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スペイン語翻訳通訳

Instituto de Traducciones de Tokio

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Mascota
"Umi-chan"

 

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「海ちゃんと映画」 "Umichan y Cine"  Temporada-III
 

 

 製作国  スペイン  製作年  2003
 原題名   La Flaqueza del Bolchevique
 日本名  なし(未公開)
 英語名   The Weakness of the Bolshevik
 監督  Manuel Martín Cuenca
 出演  Luis Tosar / María Valverde / Mar Regueras
   ナダル賞にノミネートされた同タイトル小説(Lorenzo Silva著1997)の映画化
   
 

 
  第二話  
La Flaqueza del Bolchevique
  登場人物たちは皆、家庭環境の事情からなのか、現在の境遇が淀んでいることを想像させる、地に足のつかない感じのする人々です。もし、現状に満足して幸せに暮らしていれば、たとえ自分に非がなくて相手だけが悪いのだとしても、ソンソレスのようにその相手に悪態をついたり罵倒して突っかかって行ったりはしません
「口は禍(わざわい)のもと」とはいいますが、ほんとうの禍の原因は、その言葉を生じさせた心の中に常在する怒りです。そして、その怒りは具体的な相手のある怒りではないかも知れません。口から禍のもとを発すれば、禍がかえってきます。同様に、幸せのもとを発すれば、幸せがかえってきます。不遇の連鎖は、欲と恐れと怒りの沈んだ現代の都会という沼地で、自我を盾にぶつかり合いながら生きる人々が陥る社会病理現象のひとつでしょう
仕事から何から何まで面白くない主人公、パブロは自動車で軽い追突事故を起こしてしまいます。この時の相手、つまり、被害者であるソンソレスに罵られたことでパブロの苛立ちはいっそう強まり、腹いせに、ボルシェヴィキ(*)よろしく彼女に制裁を加える決意をしてしまうのです
ネガティブな状態の心がした決意なんてろくなことにはなりません。運命は不幸にむかって一気に転がって行きます
パブロは仕返しのつもりでソンソレスの周辺で嫌がらせをしていましたが、いつしか当初の目的から軌道ははずれ、ソンソレスの妹、マリアのことを大切に思い始めていたのです。マリアの存在がパブロの人生を明るく照らし始めていた頃、マリアの時間が文字通り止まってしまう事件が起こります
パブロは殺人容疑で裁判にかけられますが、起こったことの衝撃が強すぎたため茫然自失状態で否定する気力もありません。あっさりと刑務所送りになってしまいます。正気では耐えられないような大きな苦悩を背負うことになったパブロの時間も、マリアのそれと一緒に止まってしまったのです
パブロの不運は、幸福な自分を想像できずに、ネガティブな感情衝動にしたがって行動した自家中毒的な不幸なのです
(*):ボリシェヴィキとはロシア語で「多数派」の意味で、レーニンが率いた左派の一派 (参考まで)

海ちゃん:「禍のもと」はカメムシ印の「玉ねぎのミックスジュース」、「幸せのもと」はマタタビ印の「おいしいスープのもと」、にゃん にゃん
アウトーラ:そこいきますかね
?!
海ちゃん:にゃん!真面目にやりますにゃ!・・・「自家中毒的な不幸」ってにゃんですか?
アウトーラ:簡単にいうと「自業自得」のこと。それにしてもめっちゃ皮肉な展開だったね。パブロは自分がやったんじゃないのに、あっさり刑務所送り。この先ずっと獄中で「僕はいったいいつ、どこで、何を間違ってしまったのだろう」って自分に問い続けるんだろうな
海ちゃん:気が狂うんじゃないかって僕は心配していますにゃ
アウトーラ:それがいちばん現実的な逃げ道だと思う。暗いね〜。救いがないね〜。合成甘味料と香料と着色料でできた粉末オレンジジュースのもとで果汁0(ゼロ)%ジュース作って、物憂げに飲もうかな?(ご年配の方々はよくご存知のあのジュース!!)
塾頭:それ懐かしい〜!JiJiも飲みたい!!
海ちゃん:この人たちの会話には筋というものが通っていませんにゃ(⇐ アウトーラ:あんたが言いだしたんやで)。みなさん、たいへん失礼しましたにゃ
では、またにゃっ!
 
 

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