遠い将来、スペイン語を何らかの形で仕事に活かしたいと考えております。求人等を見ていますと、実務翻訳の募集はいくつか見られるのですが、実務翻訳には、さまざまな分野の翻訳があり、工場での作業工程の翻訳やマニュアルの翻訳などいろいろあるようで(詳しくは知らないのですが)そのための訓練が必要なのかなと感じています。貴塾の講座で、実務翻訳を勉強することはできますか?今私は通信の応用級で勉強していますが、上級になるに従って、専門的な文章にも触れることができるのでしょうか?教えて下さい。宜しくお願い致します。(栃木のKさん) |
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まず最初に、具体的なご質問に対する答から:
残念ながら、通信では実務翻訳用のテキストをご用意しておりません
実務翻訳には、単なる翻訳そのものの技術だけを教えると言うことが無理だからです
「実務そのもの(例えば:機械・自動車・IT・医療等々)」に付いては、語学学校よりも、それぞれの専門知識を教える学校などで日本語にて学ばれ、そうした専門の知識を得られることをお勧めいたします
小塾が実務面で開設している講座は3種類です:
「ビジネス・スペイン語講座」:毎年9〜3月の半年間、2週に1回(月2回ペース)。スペイン語を使ってのお仕事全般を支援する講座
「日本事象クラス」:通訳案内士試験対策を兼ねた、案内士免許を取得した後でも役に立つ、実践的な講座。翻訳を通しての講座は通信でも開講中です
「ラテンアメリカ文学翻訳講座」:ラ米文学の短編翻訳を通し、ラ米文学理解と文学翻訳を学びます
さて、あなたご自身もお分かりになっておられるようですが、まだお若いことから、「遠い将来」を見据えてのお勉強をされているのだと思います
又、語学はそう易々と一朝一夕で会得できるものではありません
よって、最大の敵は焦りです
今現在、あなたにはその焦りがあるように窺えるのですが…
単に将来的な計画を立てるために役立てて頂くと言う目的で話を進めていきましょう
小塾の通信講座は、通学講座と同じテキストを使用し、スペイン語の解釈やスペイン語作文(和西翻訳)を通し、より高い翻訳能力を養って頂くためのものです
その内容としては、HP上にも明らかにしておりますが、様々な種類のテキストを使用しています
一般的な『翻訳技術』はお教えいたしますが、技術的なことをお教えするための講座ではありません
その『技術』或いは『専門性・専門知識』の中には、上述でお分かりのように、観光通訳案内士という専門家を育てるためには「日本事象クラス」を、そして、文学翻訳もまたこの部類に属しますので、これらに関しては特別の講座を開講しているというわけです
ただ、例えば、「自動車部品工業に特化した」翻訳技術を教えるという講座までは開講していませんが、これはあくまでも、「需要と供給」の問題で開講していないだけです
もっとも、実はこの分野に関する講座というのは、需要が高まっているので、現在、開講を模索しているところですが、開講について、現時点では、何ら確約できるようなものはありません
各々の知識や能力を養うには、その言語を介してではなく、前述のように、各専門分野の知識を日本語で習得されることが最も有効だと考えています
もっとも、その道の専門家になったとしても、語学能力がなければ、当然、翻訳も通訳も出来ないわけです
もうお分かりですね。そう、その通り
『(専門知識さえ母国語で持っていれば…)翻訳だって通訳だって出来ますよ!』と言うレベルになるためのお勉強を現在あなたは進められているわけです
一つの例えを出しましょう
通訳案内士試験には、語学試験と「日本史・日本地理・一般常識」の日本語試験も並行して実施されます
なぜなのでしょうか?
外国人観光客を応対するには、両方の知識が必要だからです
ただ、小塾では、今のところ、日本語試験に対応できるような講座までは開設しておらず、スペイン語試験対策にのみ特化しています
つまり、日本語で日本の知識を身に付けるのは、各自にお願いしている状態です
むろん、こちらの講座も開講できれば良いのですが…
以上のような分けで、おそらく英語業界でさえも、各産業、各業界にまで対応させているところはないのが実情です
本格的な専門知識を身に付けていれば、その人はその道の専門家と言われ、それで飯を食っていけます
外国語の専門家は、そうした知識のすべてを身に付けることまでは無理なので、語学の知識を身に付けることで語学の専門家になれば良いのです
後はそうした『専門分野が理解できる程度の知識を身に付け』れば、語学の専門家として対応可能になると思います
と言う分けで、まずは語学の専門家になることを目指すことが先決ではないでしょうか
つまり例えば、現在応用級に籍を置いておられるのであれば、その上を目指す、つまり、「向こうの山ばかり見ているのではなく、自分がのぼりかけている山の頂上を目指す」ことが大事なのではないでしょうか
以上、何らかのお役に立てたのなら幸いです
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