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スペイン語翻訳通訳

Instituto de Traducciones de Tokio

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Mascota
"Umi-chan"

 

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「海ちゃんと映画」 "Umichan y Cine"  Temporada-III
 
       
主演 原題名 製作年  監督
 ヘンリー・カヴィル Man of Steel (El hombre de acero)  2013 ザック・スナイダー
製作国 米国
 

     

第十一話

 
  クリストファー・リーブの最後のスーパーマンから本作「Man of Steel」の間には26年もの歳月が流れている。以前のコミカルな感じはなくなり、シリアス仕立てのアクション&アドベンチャー映画になっている。ヘンリー・カヴィルが演じるこのスーパーマンは眉間にシワを寄せたしかつめらしい顔が、マジにかっこいい
  映像技術については全く詳しくないけれど、言うまでもなくコンピュータ・グラフィックスの時代に入っており、映像合成の点で前作と比較するのは間違っているだろう。現実離れしているのに、あまりにも真に迫った迫力満点の映像にあいた口が塞がらず、マン・オブ・スティールを見ている間はずっと口が開きっぱなし。逆に、35年以上も前に制作されたスーパーマンIの映像がすでに「素晴らしい」域に入っていたのは凄いことだと思った
  この「マン・オブ・スティール」には新しい状況設定が若干取り入れられてはいるものの今までのスーパーマン映画の集大成的な内容で、これまでのものから大きく離れるようなストーリー展開はない。ただ、「Woke」な視点を感じさせる点が新しいと言えるだろう
  英辞郎によると「Woke」とはアメリカの俗語で、「不公正や人種差別、性差別などに対する意識が高いこと」とある。最近のWokeな人として思い浮かぶのは環境問題のグレタさんだろう。また、BLM(ブラック・ライブズ・マター)も当然ながらWokeismである。「Wokeであること」は一面的に見れば「いいこと」ではある。ただ、単純な勧善懲悪思考で「Wokeism」を把握すると間違う。「Woke Revolutionは草の根運動ではない。コネクションに恵まれたエリート層の罪悪感に力を得ているものだ」という見方もあろうし、Wokeな企業として知られるナイキやコカ・コーラやMLBはWokeな主張を口実に、消費者の目をごまかそうとしているとして、消費者団体から批判されてもいる。なるほど
  昨年5月に黒人男性が白人警察官らに取り押さえられ、膝で首を押さえつけられて結果的に亡くなった事件は、その後、現民主党政権下で「警察規模の縮小」という方向に展開しており、その結果、治安は悪化し、銃が飛ぶように売れているという
  話が逸れたが、「Wokeness」は今やアメリカ社会を語る上で避けては通れないものとなっており、本作、マン・オブ・スティールにもその影響が感じられる
  人々は、自分たちとは異なる個性や特徴を持つ人間を区別し、差別し、阻害する傾向があるのは事実だ。こうした差別から生じる苦悩やその危険性ついてはこれまでのスーパーマンでは示唆されることはなかった。これまで、スーパーマン映画は無邪気なアクション・コメディーだった。しかし、本作のクラーク・ケントは人と違うことで阻害感を味わい、変わり者とされ幼少期から心に傷を負って苦しんできたことがストーリーに織り込まれている。差別は地球上に蔓延しており、スーパーマンでさえ差別されて傷つき、その悲しみを昇華できないまま大人になったという点に焦点があてられていることにWokeismの影響を感じるのだ
  「You’re not alone」はこの映画の中で繰り返し出てくるメッセージだ。地球上のたったひとりのクリプトン星人である孤独なクラークに向けられたものだ。けれどもクラークがその超能力で地球の人々を救うたびに誤解はとけ、人々の心がまるく柔らかくなることで「You’re not alone」のメッセージがぬくもりをおびてあたたかい光を放つ。さらに視点を拡大すれば、この地球そのものが、果てしない宇宙において「not alone」だと言っているのかもしれない
  本作の映像は強烈にリアルで迫力満点であり、いっそう効果的になった音声や効果音のおかげで、スリルとサスペンスをたっぷり味わえる仕上がりになっている。疲れていても見始めるとあっと言う間に引き込まれて手に汗にぎってしまうので、引き起こされる熱中と熱狂と興奮で眠れなくなって体にさわるかもしれない
  とは言え、スーパーマンは見ていて安心な「勧善懲悪映画」だ。絶対に最後には「正義が勝つ」アメリカバージョンの水戸黄門であるからゾッド将軍らに勝ち目がないことは最初からお約束的にわかっている。自由と平等のもと、平和裏に暮らしたいという大多数の人々が共通して持つ願いに共鳴する大義である「正義」が勝つのだ。現実の地球上でも「真の正義」がなされて欲しいものだ
  お馴染みのデイリー・プラネット社に入社しロイスと再会するスーパーマン。彼女はクラークとスーパーマンが同一人物であることを知っている。このことはロイスとクラークだけが共有する秘密になるのだろう。リーブのスーパーマンのようにロイスにキスをして彼女の記憶を消去しちゃうなんて、野暮なことはしないでね!
  この映画でもスーパーマンは素晴らしく爽やかな笑顔を見せてくれた。私はとってもハッピーになった


アウトーラ:主役のヘンリー・カヴィルは、若いのにシワがニヒルにキマっているのだけど、トシをとったらオデコと眉間のシワが素敵な「おじ貴」こと経済ジャーナリストの須田慎一郎さんのようなお顔になってしまうのかしら?ちなみに、両親役はケビン・コスナーとダイアン・レーンという豪華キャスティング、さらに、クラークの子役時代を演じたディラン・スプレイベリーくんがこの上ないイケメン!
海ちゃん:
うにゃぁ、このスーパーマン、僕ちゃんの目にもとまらぬ速さで移動するので画面に手出しができなくて、ジャレつけませんでしたにぇ。伝統的な「猫じゃらし」遊びをしたくなってしまった僕ちゃんでした
では、またにぇっ!!
 
 

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