『月刊・スペイン語あれやこれや』 "Español
Variopinto,
Mensual"-I-02 |
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海ちゃんとスペインのnancoとの会話は、塾magaに「Español Variopinto」シリーズが掲載されて1周年が経った2006年3月号に始まりましたが、なんと、多くの皆さまから「面白い」の声をお寄せいただき、以来、2匹の会話は欠かせられなくなりました。「ñanco de Españaがスペイン語の上手な海ちゃん宅にホームステイをしていて、ñanco de Españaはスペインで日本語を勉強してから来日したので片言の日本語ならわかる」という設定です
さて、したがいまして、No.1〜No.11までは海ちゃんとスペインのñancoの会話はなかったのですが、この度、塾のHPにシリーズが第1号から掲載されるにあたり、せっかくなので、この第2号に少し手を加え、ついでにこの二人にも登場してもらいました
=== 日本人は標語好き ===
日本人は標語の類が大好きな民族のようだ。いつのまにか決して新しくはない人間の一人となってしまった私こと海ちゃんの飼い主は、標語と言えば交通標語の「注意一秒けが一生」を思いつくが、これはすでに古典にカテゴライズされるものだろう
先日、このような標語が建築現場にも掲げられているのが目に入った。曰く「安全第一。要確認。言葉と言葉のキャッチボール」こんな感じだったと思う
あるスペイン人があそこに貼ってある文章らしきものは何か?というので直訳的な説明をしたところ、「¿Y qué? ¿Para qué?
それって、当然だろう?書いて貼らなきゃいけないことなのか?」という返事が返ってきた
日本の作業員は毎日あの標語を読んで気を引き締めているのだろうか。絵に描いた餅のような気もする。同時に、生まじめな日本人には必要のないものではないだろうかとも思う
日本では「公募ガイド」という雑誌が良く売れているらしい。世間で募集されている標語や商品のネーミング、キャッチコピーなどを考えて賞品や賞金をもらおうというクリエーター志向の案内誌だ。スペインにも「公募ガイド」のような案内誌はあるのかそのスペイン人に聞いてみた。「ない!主催者側が一般に対して標語やキャッチコピーを募集することもない。」と、大変きっぱりとした返事だった
スペイン人は皆、「Quien manda soy yo.」なのだ。すべてを自分で決めたいのだ。だから他人に標語を考えてもらおうなどとは露ほども思わないのだろう。人にやれと言われるとなおやらない人たちなのだ(だから言わないほうがいい。でも、言わないともっとやらない!)。一方、日本人は言われなくてもやる。…なんて、天の邪鬼の邪推だろうか?
一昔ほど前、エイズが取り沙汰されたときには、「Póntelo Pónselo:(男のコの場合)自分に付けよう。(女のコの場合)相手に付けよう」というキャッチコピーをあちらこちらに実に頻繁に見かけた。メーカーの販売戦略上のものではあったが、このキャッチコピーが功を奏したらしいことはその後知ったゴム製品の売り上げの伸びからも明らかだった。いずれにしても、危険が身近なものとなるとスペイン人も個人中心主義でばかりはいられなくなるようだ
スペインのニャンコ:「安全第一。要確認。言葉と言葉のキャッチボール」って何にゃい?だいたい漢字が多すぎて読めにゃい
¿Qué querrá decir eso? No es simpático.
Está lleno de kanjis y no puedo leerlo.
海ちゃん:つまり、こういうことじゃないかにゃ
Querrá decir, “ante todo asegurarse de que sea
segura la seguridad intercambiando palabras como si se estuvieran pasando el uno al otro
la pelota”.
スペインのニャンコ:詩の上手な日本人が作る詩の一種かにゃ。でも、ロマンがにゃい。愛しいニャンカの窓の下でこんな歌詞でうたったらひっぱたかれちゃうのにゃ
Es una especie de poema que hacen los japoneses poéticos.
Pero no veo ningún romanticismo en ese poema. Si canto con esta letra bajo la
ventana de mi querida ñanca me dará un vapuleo.
海ちゃん:スペインの女のコはこわいにゃ(ヒゲも生えているし…)
Son brutas las ñancas españolas.
Gatito Umi-chan
以上は、本塾のメールマガジン『e-yakuニュースNo.54(2005年04月末発行)』に掲載されたものです |
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