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Monólogo de un pasota == Serie I-07 ==
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『馬耳東風』第一編 スペイン語文法 番外編
符号や記号(signos)シリーズの、今回は、el paréntesis(
)とlos corchetes[ ]のお話です
スペイン語の文章中の括弧類の使用は、現代日本語ほど頻繁ではありませんが、当然使用されます。日本語で最も頻繁に使用されるのは、カギ括弧の類ですが、スペイン語では、今日ご紹介するものがやはり最も通常です。しかし、前述のように、それ程通常に使用されるわけではありません。その理由は、前回に紹介した、Comillasを使用することの方が一般的だからです。実際、今回ばかりは例文を探すのにも大変苦労するくらい、これらの使用は余り一般的ではないのです。無論、例として適当なものという条件も付いているということもあるのですが...。そんなわけで、今回の例文は少々難解な文章になってしまいましたがお許し下さい
使用方法は、日本の場合とほぼ同じで、書かれている文章とは明確に『隔離』されたことを表記するために使用されます。ただ、Paréntesis(
)とCorchetes[ ]が使用される場合は、Comillasと明確に区別して必要される必要があるので、あえて今回ご紹介することにしました。日本人が作ったスペイン語文では、その区別が余り明確にされていないことが多いからです
例-1) No tardé en enterarme de los rasgos que caracterizaban a la secta
religiosa a la que se responsabilizó de la autoría de los atentados (porque
fueron varios).
様々なテロ行為(1件ではなかった)を引き起こし、その犯行を認めた宗教団体の全容をつかむのにそう時間は要さなかった
例-2) Me estoy enrevesando como verá y espero que comprenda que es sólo
para no encarar el momento de escalar este Alé D'Huez (¿le gusta el
ciclismo?) que se me presenta ahora.
ご覧のように、私はこのような複雑極まりない説明を致しておりますが、これは現在私の前に立ちはだかるアルプデュエーズに登る(自転車のロード・レースはお好きですか?)ことを避けんがためなのです
以上のように、例-1)は、文章の補足ではありますが、必ずしもなくてはならないものでもなく、例-2)も同様に、明確に文章とは関係があるのですが、いわゆる、『よけいなこと』を付け加えている好例です
次の使用例としては、我々一般人にはさほど関係ありませんが、芝居や映画の台本に使用されることがあります。つまり、日本語でいうところの『ト書き』というのに、このParéntesis(
)が使用されます
例-3) Simón. (Intrigado). -¿Qué ocurrió?
María.-Bah, ya tendremos tiempo de contarnos nuestras penas. (Se
acerca)
シモン:−気になる様子で−「何があったんだい?」
マリア:「別に。互いの苦しみを語り合う時間はこれからいくらでもあるわよ」−と、言いながら近付く−
また、場所を明確にするこんな使用方法もあります。余談ですが、この方法の変形というか、第1人称の場合に飲みしよされている方法で、ネット時代ならではの使用方法が最近の新しい方法としてでてきてますが、あれは、日本だけでしょうかね?つまり、○△会社の鈴木ですを、鈴木@○△会社とする方法です
例-4) Ayer hemos estado en Roppongui (Tokio).
昨日、六本木(東京)にいました
例-5) Ella era de Salamanca (Estado de Nueva York).
彼女はサラマンカ(ニューヨーク州の)の人でした
一方、Corchetes[ ]ですが、これはParéntesis(
)とほとんど同様の性格を有しています。最も一般的な使用方法は、Paréntesis(
)の中で、もう一度、あるいは、さらに括弧を入れたいときに使用する方法(例-6)ですが、それ以外には、以下のような特殊な場合にのみ使用します
例-6) Él me dio un periódico (El País [de 05-09-2001]).
彼は新聞(2001年9月5日のエル・パイス紙)をくれました
例-7) Decía Jaime, 《en este mundo nadie conoce a nadie sobre todo de
aquella mujer [María] nadie entienda》.
ハイメが、『この世界では、誰も誰のことも分からない、特に、あの女(マリアのこと)を理解できる奴などいやしない』と言っていた
例-8) Él me dio un periódico (El País [de 5 de sep. de
2001]).
彼は新聞(2001年9月5日のエル・パイス紙)をくれました
最後の使用方法ですが、実は、これはもうこのe-yakuニュースのNo.07でご紹介してしまった方法です。No.07をご観にならなかった、あるいは、見たけれど忘れた(これがほとんどかな?)方がおいでになるといけませんし、そうさせていただければ、こちらも大変助かりますので、以下に、再現いたします
一方、日本語の文章などで、何らかの長い文章を引き合いに出したりする場合に『−中略−』などしたりすることがあります。実際は中略されると読み手はその間に何が書いてあるのか分からないような場合があるのですが、その時に話されている内容と直接関係がなかったり、さほどの重要性を持たないような場合、あるいは逆に、よく知られている長い文章を例文として使用する場合などにもよくこの手法が使用されます。スペイン語の場合、この『−中略−』に『"..."(puntos
suspensivos)』が使用されるわけです
例) El texto de "Don Quijote de la Mancha" comenzaba así;
"En un lugar de la [...] y galgo corredor[...]".
さて、この例文でお気付きのように、『"..."(puntos
suspensivos)』を『corchetes』の中に挿入しました。中略の場合はこのcorchetesを使用するのを忘れないようにしましょう。なぜなら、最初の例のように「言葉に詰まった」箇所と区別せねばならないからです
てなわけで、最後の最後で少々の手抜きをしてしまいましたが、スミマセン。ではまた次回をお楽しみに
以上は、本塾のメールマガジン『e-yakuニュースNo.11(2001年9月末号発行)』に掲載されたものです
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