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スペイン語翻訳通訳

Instituto de Traducciones de Tokio

 


 

 
ここは日西翻訳研究塾ホームページ「スペインの慣用句」のNo.66のページです
 

 

 

     

Monólogo de un pasota
第三編 『スペインの慣用句』 (No.66)(慣用句番号:206)

 
今回は『por los siglos de los siglos』を選んでみた
まずはいつものように直訳をしてみよう。「それらの世紀のそれらの世紀について」と、かなりださい感じになってしまい、意味がさっぱり伝わってこないだけでなく、このフレーズだけだと、その真意さえ掴めない。久しぶりに分けの分からない慣用句が出てきてしまったようだ
ただ、少なくとも、世紀が複数になっていて、その複数の世紀の、そしてまたしても、輪をかけるように、また別の複数の世紀について、と言っているわけだから、何かこう途方もなく長い時の経過、或いは、流れについて述べているのだと言うことが薄々ながら理解できる
この慣用句、そう言えば、スペインの時代劇(映画)などで、王様か何かの台詞として耳にしたような気がする。やや時代がかった大仰な演説か何かを王様がぶったりしていたときだったような記憶がある
では少々視点を変えて考えて、文法的な視点から見直してみよう。なぜなら、この慣用句では、名詞に付けられている冠詞が、両方とも定冠詞であって、不定冠詞でも無冠詞でもないところに、さっきから殺気を感じていたからだ
世紀というのは100年を一句切りとした時代を単位化した表現である。これに定冠詞が付けられているのだから、100年という単位が数数え切れない一つの塊として示唆しているようだ。よって、何千世紀とか何万世紀と言った、同じように数は多いにしても、その数を限定しようというわけではないのである。何千世紀や何万世紀は確かに凄い数字だが、数えようと思えば数えられないことはない。しかし、定冠詞を複数で使用する場合には、その名詞全体を捉えるだけではなく、また単数形の時のように、その名詞を一個のものとして捉えるのではなく、包括的・全体的な捉え方ができる。そうなると、やはり、途方もなく凄く気の遠くなるような長い世紀について言及しているわけである。しかし、何世紀にも亘って…となると、日本語では「未来永劫・永遠に・永久に」としか言いようがなく、世紀などといった言葉・単語は消え失せてしまう

   例)
Espero no volver a verte por los siglos de los siglos.
      (今後二度とあなたには会いたくはないワ)

さて、ご質問・ご意見をお待ちしている。(文責:ancla)
 
以上は、本塾のメールマガジン『塾maga』2009年06月号(No.104)に掲載されたものです

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