席塾生が複数の場合、優先順
       位は当事者間で決定することとする。
    5. 最優先有権利者である欠席者が翌週も欠席した場合、同貸出し最優先権
       は次週に持ち越される。
    6. 欠席者が複数の場合は、欠席した有権利者同士で優先順を決める。
    7. いかなる場合も、権利を有する欠席者が優先される。
    8. 貸出しならびにその返却が終了したテープの保管は最長1ヶ月間とする。
  以上の塾生特典は、2002年10月28日より開始(この前週の録音テープに遡り摘要)した。
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耳 寄 り な お 話 コ ー ナ ー
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  拓殖大学教授で、昨学年度に本塾の『文法専科』で素晴らしい講義をしていただきました我らが『小池 和良 先生』が、この度、中・上級者向けの「スペイン語作文の方法・構文編【2,625円(税込)】」という作文の入門書を第三書房より上梓されましたのでお知らせいたします。
  スペイン語の作文力を確実に身につける、本格的な入門書だそうです。165の構文パターン別に、課題文165・練習493題を訳しながら、文法規則に従い、意味が正しく通じるスペイン語を書く力が養成できるように作られています。実践的な解説と豊富な例文によって、作文のコツが習得できるそうです。課題文165の日本文・スペイン語解答例を対訳形式で収録されたCDも付いています。本書での表現や構文を網羅した詳しい巻末索引も付いているのでとても便利だそうです。
  尚、より詳細な情報、ならびに、出版社に直接注文が可能な
  本塾の通学塾生は、小池先生の方から見本として1冊献本をして頂いていますので、塾に少し早めに来て、実際に手にとってご覧下さい。
 
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特別なお知らせコーナー  ☆ ☆ ☆ ☆ ----†◎
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☆ インタースペイン書店がHPを開設!!\_(^◇^)_/
      スペインの書籍の輸入販売で、本塾も大変お世話になっています「自由が丘のインタースペイン書店」が、遂にサイトを11月01日からオープンします。もちろん、ネット上からも注文できるので、大変便利になります。是非アクセスしてみて下さい。

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┗■ イベント紹介コーナー                     ┏┓
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小野寺あき 作陶展 −呼吸する土− もうご覧になりました?
        本塾の上級クラスに通塾する小野寺さんの作陶展が大好評のうちに開催中です。実に素晴らしい作品群です。皆様も是非とも足を運んでみて下さい。とにかく、作品に触ってもよい展示会なんて...。「快・感!!」。触るととても気持ちのよい土器ばかりです。
         作品として展示してあるお椀とお皿でお茶とお菓子を頂けるのです。しかも、自分が気に入った茶器類で...。いや〜、まったく、こんな個展は他にはないでしょう。彼女のプロフィールや作品の一部は本塾のHPでも紹介しています。しかし、まずは是非、個展に行って下さい。まだ間に合いま〜〜〜す
         尚、HPでは、表紙ページからのアクセスも可能にし、当分のあいだ継続掲載することにしましたので作品は個展が終わっても見られるのですが、でも、やはり実際に『行ってさわってみる』。これに限りますね。
        日時:11月02日(土)まで PM 1:00〜7:00 (入場無料)
        場所:「知器」 渋谷区恵比寿南1-9-10 JR恵比寿駅西口より徒歩2分
                                      03-3711-8678 (駅からすぐです)
        作者在廊日:金(11/01)(PM 4:00〜7:00)、土(PM 1:00〜7:00)
        尚、金曜の4:30及び6:00には、作者自身が自作の茶碗でお茶を点て、お菓子と共に召し上がって頂けます(参加費500円)。
 ★ 『メキシコ国立民族舞踊団』
        本塾の前講師Luz María先生ご推薦の『世界三大民族舞踊団の結成50周年記念公演』はもうすぐです。
        日時&会場:11月07日(木) 市川市文化会館 18:30〜(於:大ホール)
        詳細はhttp://www.city.ichikawa.chiba.jp/)、または、直接会館(047-379-5111)へお問い合わせ下さい。前売り券は、市役所や『ぴあ』などでも販売しているようです。
 ★ 『フェスティバル・ラティノアメリカーノ2002(チャリティーバザー)』
        毎年恒例になっています。塾からも何名か参加するようです。当日券がまだ残っている可能性はありますので、ご興味のある方は行ってみて下さい。
        バザーの収益金は、ラテンアメリカ諸国の恵まれない子供たちの医療と福祉、自然災害被害への見舞金、これら諸国から日本へ働きに来ている人たちの不慮の災害への救済等に充てられることになっているそうです。
        日時:11月13日(水) AM 11:30〜PM 3:00
        会場:東京プリンスホテル2F「鳳凰の間、マグノリアホール」
              港区芝公園3-3-1 Tel: 03-3432-1111(バザーの問合せはご遠慮ください)
        入場券:2,000円 (抽選券付き)(音楽と抽選時刻は午後1時)
 ★ ドキュメンタリー映画『Japanese Salsa "Corazón de bailar"』
        日本在住歴14年のメキシコ人映画監督José Antonio Ambriz氏が、サルサ音楽の持つ官能的な魔力に魅了された日本人たちの心("Corazón")を追ったドキュメンタリーを制作し、以下の通り上映されます。10月26日(土)のセッションに行かれた方はおいでですか?まだ公演はありますので、10月26日(土)に見逃した方、是非見に行って上げて下さい。
        日時:11月30日(土) PM 18:10〜
        会場:青山・モーダ ポリティカ(2階) 青山骨董通り
                      港区南青山6-6-21 Tel: 03-3499-1102(当日15時以降)
        入場料: 500円
        尚、11月3 & 4日(日・月)(祭日)には、Japan Salsa Congressでも上映が予定されていますので、興味のある方は、Salsa Hotline Japan(03-5411-4818)の方にお問い合わせ下さい。
        José Antonio Ambriz氏の紹介
            メキシコの映画学校を卒業後、映画の勉強を続けるために日本の日大映像学科に入学。メキシコ在住時にも短編を3本制作。現在はNHKの国際放送アナウンサーの仕事などと並行して、ドキュメント(またはルポルタージュ)映画制作に励んでいる。

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    スペイン便り (H.M.Planning.S.L 森 統の現地情報)
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<慶長遣欧使節のこと>(その1)
 先日マドリード市の歴史を少し調べていましたら、1613年10月6日に日本人外交団の一行が到来し、伊達正宗(Date Masamune)と言う者がマドリッド王宮の礼拝堂においてキリスト教信徒の洗礼を受け、国王にちなみFelipe Franciscoと言う洗礼名をつけられた、という記録がありました。どうやら日本でいわれる、伊達正宗が派遣した、支倉常長率いる慶長の遣欧使節一行の訪西を指すものと思われます。それに刺激されもう少し調べてみました。
 正宗の遣欧使節派遣の真意ははっきりしないと言うのが歴史家の共通した意見のようですが、その経緯はかなり解明できているようです。当地の歴史関係の書では、1609年の出来事に原因するようです。
 1609年の3月、マニラのフィリピン副王を解任されたロドリゴ・デ・ビベロがメキシコへ向かう途中、暴風雨に出会い、日本の海岸に漂着します。徳川家康は息子の秀忠と一緒に彼を謁見し、種々の通商の合意を行うと共に、船一隻と40,000ドゥカード相当の金を貸します。同年8月にロドリゴ・デ・ビベロは日本を出帆しメキシコに着きます。
 このことを、時のノバ・イスパニア(現メキシコ)副王のルイス・デ・ビベロが知り、セバスティアン・ビスカイーノと言う者を贈答品と返済金を持たせて日本に派遣します。当時は既に家康の命でスペイン人とポルトガル人宣教師の追放令が出されており(1603年から)、スペインにとっては願っても無い国交回復のチャンスであったわけで、セバスティアン・ビスカイーノとしては、いかにしても関係を再開させると言う重大なミッションを負わされて来日するわけです。(続く...)(あなたの留学のお手伝いをするマドリードの『H.M.Planning.S.L』森 統)
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     スペインの慣用句 == Serie III -08 == 馬耳東風 第三編の八 
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 さて、しばらくのあいだこの慣用句シリーズからは動物諸君にはお引き取り願うことにして、今回は食物や料理に関連した単語が含まれている慣用句を扱うことにしよう。
 1. 『dar calabazas
     この慣用句は良く知られていると思う。もっとも、直訳は「カボチャを(誰かに)与える」だから、いかなる想像力を持ってしても実際の慣用句の意味に辿り着くことは困難だ。興味深いのは、慣用句の意味が二種類あることだ。一つは、良く知られた『(誰かが誰か)を振る(異性の求愛を拒む)』だが、もう一つは、『テストなどを落とす(〜で落とされる)』だ。しかし、一見まったく異なった場面を想定した慣用句のようだが、よく考えてみると、異性に振られるのも、パスしたいと思った学校などのテストで入学を拒否されるのも、拒否されることには違いない。これを見ても明白なように、ある言語を他の言語に移行させるには、その言葉が持つ意味(内容)を別の言語で表現することであって、けっして、(例えば)スペイン語のA=日本語のBでないことが分かる。
      さて、振る人がいるということは、振られる人も存在するわけで、振られる側からは『recibir calabazas』という表現方法もあるのも覚えておこう。
     例-1) Isabel le ha dado calabazas a Fernando de nuevo.
                      (イサベルはまたしてもフェルナンドを振りました)
    例-2) El profe ese de inglés me dio calabazas.
            (あの英語の教師に落とされちゃったよ)
 2. 『el chocolate del loro
     動物には引っ込んでもらおうと言った尻からまたしても『loro=オウム』を出してきて実に申し訳ない。弁解めいてしまうが、この慣用句の主役は、実は『loro』ではなく、あくまでもチョコレートだ。とはいえ、いずれが主役かは問題外としても、突然「オウムのチョコレート」と言われてもさっぱり何のことか理解不能だろう。もっともな話だが、この慣用句の由来も理解不能、いや、どうも信じがたいような逸話が残されている。まず、慣用句の意味は『(期待したほどの)大した節約ではない(もの)』という意味だ。どうして?
     逸話の中心がチョコレートなのだから、間違いなく、16世紀以降のスペインでの話だ。ある貴族の懐具合が悪くなり、「節約」をテーマに家族会議が開かれた。しかし、それまで贅沢に慣れ親しんできたわがままな連中ばかりだから、誰も実質的な節約につながるような意見を述べる者がいない。長い議論の末に出された結論がこうだった。「今後はオウムにチョコレートをやるのを止めよう」というわけだ。つまり、この口を開けたまま首を傾げる以外、他にリアクションの方法が思いつかないような、そんな節約方法ならば、確かに、何も期待できないわけだ。
     例) Esa nueva oferta de telefónica de la tarifa nocturna es el chocolate del loro.
                  (電話局が提供するという新夜間料金は、豆腐にかすがい【無用の長物・絵に描いた餅】だ)
 3. 『comerse uno el coco
     あそこでも、そこでもなく、『coco』は、ココナッツ、つまり、椰子の実のことだ。「(誰かが)椰子の実を食べる」って?「それがどうしたの?、お好きにどうぞ」って感じなのだが、それが、食べる本人としては結構迷うもの、かどうかは定かではないが、スペイン語人はこれを食べるとこうなってしまうのだろうか?『coco』は、スペイン語で「いわゆる、思考場所を指す脳を代表する頭(脳)」としての意味もある。そんなことから、『(ああでもない、こうでもないと)考えあぐねて頭が変になる』ことをこのように表現するわけだ。
     例) No te comas el coco por las frutas y por qué no comes un coco que está aquí.
                  (どの果物を食べるのかでそんなに頭を悩ますことないじゃん。ここにあるココナッツを食べれば?)
4. 『tener (traer) frito a uno
     《frito》は確かに食べる物だが、《frito》は動詞《freír=油で揚げる》の過去分詞形でもあり、何らかの食材を油で揚げた結果でき上がった食べ物を指す言葉だ。したがって、単に《frito》だけでは何の《frito》なのかの指示がなければ、それの本体が不明だ。例えば、『pescado frito=魚のフライ』だとか、『plátano frito=バナナのフライ』などという具合に形容、指示される必要がある。したがって、《frito》自体は、厳密に言えば食物とはいえない。しかも、過去分詞形だからもう料理も済んだ後の状態を示すので、すでに料理用語でもない?でもまあ、そんな固いことは言わず、食物でもあり料理にも関係すると考え、今回扱うことにした。ともあれ、「誰かを油で揚げてしまう」とはこれまた尋常ではない。スペイン語でのこの慣用句の真意は『(誰か)をウンザリさせる・イライラする』というわけで、これは例を見てもらった方がよく理解して頂けるかも知れない。
     例-1) Las morosidades bancarias me tienen frito.
                      (銀行の不良債権にはイライラさせられる)
    例-2) Me traes frita con tus celos.
                      (あんたの嫉妬にはもうウンザリよ)
 5. 『dar la vuelta a la tortilla』・『dar la vuelta la tortilla
     「オムレツを裏返す」。何故これが慣用句なの?という典型のような慣用句だ。この手のものにぶちあたると、言葉の裏には文化があることをつくづく思い知らされる。オムレツというのは、とにかくスペイン人、特に女性にとっては実に欠かせない食べ物だ。何故それほどまでに好きなのかは分からない。『巨人大鵬卵焼き』という二昔も三昔も前の流行語というか、子供たちの三大好物で、さらに、当時の文化を象徴するようなフレーズが日本にもある。しかし、あれは一過性のものだった。だが、スペインでは違う。オムレツは絶対なる、ほとんど『神聖なる』食べ物だ。これを裏返しにする(される)わけだから、これは『根底から状況を変える』ことになってしまう訳だ。
         因みに、『dar la vuelta a la tortilla』の場合(例-1)は、《tortilla》が動詞の補語的役割をしているところから、『(誰かが故意的に)状況を変える』と言うニュアンスがあり、『dar la vuelta la tortilla』の方(例-2)の《tortilla》は主語なので、『状況が変わる』ということになろうか。
     例-1) Llevaba bien con ella pero apareció aquel sujeto y dio la vuelta a la tortilla.
                  (僕は彼女とうまくいっていたのに、あの野郎が現れ、すべてひっくり返したんだ)
     例-2) En la empresa ha dado la vuelta la tortilla y los directivos enchufados de antes se llevan mal con el nuevo presidente.
                  (会社で状況が一変し、以前の社長派の連中は新社長と折り合いが悪いそうだ)
 6. 『olerse la tostada
     《tostada》は「何かを焼く」を意味する動詞《tostar》の過去分詞の女性形で、その行為の完了形だから、何かを焼いた後のものならどんなものでも《tostado-a》のはずだ。しかし、《tostada》は一般的に「パンを焼いたもの」を言い「トースト」を指す。しかし、よく考えてみると、《pan》は男性形だし、いわゆる食パンのことを《pan de molde》と言うから、これも男性形だ。にもかかわらず、何故トーストを《tostada》と女性形で呼ぶのか?などと、話がまったく慣用句から離れてしまったが、これは、もともと《pan de molde》が市場に出回る以前は《barra de pan》を適当な厚みに切ったもの(rebanada de pan)を切って焼いていた。したがって、正確には《rebanada de pan tostada》となるわけで、この最後の形容詞である《tostada》が名詞に変化し、これだけでトーストを意味するようになった。
      さて、いずれにしても、この《tostada》が真っ黒に焦げてしまった、なんて経験は大勢の人が体験しておいでだろう。まあ、もっとも、真っ黒焦げになる前に相当特異な匂いを発するので、その時点で気が付き、大事には至らないわけだが、通常その時はもう食べられるような状態ではない。そこで、「トーストの匂いがする」なる表現を更に想像を膨らませて発展させれば、『危険・危機などを察知する』ということになる。
     例) Ellos no llegaron a engañarme porque ya me olía la tostada.
                  (すでに僕は危険を察知したので彼らは僕を騙すには至らなかった【ちょっと直訳調だったかな?】)
 7. 『tener mala uva
     果物が豊富な秋にあって、腐ってもその力を発揮するのが《uva》だ。腐ってもなどという表現は適当ではないかも知れないが、酒飲みではない筆者の場合は是非その前に食べたいので、こんな表現になってしまうのかも知れない。ワインの発祥の地である欧州では、《uva》は果物としてよりもお酒の元として実に大事な果物だ。したがって、《uva》の状態が悪かったり、《uva》そのものの質が悪い、あるいは、悪い何かを持っているというのは、実に好ましくないことだ。したがって、そうした「悪い葡萄をもつ」人は、『怒りっぽい人』だったり『悪意のある人』や『悪いやから』だということになる。
     例) Sin duda, qué mala uva tiene esa ama de cría que siempre pega al crío escondida.
               
  (まったくもってなんて乳母だ。いつも陰に隠れて赤ん坊をひっぱたいているんだ)
     今日はこの辺で終わりにしよう。では、読者諸氏からの質問や意見をお待ちしている。(文責:ancla)

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    森 統のスペイン豆辞典 その7 (H.M.Planning.S.L 森 統)
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<Sangría>
    今日は飲み物の話をします。Sangria(サングリア)という飲み物です。既に夏の飲み物としては日本でも少しは名の知られている飲み物でありますが、じっさいに帰国したときに飲んでみるとあまりぱっとしない場合が多いので、かねがね1度機会があったら本当のスペイン風の美味しい作り方を紹介してみたいと思っておりました。理由は単純で、同じ飲むなら、うまいものが飲みたいと思うのは人情で、「これはスペイン名物です」といって、恩着せがましくまずいものを飲まされるのはやりきれないであろうと思うからです。 
    うまいものであれば自分でも作って見る気になるだろうし、そうすることで罪の無い人に迷惑がかかるのを少しでも防げればというのが本心です。断っておきますがこの処方が最良というのではなく、ましてや僕の口が他人のそれより優れているなどと思い上がった気持ちはまったくありません。要するに酒飲みが飲んで、お代わりしても良いと思ってもらえる程度までレベルアップして見ましょうという程度のものです。
    サングリアという飲み物は元来肩の凝る飲み方をするものではなく、お祭りや、家族ぐるみのお祝いに、みんなでがぶがぶ飲めるように作るもので、大まかに、また、おおらかに作るのがいいと思います。心がけなくてはならないのは、酒飲みも、下戸も楽しめるものでなくてはならないということだけです。誰にでもつくれます。前置きが長くなりましたので、作り方にはいります。必要なものはすべて日本にあります。
 <5人程度のホームパーティー>用意するもの:
     赤ワイン    2本
                    <安いワインでOK。しかし、できれば防腐剤が入っていないワインを使用されるようお奨めします>
     Fanta又はレモンジュース  大瓶(1.5L又は2L) 1本
                    <生レモン水でもOK=レモン5個位を絞り、砂糖とソーダ水1.5Lを足す>
     ラム酒またはブランデー 20cc程度(これがキーポイントです)
     桃(黄桃の方がとろけないので良い)   2個
     バナナ                 2本
     洋梨もしくは長十郎なし         2個
     シナモン(肉桂)粉
     容器        4〜5L程度のポリ容器またはポリバケツ
     ポンチボールまたは陶製の壷    4〜5L入り
 
作り方:
    1) 用意した容器にワイン(2本)とFantaもしくは事前に作った生レモン水(約2L)を入れ、よくかき混ぜる。甘口が好みなら、少し砂糖をいれる。但し、甘さは控えめにするのがベター。シナモンの粉を2振りほど入れる(耳掻き2杯ほどが目安)。
    2) 桃と梨は皮をむき、実の部分を賽の目切(1cm角程度)にして入れる。バナナは5mm幅で輪切りにして入れる。
    3) ブランデーまたはラム酒を10cc程度加えよくかき混ぜる(この量がこくを出す決め手で飲み手の好みに合わせる)。
    4) 出来上がったものに氷を入れてを30分ほど冷蔵庫に置く。
    5) テーブルに出す前に好みの容器(ポンチボール、壷、水差し等)に移して体裁を整える。
     以上のように、いとも簡単で誰にでも出来ますし、アルコールの度合いも思いのように加減できますので回を重ねるうちに、各家庭やグループで得意のタイプが自然に出来上がります。ブランデーの代わりにCointreaux(フランスのオレンジから作るリキュール)を使っても良く、入れる果物などもその都度変えて見るのも楽しいと思います。要するに、作り方に秘密はなく、飲み時が肝心です。行きつけの店などに好みを教えて自分用に作ってもらうというのも良いかも知れません。それでは今回はこれにて失礼します。(あなたの留学のお手伝いをするマドリードの『H.M.Planning.S.L』森 統)
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  Monologo de un pasota   === Serie II -09== 馬耳東風 第二編の九
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『スペインの治安』 (その2)
    さて、前回は、スペインの治安悪化の実体を考察するはずが、妙な方向に進みかけてしまい、長々と書き綴ってしまい、あまりにも分量が多くなり、そのお陰で別のコーナーをお休みにしてしまったが、本題に話を戻し、今回は、まず日本側の問題を片づけ、それからスペインの問題に入ろう。
     我々日本人は、あまりにも、簡単に人を信用し、不用心なのではないだろうか。人を信用するのはけっして悪いことではないが、世の中には色々な人がいる。けっして悪い人ではなくても、生活に困って盗みを働かざるを得ない人だっているだろう。外国に行って、そこに住んでいる人をすべて疑ってかかれ、と言っているのではない。これは、自国にいる場合でも同じことだ。つねに注意を払いスキを見せないでいるにこしたことはない。にもかかわらず、日本人は、何故か外国(地元以外の場所)では自分を失い、普段を失い、羽目を外す(良い意味でも悪い意味でも)傾向にある。つまり、一言で言えば、我々は『お人好し』なのだ。この性格が被害の要因にはなっていないだろうか?加害者には確かに『プロ』が多い。しかし、そうでない人たちもいる。あまりにも無防備なお人好しの観光客(この場合日本人の)を目にし、つい出来心で盗みを働いてしまうこともあるかもしれない。この場合は、被害者にも責任があると言われても仕方がない。
     スペイン語独特の表現に、自分がコップを落としてしまった時などに発する言葉で『Se me cayó el vaso』があるが、これを直訳すると、この文での主語はコップだから、「コップが私に(私を介して)落ちた」ということになる。これは、『私はけっしてコップを落としたりはしていない。落ちた(caerseした)のはあくまでもコップ自身であって、私は悪くない』という、加害者自認拒否の精神にのっとった表現だ。これに従うと、『Se me robó la cartera』なる文章も成立しそうだが、『財布が私を介して盗んだ』となるので、これはもう日本語としても、当然スペイン語でも成立しない。動詞『caer』は自動詞であって、『robar』は他動詞だからだ。したがって、いくら日本人側に非があったとしても、盗人側はこの表現をできないわけだ。とはいえ、言葉は日々変化し、生きているので、お人好しの日本人観光客があまりにも無防備だったことが原因で、したくもなかった盗みを働くことになったその理由を述べる表現(言い訳)に相当するだろうこの『Se me robó la cartera』をスペイン語に誕生させてしまわないようにしたい。
     スペインの治安の悪さに対しては、フランキスタ(1975年までスペインを独裁統治したフランコ将軍の支持者、もしくは、その彼を懐かしむ人々のこと)たちが最も主張するところだ。いや、フランキスタならずも、フランコ時代のスペインを知っている日本人なら、口をそろえて当時を懐かしんで言う。「あの頃は、女性が一人で夜中に町を歩いていても安全だった」と。確かにそれは事実かもしれない。しかし、その「代償は何だったのか」とか、「誰がその代償を払っていたのか」などと考える人はまずいないだろう。『自己の意見をも主張する自由のない閉塞的な独裁社会が生み出す治安の良さ』と、『民主主義社会の中での自由をはき違えることで治安が悪化してしまった社会』と、読者はどちらを選ぶだろうか?いずれも困る。というのが筆者の率直な意見だ。
     さて、本題に戻ろう(とはいうものの余りスペースがない)。スペインの治安の悪化の内容を分析的に見てみると、『けっして観光客目当ての強盗だけが増えているのではなく、犯罪の発生件数自体が急激に伸びている』というのが、スペインの現実のようだ。また、警察官の数が減少していることも注目に値する。そこで、まず犯罪数の急増について考えてみようと考え、色々と資料を集めだしたが、以下のような問題にぶつかってしまった。それは、他でもない、統計の不一致である。警察を管轄する内務省(Ministerio de Interior)の年次報告書と、検察庁(Fiscalía General)の出している統計の内容がまったく違うのだ。
     統計の違いと言えば、以前から、雇用庁(Instituto Nacional de Empleo)が出す失業率と、統計庁(Instituto Nacional de Estadística)の失業率の乖離があまりにも有名だが、ここにも同じようなケースがあったのかと、あらためて頭を抱えさせらせてしまった。まず、内務省の統計では、2000年の犯罪発生件数は1,789,990件だ。この数値は、統計局の数値と『ほぼ』一致する。しかし、検察庁の数字では、4,192,023件と、何と倍以上の開きがある。これはもう乖離などという代物ではなく、雇用庁と統計庁の失業率の差も影を潜めてしまうほどだ。事実、野党の第1党である社会労働党は、内務省と検察庁の統計を照合し、一本化させるための専門機関の創設を国会で訴えている。(...続く)(文責:ancla)
 

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    短文翻訳 2002年10月更新分
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1. Debido a la sequía el caudal del río se ha reducido a un 20 % de la media.
    干ばつによって河川の水は平均水量の20%にまで減ってしまった。
2. No se soluciona nada quejándose.
    ぐちっていても何も解決しない。
3. La prensa local prefirió concentrar su atención en quién podría ser sucesor del actual presidente.
    現地の新聞は、現大統領の後継者が誰になるのかに焦点を絞ることにした。
4. Estos crímenes son una tragedia en la que parece no haberse visto otra salida.
    他に方法はなかったように思われるこうした犯罪は悲劇である。
5. Ese estrella de cine ofreció a su novia un anillo de diamante cuyo valor no trascendió.
    あの映画スターは、彼の恋人にダイヤの指輪を贈ったが、値段は明らかしなかった。
6. A pesar de los esfuerzos realizados, la capa de ozono se mantiene en una situación vulnerable.
    オゾン層は努力の甲斐も虚しく、予断を許さない状況を維持したままだ。
7. La mitad de las zonas húmedas se han perdido en la Tierra.
    地球上の湿地帯の半分はすでに失われてしまっている。
8. Con esa contracción muscular que tuve anoche en mi pierna derecha creía que me iba a morir de veras.
    昨夜右足がつったときは、実際、死ぬかと思ったよ。
9. El secreto no estaba oculto en el sello, como en aquella película de Audrey Hepburn, sino en el reverso del sobre.
    秘密は、オードリー・ヘップバーンの例の映画のように、切手にではなく、封筒の裏に隠されていました。
10. Estoy completamente seguro de que esta moneda es una de esas falsificadas puesto que su reverso está liso.
    私は、間違いなくこの硬貨は例の偽硬貨だと確信していますよ。裏には何も刻まれていませんからね。

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                                                        (イー訳しよ〜ネッと)
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