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Instituto de Traducciones de Tokio

 


 

 
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☆          e-yaku ニュース・ No.27 (01月号) 2003/01/31           ☆
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  アドレスを変更される場合また、このメール・マガジンの受信を希望されない場合、その他、ご意見ご希望等は、このメールの一番下の宛先までご一報下さい。
今号は、『抽選で映画の招待券プレゼント』コーナーあり!!
上からじっくり順番にお読み下さい。

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┗■ 塾ニュース \(^_^=^_^)/ ■┛                ■
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☆ 強力な『新お役立ちサイト』オープン!!\_(^◇^)_/
       現在、ホームページ上で掲載しているお役立ちサイトは以下の通りですが、この度、とにかく素晴らしい『マヤ暦のページ』なるものを立ち上げました。
       この『マヤ暦』のページは、本塾の塾生である尾上 光紀 氏が、大変なご苦労の末に完成された、本格的かつ本物の『マヤカレンダー双方向自動変換プログラム(以下、変換カレンダー)』ですが、一般の方々用に、全10ページ以上に分割し見やすく掲載しています。尚、当然のことですが、全ページの解説などは、すべて同氏の執筆によるものです。
       こんなにすごい人が塾生としておいでになることは、塾としても大変な誇りです。他には、以前にもご紹介したことのある、スペインの中世美術に関する書物を2冊も出版されている西川さんもおいでになりますが、彼女には、近々に再登場願う予定です。(西川さん、宜しく)
       さて、『変換カレンダー』というのは、「私の生年月日はマヤ暦だと何年?」だとか、「結婚記念日はユリウス暦では何年何月になるの?」などといった、極めてミーハー的な欲求も満たしてくれるます。したがいまして、マヤ暦についてこれまであまり興味がなかった方でも簡単に利用できるようになっています。また、『マヤ暦』についての簡単な解説も掲載してありますが、こちらの方は余り詳しくは掲載していません。その理由は、この関連の書物が山ほど出版されているからで、もっと詳しく知りたい方は本を読んで下さい。しかし、そういった方々のために、主な書物の一覧表のページもあります。
        尚、この『変換カレンダー』は、マヤの研究家も利用できる本格的なものです。世界中には他にもこの種の変換カレンダーはいくつか存在するようですが、おそらく、尾上氏が制作されたこのカレンダーほど正確なものは存在しないでしょう。つまり、『世界で唯一信頼できる変換カレンダー』なのです。したがいまして、今後、世界中の『マヤ暦研究家』がアクセスしてくると予想されます。そのためにも、非常に専門的な解説も同時に掲載してあります。もっとも、解説は日本語ですが...。
      これをきっかけに『マヤの暦』や『マヤの歴史』などにも興味を持たれる方が一人でも増えれば幸いです。尚、上記のように、実にミーハー的な興味本位な利用が可能ですので、とにかく、一度アクセスしてみて下さい。
 現在、ホームページ上で掲載しているお役立ちサイト一覧
   *『短文翻訳』(毎月西和各10文追加方式+過去2年分の短文)
  *『武蔵』(スペイン語での日本社会の仕組み=Alberto松本氏提供)
  *『イスパノ時計』(瞬時にしてイスパノ諸国の現在時間がわかる)
  *『スペイン現代史』(20世紀のスペイン=Spain-Japan.com提供)
  *『今のスペイン』(今のスペインの仕組みがわかる=Spain-Japan.com提供)
  *『Dele要項』(Dele試験の最新情報とその要項)
  *『スペイン語文法(番外編)』(毎月連載)
  *『馬耳東風(第二編)』(毎月連載)
  *『リンク集』(国別・分野別でスペイン語圏の様々にサイトにアクセス)
     そして、今回、10番目のサイトとして『マヤ暦』が加わりました。
 ☆ 授業風景写真を掲載(^。^)V
   昨年の9月に、講師の似顔絵イラストの掲載を開始しました(まったく反響はなかったのですが/(-_;)ワー)が、そんなことにはめげず、この度、各クラスの紹介ページに、授業風景の写真を掲載しました。クラスの都合で写真を撮れなかったクラスもあり、全クラスの写真が出ているわけではありませんし、当然ながら、プライベートレッスンの授業の写真掲載はいたしておりませんのでご了承下さい。尚、クラスによっては、授業風景そのものではなく、各自意識的にポーズを取っているスナップ写真風のものが掲載されているクラスもありますが、楽しくて仲の良い雰囲気がわかっていただけるので、それもまた良いのではないでしょうか。因みに、アングルの関係で後ろ姿しか写っていない方もおられますが、お許し下さい。(秘話:尚、これまでイラストでしか出ていなかった『あの講師』が、あるクラスでその姿を現していますのでお見逃しなきよう)
 
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┗■ アルゼンチンの悲しみは人ごとなのか?     ┏┓
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  先日『e-yakuニュース号外』でもお知らせいたしましたので、NHK-BS7で放映されたウイークエンドスペシャル「激動巨大都市・ブエノスアイレス・国家破産の街で」「国に頼らない市民」をご覧になった方も多いのではないかと思います。
 『日西翻訳研究塾』の講師でもある本邦トップ通訳家「アルベルト松本」氏が、企画の段階から翻訳まで携わられた番組だっただけに、日本からは見えない様々なアルゼンチンの今の姿を目にすることができました。
  みなさまはどんな印象を受けられましたか?今でこそ、TVの中でも大っぴらに『ある政治家が先導した兌換法に対する固執』を責めてはいましたが、当時(TVの中でも言っていた「景気の良かった頃」のこと)は大手を広げてこれを受け入れていたのも事実です。
  日本の現状とダブらせて見られた方もおいでになったでしょう。日本の場合、まだ巨額の国民貯蓄があり、今すぐアルゼンチンのようにはならないでしょうが、政治家や官僚の『お仕着せ』を、これまで通り我々国民が甘んじて受け続けるようであれば、同じようなことが起こらないとも限りません。 
 さて、日本への教訓として見るのもけっして悪いことではありませんし、「我々にも何かできるのではないのか」と考えることも大いに必要です。また、世銀が突きつける融資条件は、国内状況をまったく考慮しない無茶なもの(あのような不況の中で、公共料金を30%上げたり、税率も上げられる経済基盤があるのか?)であることも確かですから、これに怒りを覚えられた方もおいでだったでしょう。
  ただ、少々斜めから番組を見てみて、『Cartoneros』が日々集める紙はどこから放出されるのかという疑問は残りませんでしたか。「交換クラブ」のカルロス氏が展開していた理論によると、世界全体的には、米国を代表とする先進諸国が回転の中心にいるわけですが、アルゼンチンの国内にこの理論を当てはめてみれば、『Cartoneros』などに代表される外側に追いやられている貧困層がいるのなら、回転の中心部で「のほほん」としている富裕層も存在するはずです。 
 デリバリー・ピザのケースや、裏紙利用もしていない(裏がまだ白紙)ような贅沢な消費方法しかとられていない書類等が毎日毎日どこかから放出されているのです。つまり、それを集めて生活する『Cartoneros』の存在自体、暗にその富裕層の存在を語っていたことになるわけです。それならば、暗黙にではなく、比較対照できるように、是非そうした富裕層の生活ぶりも見てみたかったという消化不良感も少々残りました。
  ともあれ、ほとんど来年の『ノーベル経済学賞』にも値するのではないかと思われる理論を述べていた「交換クラブ」のカルロス氏のような人が、大統領になれば...と感じられた方は多かったのではないでしょうか。
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耳 寄 り な お 話 コ ー ナ ー
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 今回のこのコーナーは、あまり良い意味での耳寄りな話ではありません。お話と言うよりは、今回は読者のみなさまへのお願いコーナーかも知れません。
  みなさまは、スペイン語と何らかの形でかかわっておいでですが、PCでのスペイン語表記(入力)は問題なく行われているでしょうか?最近、Windowsの最新OSであるXPを搭載したある種のPCで、スペイン語が打てるようにするためにすべての設定がうまくいっているにもかかわらず、「スペイン語が打てない」といった話を耳にします。
  塾の方に届いている情報では、障害を出しているのはメーカーは2件とも日本の同じメーカーです。一応、今回はメーカー名を出すのは控えますが、もし、みなさまの中で、同じような障害に悩んでおられる方々がおいでならご連絡下さい。そして、もし被害が同じメーカーのもので、数が多いようなら、メーカー名を公表します。今のところ、NECと東芝のPCでは問題が起きていないようです。
  できれば、Windows-XPをお使いの方は、問題のある方もない方も、是非、状況をお知らせ下さい
 
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        Murmullo de un pasota  - No.02 -
(和西訳練習用文章)
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     年末恒例の紅白歌合戦をご覧になっただろうか。ここ最近は、「誰々の衣装がどうの、衣装の仕掛けがどうの」という話題がしきりで、事実、ここ数年、『彼女』が登場する瞬間が最高視聴率を稼いでいたようだ。しかし昨年末の紅白は違った。初出場の中島みゆきがその最高視聴率を獲得したようだ。この不況期に何とか国民を奮い立たせようとの意図からなのだろうか、NHKで『プロジェクトX』なる番組が人気を得ており、そのテーマ曲を彼女が自作自演している関係から今回の初出場となったようだ。 
    番組については、一つのものを作り出すまでには、何事もそうだが、苦労話はつきもので、日本の経済発展に大いに寄与した物作り人たちの挑戦話をドラマティックに描いており、懐かしく見る人もいれば、勇気づけられる人もいるだろう。また、物作りの裏話なので、知らないことが山ほど出てきて感心しながら見ている人もいるだろう。さて、歌の方は、まさに中島みゆき節以外の何ものでもなく、「おばさんがんばってる」って感じだ。因みに、この紅白効果からか、先頃、「地上の星」は、リリース130週目にして遂にオリコン・チャート第1位にランクされた。
  ところで、話題はそれだけではなかった。日本の高度成長期のシンボルとまで言われた黒四ダムの、しかも、関係者以外入れない坑道の中で歌うというのが話題になった。しかし、「あんな情景なら、スタジオのセットでも可能...」とは誰も言わなかった。それはさておき、その僅か2〜3分の歌を中継するために、そして、黒四ダムを建設した当のゼネコンが今や傾きかけているというその時に、NHKは1億円もの金をつぎ込んだ。しかし、少なくともマスコミはこれにクレームを付けなかった。特殊法人の民営化を首相自らが叫び、日本の基幹産業である自動車産業の一部をなす道路公団を民営化し、郵政省までをも民営化しようとしているその傍らで、未だに税金まがいの視聴料を徴収し、僅か2〜3分の歌のために『その一部であるはず』の1億円を湯水のように使って良いのだろうか?...。「誰だ?黒四だけに湯水は欠かせない」なんて言っているのは?(文責:PIEDRAFIJAIntenten traducir》) 
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  Monólogo de un pasota === Serie II-12== 馬耳東風 第二編の十二
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『スペインの治安』 (その5)
    さて、今回でこの『スペインの治安』のテーマを終えなければ、もう永遠に終わらないような気分になってきた。しかも、スペインにとってあまり都合の良いテーマではなく、心情的には目をつぶって通り過ぎたいテーマでもある。ともあれ、このテーマを終える前に、本テーマに関連する新しい側面にも少々触れておこうと思う。 
    昔(10年くらい前)のスペインをご存じの方ならおわかりだと思うが、当時のスペインには民間の『警備保障会社』というものはほとんど存在しなかった。ところが、今はビルの中はもとより、至る所に『ガードマン』の姿を目にする。もっとも、大都会の、しかも中心部だけの光景なのかも知れないが...。因みに、この民間警備保障会社の経済効果は、けっして無視できないまでに大きく膨れ上がり、年々上昇の一途をたどり、2001年には約14.5億ユーロ(≒1,842億円)の収益を上げた。一方、同企業の数も増加しており、2001年12月末時点で930社(960以上というデータもある)だったから、今なら1000社は越えているかも知れない。 
    スペインもご多分に漏れずグローバル化を目指していることから、こうした世界的傾向の一端が現れているのだと言ってしまえばそれまでなのかも知れないが、国民党が政権についてからこの種の企業が急増したことは事実だ。昨年(2002年7月16日)行われた恒例の『Debate sobre el Estado de la Nación(国事討論会)』で、野党第1党の社会労働党書記長サパテロは、「スペインでは、1986年から警察官が7,000人減少した一方、民間のガードマンは、なんと50,000人も増加している(著者注:2002年のガードマンの総数は約7万人、公共の警察関係者は約19万人)」と、アスナール首相に迫った。
     少々横道にそれるが、この国会討論で治安と外国移民の二つの問題も議題に取り上げられたことは言うまでもない。もっとも、『治安・外国人犯罪・移民』の3つの問題は、同討論会では個別の問題として取り扱われた。『治安』問題に関しアスナール首相は、「釈放中の容疑者が犯罪を繰り返すことがないよう」に、刑事訴訟法の見直し(裁判のスピード化などを含む)を約束する一方、サパテロの指摘に対しては、「2年間で警察官など(国家警察+治安警備隊)を20,000人増強する」と述べた。また、『外国人犯罪』については、「6年以内の刑を言い渡された外国人の国外追放手続きを簡素化するよう努力する」と述べた。また、『移民』問題に関しては、「スペインはまだ移民を受け入れる余裕がある。そのための法改正を再度実施する」と、『大国』スペインが抱えるジレンマをも同時に露呈した。
     治安に関する実情はこれまでにも述べてきた。その裏には、警察官の減少問題も潜んでいたのである。スペインで最も信頼できる調査研究を行っている社会学研究所(CIS)の調査では、98〜98年当時、『国民の心配事』の中に、『治安』を挙げる人は皆無であったのが、2000年には突然10%近くの人々が治安を心配しだした。そして、翌年、つまり昨年の2002年には、この数値は20%を越えた。如何に急激に治安が悪化しているかがわかる。もっとも、フランスでの同様の調査では、この数値は60%であることを考えると、この点でもまだまだスペインは先進国からは遅れをとっているようで、ことこの事に関しては、是非このままの遅れを維持してほしいと願うのは小生だけではないだろう。(このテーマの終了)(文責:ancla)
 
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     スペインの慣用句 == Serie II -10 == 馬耳東風 第二編 十の番外 
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 まず、前号は休んでしまいお詫び申し上げたい。さて、今号の慣用句の主体には自然界のものを集めてみようと思う。
 1. 『dejar a la luna de Valencia』・『quedarse a la luna de Valencia』
    「バレンシアの月に放置する」?「バレンシアの月に残る」??これではいったい何のことかさっぱりわからない。まあ、だからこそ慣用句なのだが...。《Valencia》というと、200万以上の人口(県全体人口)を有するスペイン第3位の都市バレンシアが最も有名だが、どうやらこの慣用句のバレンシアは、ベネズエラのバレンシア(100万人強の3番目に大きい都市)のようだ。
 
    地理の勉強はさておき、この慣用句の由来には諸説があり、そのポイントは当然《luna》だ。一つはこの《luna》というのが海上の悪天候のために船が避難する《bahía=湾》を意味しているという。もう一つは、家々の門戸が閉まってしまい、行き所のなくなった人々が集まる場所が《luna》の形をしていたとしている。3つ目は、2番目の状況に似ているが、夜になって町に入れなくなった人々のために町の入口に置かれたベンチが三日月の形をしていたからだというが、どの説も確実ではない。ともあれ、なんとなく「置いてきぼりにされてしまった」といった情景は浮かんできた。朝方までそんな場所に置き去りにされれば、ベッドの上でゆったりと眠れない上に、心細くもなりガックリもくる。したがって、この慣用句の意味は、『がっかりする・がっかりさせられる』、そしてさらにこれを発展させて『あきらめる』となる。町の外に取り残されれば、がっかりするだけでなく、あきらめて朝を待つしか他に方法はないわけだ。
     それにしても、なぜベネズエラのバレンシアなのかまではよくわからない。因みに、この町は海抜479 mでベネズエラの中でも高地に位置しているので、少なくとも1番目の説とは符合しない。読者の中でこのあたりの真意をご存じの方がおいでになれば是非お教え願いたい。
   例) Tanta ilusión que tenías, te quedas a la luna de Valencia.
      (あなんに楽しみにしてたのに、万事休すだな)
 2. 『estar en la luna』・『vivir en la luna』
     「月にいる」?「月に住む」?この慣用句はアポロ11号のアームストロング船長とオルドリン飛行士が作ったのだろうか?それとも、月のウサギさんたちのことを言っているのだろうか?無論そうではない。今でこそ月は我々人類にとってそれほど神秘的な存在ではなくなってしまったが、昔は様々な形で、また、世界中で「神」として崇められたり、「ロマン」の象徴でもあった。つまり、月はあくまでも謎の存在だったわけで、この慣用句の意味もそんなところを反映し、『現実離れしている・うわのそらである』となる。
   例) Ese, seguro que no sabe nada de nada porque está siempre en la luna.
 
     (やつは絶対にな〜んにも知らないぜ。だって、いつも上の空だからな)
 3. 『estar de mala luna』
     悪い月があったり良い月があったりするのか?いやそうではない。この慣用句の動詞は《estar》であって《ser》ではないから、一時的な何かを指しているわけだ。つまり、良い状態であったり悪い月の状態であったりするわけだ。月はその性格上、日々その姿を変える。いや、性格には我々の地球からそのように見えるわけだ。そんなことから、一時的な精神錯乱というか、気まぐれを指す《lunático/a》なる言葉も存在する。尚、性格的にこの手の連中はこの世に山ほどいることから、性格そのものを指す場合には《ser lunático/a》となり《ser》動詞で表現される。結論として、この慣用句の意味は『機嫌が悪い』となる。
   例) Procura no acercarte mucho a ella que está de mala luna.
 
    (機嫌が悪いから彼女には近づかないようにしろよ)
 4. 『pedir la luna』
     直訳からすると、「月を要求する」となるが、またなんと厚かましいというか無茶なことを要求する者もいるものだ。確かにこの手の輩はどこにでもいるものだ。自分ではできない、あるいは、何もしないくせに要求だけしっかりとする輩もいる。いや、別に愚痴をこぼしているのではなく、この慣用句は、まさにそのものズバリ。『不可能なことを願う・要求する』なのだ。
   例) Si transigimos, acabarán pidiéndonos la luna.
 
    (今ここで譲歩すれば、今後、やっこさんたち、無い物ねだりまでするぞ)
5. 『arrimarse al sol que más calienta』
     自然界の母とも言うべき月を扱った慣用句に4つも続けて「付き」合わせてしまったので、今度は、自然界の父である太陽にお出まし願おうとおもうが、これはけっして『pedir la luna』ではないだろう。《arrimar》なる動詞はあまり耳慣れないとは思うが、《acercar》の同義語で、『近づける』ことだ。したがって、例のように直訳をしてみると、「最も暖めてくれる太陽に近づく」となる。はは〜ん、なるほど、と思った方も多いのではないだろうか。「旅人のマントを太陽と風のどちらが先に脱がせるか」という話を彷彿とさせるような慣用句だ。しかし、残念ながらまったく関係がない。確かに、寒いときに暖かい方に行きたいのは人情だ。しかし、寒くもないのに常に暖かいところへ行きたがる人もいる。そう、その通り。日本語の慣用句では『寄らば大樹の陰』と言うのがあるが、けっして「命を預ける」わけではなく、あくまでも強い方に寄っていく、いわば人生の処世術を心得た世渡り上手と言えば、実に聞こえが良いが、悪く言えば、「虎の威を借る狐」的な性格をもった、鼻持ちならない卑怯な状況が浮かび上がってくる。尚、動詞は《arrimar》以外にも、《ponerse》や《estar》などに代えても使用できるので、スペイン語の初心者から上級者まで使える便利な慣用句だ。
   例) Ese político ha sabido ponerse al sol que más calienta. Así, pronto tendrá un cargo importante en el gobierno.
     (あの政治家は日当たりのいい場所がどこかを良く承知している。よって、そのうちに政府の要職に着くだろう)
     これは、例えば、野党だった政党が選挙に勝つことを素早く見極め、そちらに鞍替えした政治家がいて、その人のことについて語ったものだ。
 6. 『no dejar a alguien ni a sol ni a sombra』
     闘牛場に行くと《sombra》と《sol》とに席が分かれていて、双方の入場料の差には相当な違いがある。灼熱の太陽がギラギラと地表を照らすスペインならではの慣習だ。ほとんど「天国」と「地獄」ほどの差が生じることになるからだが、この慣用句を見ると、その「両極端のどこにも(おまえを)放置しない」と言っているわけで、そうなるともうほとんど居場所もなく、気の休まることさえないわけだ。「天国」にも「地獄」にもいられないわけだが、実際には「地獄」にいるような状況に置かれてしまうことになる。つまり、この慣用句の意味は、『片時も離さない・つきまとう』という、今流行?の「ストーカー」が使用するような慣用句だ。スペインには昔からストーカーがいたのかも知れない...。
   例-1) Mi hijo no me deja ni a sol ni a sombra.
       (うちの息子は放っておけないのざあます)
    注:一応、次の例文と対比するためにかなり良い意味の方に訳してみたが、実際、このお母さんが息子の世話をするのが本当にいやだと思っての発言なら、全く同じ表現にもかかわらず、「うちの息子は片時も私から放れてくれなくて」となることにも注目していただきたい。
  例-2) No sé cómo he podido librarme de ese individuo que no me dejaba ni a sol ni a sombra.
       (もう、私、どうして逃げてこられたのか分からないのだけれど、ずっとあの人物につきまとわれてたのよ)
     今回はこの辺で終わりにするが、自然界にはまだまだ様々なものがあるので、次回では、月と太陽以外の自然界をキーワードにした慣用句を探ってみよう。読者諸氏からの質問や意見をお待ちしている。(文責:ancla)
 
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イベントお知らせコーナー   ☆ ☆ ☆ ----†◎
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☆ オーラ!スペイン映画!!(スペイン映画祭)
(抽選で招待券が当たるコーナー)
    若手から巨匠まで、スペインを代表する監督の名作10作が、『ラピュタ阿佐ヶ谷』で、2月9日(日)〜3月15日(土)までの約1ヶ月以上にわたり上映されます。お見逃しなきよう。上映映画のラインアップは以下の通り。
   『蝶の舌』(La lengua de las mariposas)(José Luis Cuerda)
  『大地と自由』(Tierra y libertad)(Ken Loach)
  『オール・アバウト・マイ・マザー』(Todo sobre mi madre)(Pedro Almodóval)
  『ライブ・フレッシュ』(Carne trémula)(Pedro Almodóval)
  『フラメンコ』(Flamenco)(Carlos Saura)
  『カルメン』(Carmen)(Carlos Saura)
  『マルメロの陽光』(El sol del membrillo)(Víctor Erice)
  『裸のマハ』(Vola verunt)(José Juan Bigas Luna)
  『ロルカ、暗殺の丘』(Muerte en Granada)(Marcos Zurinaga)
  『オープン・ユア・アイズ』(Abre los ojos)(Alejandro Amenábar

   1日に4本が上映の予定で、様々な鑑賞オプション(スケジュールが結構複雑)があります。詳細は下記の映画館の電話でお問い合わせされるか、あるいは、ウエッブサイトでお調べ下さい。尚、この映画祭を記念し、大変お得な映画鑑賞券+食事券』も用意されているようです。

 ラピュタ阿佐ヶ谷(駅北口から徒歩2分) 03-3336-5440 (http://www.laputa-jp.com)
   さて、お待ちかねの招待券プレゼントですが、少々大袈裟な表現をしたのですが、実は、僅か2枚しかありません。したがいまして、誠に勝手ではありますが、受渡に手間をかけたくないこともあり、今回は、『現役通学塾生のみ』を対象とさせて頂きます。ご理解の上、ご容赦下さい。尚、当然の如く、プライベートレッスンの方々も対象に入っています。しかし、講師の方々は、当然ながら、応募をお控え下さい。
    応募する現役通学塾生は、メールの件名に『映画祭招待券』と書き2月5日まで電子メールにてお送り下さい。これ以外の方法は受け付けませんのでご注意を。尚、当選者の発表は、次号の『e-yakuニュース』で行います。厳選なる抽選の上、招待券は6日以降の授業で、当選者に直接手渡します。
 
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    短文翻訳 2003年01月更新分
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1. Mis tías son de un pueblo de Colombia en donde se plantan hierbas narcóticas.
  私の叔母たちは麻薬を栽培しているコロンビアのある村の出身です。
2. Para el martes tenía previsto ir a ver una película con el fin de despejarme.
  火曜日は気晴らしに映画を見に行く予定だった。
3. Marta no tiene sitio donde acostarse porque tiene muchos libros en casa.
  マルタは家にたくさんの本を持っていて寝る場所がありません。
4. Marta no tiene sitio donde acostarse por tener muchos libros en casa.
  マルタは家にたくさんの本持っていることが原因で、寝る場所がありません。
5. Marta no tiene sitio para acostarse en su casa porque tiene muchos libros.
  マルタはたくさんの本を持っているので、家には寝る場所がありません。
6. Marta no tiene ni sitio donde acostarse porque su casa está llena de libros.
  マルタの家は本だらけで寝る場所さえない。
7. Marta tiene muchos libros en casa por lo que no tiene sitio donde acostarse.
  マルタは家にたくさんの本を持っていて、そのせいで寝る場所がありません。
8. Por la mañana, me encontré con ella en la calle por casualidad.
  私は、朝、通りで偶然に彼女に出会った。
9. Juan estuvo muy servicial conmigo no sé si será porque estaba yo con una amiga muy mona.
  ホアンは私にとっても親切だった。とっても可愛い女友達と私が一緒だったからなのかしら。
10. La de haber muy poca delincuencia era una de las características de Japón.
  犯罪が非常に少ないというのは、日本の特徴の一つだった。

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                                                        (イー訳しよ〜ネッと)
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