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Monólogo de un pasota == Serie I-03 ==
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『馬耳東風』第一編 スペイン語文法番外編
さて、今回も符号や記号(signos)の続編ですが、前回に予告いたしましたように、『dos
puntos":"』と『punto y coma";"』についてお話しすることにしましょう。
『dos puntos":"』は、日本語でも時刻表記などに使用しますので、それほど違和感はないのですが、『punto
y coma";"』となると、その使用方法にとまどわれる方も多いのではないでしょうか。ただ、この『dos
puntos":"』の使用を十分に把握している方も少ないようですが、ご存じの方はおさらいの意味でも読んでみて下さい。この2種類の符号の使用方法は意外に微妙かつ複雑です。よって、この2種類の使い分けを十分に把握していなければ、正しく翻訳することはできせん。
まず、重要性では『punto y coma";"』の方が、『dos
puntos":"』よりもその重要度が薄いことは否めません。つまり、『punto
y coma";"』は、単なる『coma","』に「少し毛が生えたようなもの」なのです。要するに、『coma","』よりも少々「息継ぎが長くなる」程度のものなのです。
例えば、『La economía española está requete bien; la
japonesa, no quiero ni pensar. (スペイン経済は実に好調です...。日本経済については、考えたくもありません。)』と、『"..."(puntos
suspensivos)』で表現したように、ここでは『punto y coma ";"』
は、「息継ぎ、つまり、ム〜、と少し考える時間」を表現しているわけです。
したがって、この例文を次のように訳すことも可能なわけです。『スペイン経済は実に好調ですが、日本経済は最悪です。』 もっともこの訳では少々素っ気ない気はしますが...。
しかし、上記の例文のように常に『しかし』を意味するわけではありませんし、当然、文章によっては『そして』であったりもするわけです。また、意味的には二重になるかもしれませんが、『punto
y coma ";"』のすぐ後に、『peroやy』
から文章を始めても一向に問題ありません。
つまり、『punto y coma ";"』の役割としては、『punto y
coma ";"』までの文章とその後の文章の間に『ポーズ(pausa)』をおくことなのです。尚、この『punto
y coma ";"』で文をつなぐ方 法と、『punto y seguido』で、一旦文を切って続ける方法との差は、あくまでも文章を作る人の自由に委ねられていて、文法上の制約はありませんので、
この点も覚えておいて下さい。
では『dos puntos ":"』の役割を見てみると、こちらの方は前者と違い、もう少し複雑です。最も一般的なのは、手紙の送り先人に対する前置きと本文
の間で使用されるものです。
例-1) Estimada Francisca: Acuso el recibo de su carta de ...
他の使用方法としては、前文の内容を表記する場合に使用します。
例-2) Los dos astronautas fueron al espacio: Juanito y Jeselito.
次は、何らかの文章を『呼び込んでくるとき』です。
例-3) Esa señora solía gritar con esa frase: "Yo soy guapa y
esbelta ...".
さて、上の例-2)と例-3)によく似てはいますが、次のような例は間違いですので気を付けて下さい。
間違い例-1) Fueron al espacio: Juanito y Jeselito.
この場合は、『dos puntos":"』ではなく、単なる『punto"."』、つまり、Fueron
al espacio, Juanito y Jeselito.にして下さい。
間違い例-2) Esa senora gritaba: "Yo soy guapa y esbelta ...".
この場合も、『dos puntos":"』ではなく、単なる『punto"."』、つまり、Esa
señora gritaba, "yo soy guapa y esbelta ...".
最後に一言。前置詞の後には決して『dos puntos":"』を使用しないようにしましょう。
以上は、本塾のメールマガジン『e-yakuニュースNo.06(2001年4月末発行)』に掲載されたものです。
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