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スペイン語翻訳通訳

Instituto de Traducciones de Tokio

翻訳・通訳学習を通して、本格的に、そして、本腰を入れ、じっくりとスペイン語を学び、実践的なスペイン語能力を身に付けたい、伸ばしたい人のための塾です


Mascota
"Umi-chan"

 

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『月刊・スペイン語あれやこれや』 "Español Variopinto, Mensual"-I-07 

 

HONGOS

南米人のアテンドをしたときのこと。話の流れから、「一日中革靴を履いている外まわりのサラリーマンは水虫に苦しむ人がたいへん多いそうです。そのため、オフィスに戻るとサンダルに履きかえて対処しています。格好は悪いのですがしかたがありません。」というような説明をしようと思った。思ったはよいが、水虫(Pie de Atletas)はスペイン語で何というのか知らなかった。とっさに水虫がカビの一種であることを思い出し mohoという単語を使ってみた。通じた

すると、その南米人「Yo tengo hongos en los pies.」と言うではないか。「えっ!足にシイタケがはえているっ?!HONGOSってキノコのことじゃないの?」想像してしまったイメージはかなり強烈であった。しかし考えてみるとカビもキノコも水虫もみんな菌類なのである。さらに調べると、パンを作る酵母も菌類だった

このようなことを思い出したのは、今、「キノコの収穫祭-Home Made Shiitake-」なるものを購入し次々と成長するシイタケを楽しんでいるからなのだ。バイオ時代らしく、菌床には山地に行くと見かけるホダ木ではなく、おがくずを固めたものが使われている

キノコの胞子は白いパウダー状だ。その粒子は非常に細かくて軽い。かさの中で生成された胞子は期が熟すと、風にのり煙のごとく飛翔する。キノコが吐き出す胞子は体の大きさに比べ量が多く、その数は一個のキノコにつき通常120億個以上、ホコリタケというキノコでは2兆を超えるという。天文学的な数字である

そんな煙のような胞子がこの「HomeMadeShiitake」に植えつけられ、その内部にぎっしりと菌糸を這わせているのだ。そして、子孫を残すべく柄とかさを懸命に作ろうとしている。小学校の理科のクラスで、朝顔やひまわりが成長し種子をつけるまでを観察したことが誰しもあると思うが、これらの植物はひとつの種から一個体が発生する。これは、個人主義的な人々の目にもたいへんわかりやすい。しかし、キノコでは、あの煙のような粉のどの一粒がキノコになるのだろうと考えると、その個体性はなんともわかりにくく、曖昧模糊としており神秘的な感じすらする

そして、キノコが神秘的ならば、HONGOSと呼ばれる水虫もまた神秘的な存在に思えるから不思議だ

Gatito Umi-chan

以上は、本塾のメールマガジン『e-yakuニュースNo.60(2005年10月末発行)』に掲載されたものです

 
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