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スペイン語翻訳通訳

Instituto de Traducciones de Tokio

ここは日西翻訳通訳研究塾ホームページ「スペインの慣用句」のNo.78のページです
 
     

Monólogo de un pasota
第三編 『スペインの慣用句』 (No.78)(慣用句番号:220)

 
今回の慣用句はやや微妙なニュアンスを含意した[hacer el indio]を取り上げてしまった。「しまった」というのは、なにも、「しまった!」と後悔しているわけではないが、この慣用句には、日本語の辞書などで「軽蔑語」と注意書きがある。しかしながら、それはなにも[indio]=インディアン、つまりアメリカン・インディアンのことだが、彼らを軽蔑する言葉・慣用句という分けではないことを申し上げたくて敢えてこの慣用句を扱うことにしたわけだ 昨今は、放送禁止用語だの、差別用語などに注意を払わねば後で何を言われるか分からない時代だ。実に嫌な時代になったものだ。ある言葉が差別や区別を示唆するためにのみ作られた言葉であるならまだしも、元来「そうした用語」を使用する人自身に、その対象者を差別する気持ちがあるのかないのか?が問題なのであって、「そうした用語」自体には悪気もなければ罪もなく、「単語」を差別的だとするのはおかしい。差別用語に分類すること自体、或いは換言するならば、「言葉に罪を着せて自分は善人振る」こと、或いはその発想や心そのものが差別と言えないだろうか
さて話の筋を戻そう。確かにこの「インディアンをする」と言う表現の基となるのは、インディアンが踊る様を見た旧大陸の人間の発想だ。欧州のダンスからは想像もつかない、見るからに「滑稽な」踊りに見えたのだろう。だからといってインディアンを軽蔑してこの慣用句が使用されるわけではない。あくまでも、『こっけい(ばか・無責任)なことをする』人をこう表現しているだけなのだが、確かに使用するに当たって抵抗感がないとは言えない

  例)
Cuando está contenta siempre nuestra hija hace el indio para que nos riamos.
      (娘は、何か嬉しいことがあった時、私たちを笑わせようと、いつもおどけてみせるのよね)

  さて、ご質問・ご意見をお待ちしている。(文責:ancla)

 

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