本格的に、そして、本腰を入れ、じっくりとスペイン語を学び、実践的なスペイン語力をつけたい、伸ばしたい人のためのスペイン語塾
 

Fundado en 1995

Instituto de Traducciones de Tokio

 


 

 
ここは日西翻訳研究塾ホームページ「月刊メルマガ」のNo.73です
 

 

     

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(^. ^)Un, una, uno... 2006

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日 西 翻 訳 研 究 塾
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☆                       e-yakuニュース Año VII No. 73  (11月末号) 2006/11/30                        ☆
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この塾magaは、日西翻訳研究塾が毎月末に、スペイン語学習者のためのお役立ち情報と共に、本塾のお知らせをするための定期的な『無料メール・マガジン』です。尚、現在はバックナンバーの送信サービスはいたしておりませんが、主要人気記事はHP上で公開しておりますのでそちらをご覧下さい
メールのアドレスを変更された場合は『必ず』、『忘れずに』また、受信を中止されたい場合等々、その他、ご意見ご希望等も、e-yaku@gol.comまでご一報下さい

=== お知らせ ===
目次右の「↓すぐ読む↓」をクリックすると各項目に瞬間移動します。戻るには各項目の「↑目次に戻る↑」ボタンをクリックして下さい
なお、夏期のみ7・8月号の配信をまとめて8月末に行い、7月末の配信はありません

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            今号の目次
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01 お知らせ 通訳ガイド特集 ↓すぐ読む↓ (I)  2006年第1次試験合格発表とその広き門
02 ↓すぐ読む↓ (II) 真剣な日本政府の対応
03 ↓すぐ読む↓ (III) 短文翻訳と通訳ガイド
04 ↓すぐ読む↓ (IV) 「実践通訳ガイドコース」受講申込み閉め切り迫る!! カレンダー配布します
05 キューバ映画 ↓すぐ読む↓ Festival de Cine Cubano 2006
06 小さいバル ↓すぐ読む↓ 「Gatita」のご紹介
07 Xavier-2006 ↓すぐ読む↓ ザビエル生誕500年記念行事
08 ダリの旅? ↓すぐ読む↓ スペイン・ダリの旅 プレゼント
            
09 読み物 レポート (I) ↓すぐ読む↓ 海外在住者からのレポート Guatemala編-02
10 夜のしじみの世界 ↓すぐ読む↓ 帰ってきたよろよろ紀行(その7)
11 海ちゃん ↓すぐ読む↓ 大人気ちゃん“Español Variopinto Mensual” (No.19)
12 スペインの慣用句 ↓すぐ読む↓ Serie III-45
13 短文翻訳 ↓すぐ読む↓ (2006年11月末更新分)(No.701-710)

 
■∞ ∞ ∞ ホーム・ページ 更新情報 ∞ ∞ ∞■
   2006年10月末の主な更新分は以下の各ページです。ご確認下さい
        *『今月の短文翻訳』(2006年11月分)
        *『短文翻訳集』(2006年10月分)
        *『スペインの慣用句』(その37)
        *『海ちゃんシリーズ』(その5)
        *『実践通訳ガイドコース
        これら以外にも様々なページでマイナーチェンジがなされていますのでご注意下さい

≒≒≒ 通訳ガイド特集 ≒≒≒(1234)

その1) 2006年からの広き門は本物だった!!
先頃、先の9月に実施された通訳案内士第1次試験の結果が発表されました。その内容は、私たちスペイン語関係者にとって、実に明るい未来を示唆する朗報と言うべきものでした
昨年のスペイン語での1次合格者は僅か10人でしたし、従来からも、約10%前後の確率でしかなかったのですが、今回はなんと30名もの合格者を出しました
もっとも、この3倍にも上る合格率というのは、スペイン語のみではなく、全言語にほぼ共通しての現象でした。例えば、英語での合格者も2倍、ポルトガル語でも3倍で、その他も、中国語以外は軒並みの大幅増だったのです
  
その2) 政府の真剣さ
一昨年度に国会に提出され、今年4月から施行となった通訳案内士の免許制度などを扱った通訳案内業法の法改正に伴い、日本政府は、『外国人観光旅客の来訪地域の多様化の促進による国際観光の振興に関する法律の改正』も行っており、外国人観光客の誘致と、観光立国に関して、実に積極的な姿勢を見せています
2010年までに、外国人観光客を1,000万人にする』というのが、当面の日本政府の狙いで、2005年時点での外国人旅客者の数は約673万人だったわけですから、単純計算では、年間に約100万人弱ずつを増やして行かねばならないことになるわけです
2005年度は愛知万博もありましたから、前年比で約10%増の大幅な伸びを示せましたが、年間100万人ペースで増やしていくというのは並大抵ではありません。そこで今後も更にその方針を鮮明にする為もあり、先頃の新政権発足時にの「観光立国担当大臣(国土交通大臣兼任)」誕生につながっているのでしょう
この外国人観光客誘致への政府の本気とやる気は、この専門の担当大臣を設置するのみに止まらず、前述のように、通訳ガイド免許取得にも窓口を大きく広げる姿勢のようです。つまり、通訳ガイドさんを大幅に増加させることで、外国からの観光客の受け入れ態勢を整えようというわけです
  
その3) 短文翻訳と通訳ガイド
なお、すでにご存じの方もおいでかも知れませんが、小塾の人気サイト『短文翻訳』では、現在この通訳ガイドに役立ちそうな短文をどしどし提供いたしております
  
その4) 「実践通訳ガイドコース」の先行予約制度での申込み〆切り迫る!!
前号でもお知らせ致しましたように、小塾でも2007年01月15日より『実践通訳ガイドコース』の開講を予定しております。もっとも、小塾の講座は、講座名にも謳っていますように、「実践に役立つ講座」、つまり、受験者は基より、すでに有免許者、あるいは、合格はしたもののまだ実践では通訳ガイドをしたことがない人々に最適のクラスです
01月15日開講予定の『実践通訳ガイドコース』の全日程カレンダー(電子版)が出来上がりました。ご希望の方にはお送り致します。遠慮なくお申し出下さい
  
先の平成18年『通訳ガイド試験のスペイン語問題とその解答例』継続掲載中で〜〜〜す!!
Guia_2007.html

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(5)

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            Festival de Cine Cubano 2006
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12月09日(土) 低開発の記憶(仮) 永遠のハバナ フルカウント キューバアニメ傑作選
12月10日(日) 天国の晩餐 ルシア ハローヘミングウェイ 永遠のハバナ
12月11日(月) バスを待ちながら ハローヘミングウェイ 永遠のハバナ 苺とチョコレート
12月12日(火) 永遠のハバナ バスを待ちながら 苺とチョコレート バスを待ちながら
12月13日(水) フルカウント 苺とチョコレート バスを待ちながら 永遠のハバナ
12月14日(木) ハローヘミングウェイ 永遠のハバナ 苺とチョコレート バスを待ちながら
12月15日(金) 永遠のハバナ 天国の晩餐 フルカウント Comandante

http://www.action-inc.co.jp/cuba/

前売 1回券1,300円 3回券3,600円
当日 一般1,500円 大学生・専門学校生1,300円 高校生800円
    中学生以下500円 ユーロスペース会員・シニア1,000円

・前売1回券は劇場窓口およびチケットぴあ(Pコード:476-959)にてお買い求めください
・前売3回券は劇場窓口のみ販売、複数人数での使用可能、OPENING/CLOSING作品には使用不可
・各回15分前開場、自由席、整理番号順に入場・入替制
・入場整理券は当日AM11:30より各日全回分を発行致します

場所:ユーロスペース 渋谷区円山町1-5 (渋谷・文化村前交差点左折) Phone:03-3461-0211  www.eurospace.co.jp

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(6)


△╋△
╋○          小さいバル『Gatita』バー

╋◇╋◇╋┓
◇╋

塾生のお友達が、とっても可愛いBarを開店されましたのでお知らせいたします

スペイン・ポルトガルの手軽な日常ワイン
トルティージャ(スペイン・オムレツ)
ハモン・セラーノ(スペイン生ハム)
パシュテイシュ・デ・バカリャウ(ポルトガル風干ダラのコロッケ)
その他のタパス(つまみ)を中心とするお店です
ワイン一杯からでもお気軽にお立ち寄りください

営業時間 平日  17:00〜23:00(L.O.22:30)/土・日 12:00〜23:00(L.O.22:30) 定休日 水曜日・祝日

住所 〒167-0053 東京都杉並区西荻南3-7-10 (西荻窪駅より徒歩1分)  電話 03-6765-2299
メールアドレス mail@gatita.jp
BLOG http://diary.gatita.jp/ ガティータの最新情報等を掲載しています

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(7)

         
                Xavier 2006
○           

ザビエル国際学術フォーラム学術会議』のご案内

日時:2006年12月09日・10日
場所:上智大学中央図書館大会議室

詳細は下記リンクをご覧ください
参加に際しては事前登録が必要ですので、ご希望の方は登録をお願いいたします
http://www.sophia.ac.jp/J/news.nsf/Content/xavier500


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(8)

 ダリの旅? ダリの
タメ ∞∞∞∞∞∞∞
場    所:東京・上野の森美術館
開催期間:9月23日(土)-2007年1月4日(木)(無休)
開館時間:10:00〜18:00(入場=17:30まで)
主    催:朝日新聞社,フジテレビジョン/ガラ=サルバドール・ダリ財団/サルバドール・ダリ美術館
お問合せ:ハローダイヤル03-5777-8600(年中無休07:00−23:00)

な、なんと!!ビジネスクラスに乗ってスペインへ

Dalíの生誕100年を記念して開催される大回顧展
スペインとアメリカの2大Dalíコレクションから、本邦初公開の作品を含む油彩60点のほか、水彩画や写真も集めた
古典主義的傾向が伺える初期の作品から最晩年のものまでが網羅され、20世紀美術史上最大の奇才といわれる Dalíの生涯とその思考の一端に触れることができる
Dalí生誕100年は本来2004年だったが、日本では2年遅れでの開催となる

プレゼントの詳細はこちらへ====>>http://www.dali2006.jp

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(9)

reportajedesdeextranjero 海外レポート orejnartxeedsedemrofni

「GUATEMALA編」  ( Serie=I-02)

レポーター:国際協力関係でご活躍中の河内 毅氏

早いものでもう12月ですね
日本は日一日と寒さを増していることと思いますが、いかがでしょうか
ここグァテマラもここ数日というもの日本の秋のような天気がつづいており、外出時にはChumpaやSueterが欠かせません。気温自体は多分日本の冬に比べたら暖かいとは思うのですが、何せ家に暖房設備がないばかりか、家のつくり自体も簡素で断熱材などが用いられていないため、家の中まで寒いのがちょっと辛いところです
と、前置きはこの辺にしておいて、今回はグァテマラの方言とも言えるような当地でよく使用される表現(以下便宜上方言)について書いてみたいと思います。グァテマラのスペイン語はグァテマラ人に言わせれば他の中米のスペイン語と比べてきれいで癖がないそうです。確かにパナマ、キューバ、ドミニカ共和国といった国々のSが発音されず、とても早口で聞き取れないスペイン語に比べたら十分にきれいかとは思いますが、それでもグァテマラに来たばかりのころにはわからない表現がよくありました(さすがに3年もいるとだいぶわかるようにはなりましたが…)。今回はそんなグァテマラのスペイン語について少し書いてみます

「Saber」:
説明する必要もないとは思いますが、「知っている」という動詞の不定形です。もちろんグァテマラでも「知っている」という意味で普通に活用させて使うのですが、それ以外の使い方があります。 例えば、こんな感じです
        A:¿Dónde está tu papá?
        B:Saber.
会話の意味がわかったでしょうか?日本語に訳すとこんな感じになります。「君の父さんは何処にいるの?」「さあね。」つまり、知っているという意味のこの単語「Saber」を不定形のまま答えに使うことによって、「知っている」とはまったく逆の「知らない」になってしまいます。本当に不思議ですよね
「-ito」:
グァテマラでは名詞の語尾に付ける縮小辞は「-ito」の使用が目立ちます。例えばPerritoとかGatitoなど。基本的には小さいものとか可愛らしいものにつけるのが普通ですが、ここではそうとも限らないようで、よく体の大きいおばさんなどの名前にも付けられたりします。それからAhoraに-itaをつけたAhoritaという表現もよく使われますが、この表現は要注意です。Ahorita voy などと言われた時は、しばらく待つ覚悟が必要なのです
「Sí, pues」:
グァテマラでよく使われる相槌の表現です。昔は何処の国でも共通かと思ったらそうではないのですよね(旅先で指摘されました)。ちなみに「Adiós, pues」という表現も良く使うのですが、これもグァテマラの方言なのですかね?
「Vaya」:
辞書で見る限りあまり良い意味は書いていませんよね。でもここでは会話の中で普通に「いいよ。」といった意味合いで使われています
「Vos」:
「Tú」の代わりに友達など親しい間柄でよく使われます。動詞の活用は「Tú」のままだったり、「Vos」活用に変わったり。ちなみに「Vos」活用をしっかり把握はしていないのですが、語尾がirの動詞の場合には、ただrをとればそれでOKです。「¡Vos Veni!」などと言う表現は町を歩いていると良く聞くことができます

と、少しではありますがグァテマラの方言を少し紹介してみました。まだまだ知らない方言、もしくは知っていても方言だとは知らない表現があると思いますが、気づいた時にまた報告したいと思います。それにしても方言を方言と気づいてないのってちょっと怖いですよね。日本でも田舎で育つと自分の使っている言葉が方言だと気がつかないことがありますが、一応標準語を知っているので何とかなります。でも、スペイン語は母国語でない上に、各国で言い方が違ったりと言わば標準語がない状態、いろんな国で使えて便利な半面、ちょっと厄介ですよね


どしどしレポート(Seri-II用)募集中!!
この新シリーズは毎号の連載とは限りません。投稿があった場合のみ掲載させていただきます
    * 内容は自由ですが、可能な限り現地の様子が分かるような、あくまでも『海外からのお便り』的な内容でお願いいたします
    * 政治的内容・研究論文などメッセージ性のあるものはお控え下さい
    * 編集部には本名・住所・職業など正規の情報をお知らせ頂きますが、投稿者の氏名等は架空でもOKですが、在住国等は記載致します
    * 分量は、Word-A4の通常設定で1ページ程度の短いもので、原稿料等はご用意いたしておりませんのでご了承下さい
    * 文章は塾maga編集部が校正する場合もあります
    * 塾magaで掲載させていただいたものはHPにも掲載させていただきます


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(10)

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旅日記の続編の旅日記

帰ってきた『よろよろ紀行』2005年夏

その七 (作:夜のしじみ)

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バルセロナ・ガウディ・ピンチョス
さて、バルセロナに移動してきたわれわれ一行である。ここでは3年前に泊まったNHホテルに再び泊まる。以前はここでゼネストにあったものだったが…

ここでは日本人ガイド付き一日観光ツアーを頼んである。母、姉対策だが、これがわたしにも大変よかった。日本語で詳しい説明を聞くことができるのは大変いいことである。今回は「ガウディとモデルニスモ」というツアーで、バルセロナ市内の建築物をガウディ中心に見て回った。前回はサグラダ・ファミリアしか行かれなかったので、今度はミラ邸とかグエル別邸とかカルベ邸とか市民病院とか実に沢山の建物に触れることができ、今までになくガウディの魅力を知ることができた。日本人のガイドさんもガウディがとても好きなようで、熱をこめて説明してくれた。姉のたっての希望でバルセロナに再度立ち寄ったわけだが、よく考えてみると前回は一日ストで潰れてしまったわけだから、ゆっくりと市内を見ることができてよかったのである

夜は友人に教えてもらったバールに行き、つまみをいくつか取る。姉は相変わらず熱心に料理研究をしている。「ねえ、これってピンチョス?」と聞くのでよくわからないがたぶんそうだろう、と適当に答えると、怪訝そうな表情をしている。「爪楊枝がさしていない」と不満そうだ。「爪楊枝が刺さっているピンチョスが食べたい。」とのことであった。人のこだわりというのは不思議なものである。爪楊枝なんてどうだっていいじゃないか、との言葉を飲み込み、爪楊枝がさしてあるピンチョスをこの日も翌日も探したわれわれである。2件目に立ち寄ったお店での生ハムと赤ワインが最高においしかったので、結局翌日もその店で夕飯も食べた。店主もたいそう喜び、同じ席を用意してくれたのだ。「いつまでいるの?」とたずねられたので、「明日帰る。」と答えたら残念そうな顔をしていた

姉は熱心に覚えたスペイン語を使い、「Vino blanco, por favor.」などと一生懸命だ。その後「グラスは何個だ」「水はどうする」とまくし立てられると後は私が引き継ぐのだった

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(11)
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|  『月刊・スペイン語あれやこれや』“Español Variopinto, MensualNo.19   |
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「CalorのL」と「CaroのR」
スペインに留学していたある土曜日の朝、私は近くにある昔ながらの市場に出かけた。一週間分の食料を買いだめするための土曜日の朝のルーチンワークであった。もうすでに野菜はどこで、肉はどこでと買い物をする店も決まっており、店の人たちとも顔なじみになっていた。まだひよこ程度のスペイン語しか話せなかった私は、鮮度や値段よりも「親切で感じがいい」という基準で店を選定していた。気配りのある店でないと、生活の達人である主婦達にどんどん先をこされ、いつまでたっても順番が回ってこないからなのだった

ある土曜の朝、いつものように、いつもの肉屋に行って、いつものハムを買おうとした。なんだか先週に比べて値段が上がっているみたいな気がした。当時は貧乏学生の身分ゆえ、値上がりはゆゆしい一大事であった。それに、あらゆるチャンスをつかまえてスペイン語を話すことをモットーとしていた私は、「¡QUE CARO!(高い!)」と言ってみた…つもりだった

覚え始めのスペイン語脳には、RとLの音の区別は容易ではなく、きちんと発音しようと意識すればするほど発音は不明瞭になり間違えてしまう。「CARO(値段が高い)」と初心者にとっては似たような単語である「CALOR(暑い)」が入れ替わって、「¡QUE CARO HACE!」などと翻訳不能なことを口走ったのかも知れないし、「¡QUE CALOR!(暑い!)」と明瞭に言ったのかも知れない

折からもアンダルシア地方は暑さの厳しい季節であった。「Aquí hace mucho calor en verano y hoy más calor todavía(ここは夏は暑いのさ。それに、今日はいっそう暑いね)」とおばちゃん。あぁ、違う。これではひそかに期待していた「そうかい、じゃ、特別におまけしちゃうよ」という言葉も期待できない。せめて、「高い」と言いたいことをわかってもらおうと、頭の中で一生懸命単語を並べているうちに、「うちのハムは安くておいしいだろう」と、にこにこしながら敵は追い討ちをかけてきた(このくらいのヒアリング能力はあった)。「Si, es verdad.(ええ、本当に)」と「NO」の言えない日本人の私はあえなく相手のペースに巻き込まれる。「¿En tu país no hace tanto calor?(あなたの国はこんなに暑くないの)」と肉屋の女主人が言うので、転んでもこの会話のチャンスは逃すまいと、日本の夏について懸命に説明を試みた


「No. Señora. Me refiero al precio.(違いますよ。値段のことを言っているのです)」ときっぱり言う語学力があったとしたら、もしかしたら肉屋の女主人は気分を害してしまい、天気の話など平和にしている場合ではなくなったかも知れない


結局、向こうの言い値でハムを買い(今、思えば安いし良いハムだった)、「来週も待ってるよ。」というおばちゃんの声を背にすごすごと退散したのであった
。「RとL」は日本人にとって永遠の悩ましいテーマであるが、このことを肉屋のおばちゃんが洞察した様子は全然なかった
Gatito Umi-chanでした

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(12)
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         スペインの慣用句 == Serie II -45 == 馬耳東風 第二編の四十五
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さて、今回は「E y F」をキーワードにした慣用句をみてみることにしようと思うが、決して、hacerとecharの動詞特集ではない

1. 『hacer época』
これは実に分かりやすい慣用句である。と同時に、慣用句だと意識する必要さえないほどである。すべてがこうであれば誰もスペイン語を勉強するのに苦労はしない。しかしそうなると、生きていけない人も出てくる。例えば小生のような人間だ。勉強に四苦八苦する人がいるから教えるという生業が成立するわけで、本当はもっと難しければ、もっとお金持ちになれるはずなのだが、そんなに難しければこちらが分からないかも知れないので、程々に願いたいものだ。スペイン語を生業とすることで「時代を作る」というのはかなり難しいが、他の分野なら、『一世をふうびし』たり『一時代を画し』たりする人はいる。とはいっても、例文のような時代の作り方は良くない

  
例) Ha sido un robo de los que hacen época.
        (歴史に残るほどのすごい盗難事件となりました)

2. 『hacer eses』
いつも口酸っぱくして私は生徒たちに言っているのです。「我々非スペイン語人がスペイン語人に勝てる唯一の方法は《正書法》を極めること。つまり、スペルを間違わないことである」と。《eses》ではなくて《heces》でしょ!ウン?違う?これで良い?つまり単数形にすると《ese》とな?《ese》とは英語のthatにあたる中称指示形容詞の《ese》の複数形?それは存在しない。《esos》であれば「それらをする」でなんとか意味は成立するのだが・・・。でなければ、前述のように《hez》の複数形《heces》。つまり、スペイン語でお上品に言うところの「《excremento humano》をする」なのか?などと言っている場合ではない。そうなると、後は《ese》しかない。そう、文字の《s》以外の何ものでもない。つまり、「Sの字を作る」というわけだ。しかしそうなると、数々あるS字形を描くものの中では、何と言っても代表格は『千鳥足で歩く・ジグザグに進む』となると、まさに、慣用句らしくなり、『酔っぱらった状態で歩く』となろう

  
例) Caminaba haciendo eses, pero no era por borrachera sino por el vértigo.
        (千鳥足で歩いてはいましたが、酔っぱらっていたからではなく、高所恐怖症だったからです)

3. 『echar en falta』
《falta》の中に何かを捨てる?あるいは、投げ入れる?何を?何をだろうか。元来《falta》は「不足・欠如・間違い・過ち」等々だ。そのようなものにいったい何を放り投げようと言うのか?そんなことをして何の特になる?間違いや欠如しているものに対して何かを投げ入れる、しかし、物体などではなく、例えば、意見を投じるとか、一石を投じるとか、っというのならば、慣用句として、極めて慣用句らしく好ましい形なのだが、残念ながら実はそうではない。もっとも、決して「遠からず」ではある。何故ならば、「間違い、あるいは、欠如・不足に対して、それではいけないだろう、もっとしっかりしろよ」と注意を促し、その「不足に気付かせる」ことは大切なことだからだ

  
例) Eché en falta las llaves del coche cuando fui a abrirlo.
        (車のドアを開けようと思ってキーがないことに気付いた)

今回は以上です。ご質問・ご意見をお待ちしている。(文責:ancla)


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(13)

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短文翻訳 2006年10月末更新分 (701-710)
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01. El renga es un poema japonés de versos compuestos a base de cinco, siete, cinco, siete y siete sílabas.
          連歌は五七五七七を基本に組まれた日本の詩である

02. El senryu es un tipo de haiku cuyo origen se remonta al período de Edo, con un contenido humorístico.
          川柳はユーモラスな内容を伴う俳句の一種であり、その起源は江戸時代にさかのぼる

03. En el chiringuito de la playa están sentados madre e hijo en la mesa del fondo.
          ビーチの飲食店の奥のテーブルに母子が座っています

04. ¿¡Que estás embarazada!? Enhorabuena. ¿Qué deseas un niño o una niña?
          妊娠したんですって!?おめでとう。男の子がいい?それとも女の子?く

05. A) "No sé qué me sucede", contestó al ser interrogado.
          A) 尋問され、「自分でも何が何だかかわらないのです」と彼は答えた

06. B) "No sé qué me sucede", contestó al ser interrogada.
          B) 尋問され、「自分でも何が何だかかわらないのです」と彼女は答えた

07. Entre ellas no es pequeño el número de chicas que venden sus encantos.
            彼女たちの中には(肉体的な)魅力を売り物にする娘たちの数は少なくない

08. Cómo es que una chica tan guapa y joven no encuentra pareja.
            君のようにそんなにきれいで若い女性がカレシを見つけられないなんて・・・

09. Si él no se identifica con las políticas del partido, sobra. ¿Para qué está aquí?
            彼が党の政策に反対するなら、彼は必要ない。何故党に所属しているんだ

10. En el mismo año que se establecieron las relaciones diplomáticas entre China y Japón, Okinawa fue devuelta a nuestro país.
            日中国交正常化と同じ年に沖縄はわが国に返還された

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