Fundado en 1995

スペイン語翻訳通訳

Instituto de Traducciones de Tokio

翻訳・通訳学習を通して、本格的に、そして、本腰を入れ、じっくりとスペイン語を学び、実践的なスペイン語能力を身に付けたい、伸ばしたい人のための塾です


Mascota
"Umi-chan"

 

各種お問い合わせ

各種お申し込み

 
 
すべての情報を見る  

『月刊・スペイン語あれやこれや』 "Español Variopinto, Mensual"-I-11 

 

=== あいまい便利な日本語表現 その2)===

今回は面倒くさがらずに、前回のテーマをもう少し掘り下げてみようと思う。簡単・便利なあいまい表現は「面倒くさい」ばかりではなく他にもたくさんある。例えば、日常会話のなかで頻繁に使われる「結構です」、「どうも」、「よろしく」、「がんばる」などだ

これらの表現は、それだけでも日常会話のかなりの必要性に対応できる優れものだが、その使用例を、普段は人前に出ることもない愛猫海ちゃんに特別出演してもらって考えてみた

1) 店員:「猫缶2つお買い上げで350円です」、海:「結構ですにゃあ」
Dependienta: En total 350 yenes para dos latas de comida para gatos.
Umi: Bien.


2) 販売員:「ワンニャン新聞です。よろしくお願いします」、海:「結構ですにゃ!」
Vendedor : ¿No desearía Vd. suscribirse al periódico “Guau-Miau” ?
Umi: No gracias (ya que soy analfabeto).


3) ミケ:「海ちゃんこんにちわ」海:「どうも」
Mike: Buenos tardes, Umichan. Umi: Buenas.

4) 先生:「転校生の海ちゃんさんです。皆さん仲良くしてあげてくださいね」、海:「どうも」
Maestra: Hoy vais a recibir a un nuevo compañero que es Umichan.
Umi: Mucho gusto.


5) ビラ配り:「こちらワンニャンレストランの割引券になっております」、海:「どうも」
Repartidor de octavillas: Cupón de descuento del Restaurante “Guau-Miau”.
Umi : Gracias.


6) 電車の中のある乗客:「こら、おらの足ふむでない」、海:「どうも」
Un pasajero: ¡Que no me pises el pie!
Umi: Lo siento.


7) 保険の勧誘:「ひとつよろしくお願いしますよ」、海:「結構ですにゃあ」
Aseguradora: Este seguro le será muy ventajoso…
Umi: Me parece muy bien.


8) インタビューアー:「本日は海ちゃんさんにお話をお伺いします。海ちゃんさん、よろしくお願いします」、海:「あっ、どうも。がんばるにゃん。」
Entrevistador: Hoy para este espacio tenemos a Umichan-san. Muchas gracias por venir, Umichan-san.
Umi: Gracias a Vd. A ver qué me preguntan.


9) うみの母:「海ちゃん、あなたに兄弟ができるの。がんばってね」、海:「お母さんこそ、がんばって」
Mamá: Umi, vas a tener hermanitos, necesito que me ayudes.
Umi: Y tú ¡ánimo!


10) お散歩中の海ちゃんが庭掃除中の人に:「大変ですね。がんばってください」、庭掃除中の人:「ありがとう、海ちゃんもね」
Umi: ¡Cómo cuida Vd. el jardín! Que le vaya bien.
Persona limpiando: Gracias. Igualmente.


最後の「がんばって」にいたってはほとんど意味不明の感すらあるが、会話としてはそれなりに成立するのが面白い
こうしてみてみると、日本語では同じ表現ですますことができても、スペイン語ではそうはいかないことがわかる。つまり、使う時には簡単便利なあいまい表現であるが、その手軽さとは裏腹に、翻訳は一筋縄ではいかないということである。実際には猫にもわかりそうなこんな簡単なシチュエーションばかりではないし、あいまいな表現には強烈な皮肉などをオブラートで包んでしまう効果もあるため、話者の本当の意図を推し量るのが難しい場面は決して少なくはない
「メシ」「フロ」の後のくつろぎタイムはテレビの前で過ごす人も多いと思う。この「ネル」までのひと時を、ちょっとスペイン語の勉強に当ててみるのも悪くない。つまり、普段はあまり気にとめずに聞き流してしまうあいまいな言い回しに注意しながら、話者の真意を推し量り、自分ならどうスペイン語に訳すのかを考えるのだ。「せっかくのリラックスタイムなのにー」なんて言わにゃいでネ!

Gatito Umi-chan

以上は、本塾のメールマガジン『e-yakuニュースNo.63(2006年02月末発行)』に掲載されたものです

 
Delfin_Izq 

Temporada-I

Delfin_Dch

Temporada-II