Fundado en 1995

スペイン語翻訳通訳

Instituto de Traducciones de Tokio

翻訳・通訳学習を通して、本格的に、そして、本腰を入れ、じっくりとスペイン語を学び、実践的なスペイン語能力を身に付けたい、伸ばしたい人のための塾です


Mascota
"Umi-chan"

 

各種お問い合わせ

各種お申し込み

 
 


===========================================
Monólogo de un pasota == Serie I-06 ==
===========================================

『馬耳東風』第一編 スペイン語文法 番外編

   引き続き符号や記号(signos)シリーズです。今回は、comillas(引用符)のお話です。

   スペイン語では、日本語ほど引用符の種類は多くありません。日本語の場合は、日本語の中の引用符ではなく、外国語の引用符をも多く加えた上での乱用に近いものがあります。

   スペイン語に使用されるのは、せいぜい、つまり、多くて4種類だけです。しかも、出来れば2種類が望ましいことになっています。それらは、ラテン引用符(Comillas latinas)と呼ばれる『" "』と『《 》』の2種類です。その他にスペイン語表記で使用される引用符は、Comillas inglesas『“ ”』と、Comillas simples『‘ ’』です。

   優先的にComillas latinasを使用し、後のComillasは、それら2種類を先に使用してしまって、その中で更に引用符を使用したい場合などにとっておく、という方法が良いとされています。

   例) 《La promesa que papá me hiciste cuando jugabas con “mamá” disfrazado de Papá Noel》
      「パパがサンタクロースになって『ママ』と遊んでいたときに僕にしてくれたお約束だよ」

   このmamáにcomillasを付けてあるというのは、前後の関係がどうなっているのか分かりませんので、果たしてどういう意味かは明確ではありません。但し、このmamaにcomillasを付けてあることで、その女性が、例えば、『義母』、『継母』、『お父さんの内縁の妻』、『ママというニックネームの女性』等々様々想像できますが、ハッキリしていることは、本当の自分(この言葉を発した子供)の母でないことだけはハッキリするわけです。

   ではここで、スペイン語では、どのような場合にComillasを使用するのかを見てみましょう。

   まず、左記の例にもありましたように、文章中の会話や、何らかの決まり文句などを示す場合に使用するのが通常の使用方法(例文-1)です。また、人名の中の、異名・通り名・あだ名などを表記する場合(例文-2)にも使用します。或いは、文章中の言葉や文などを強調したい場合(例文-3)、それと、やはり文中で別の作品や書籍名などを示す場合(例文-4)にも使用します。では、それぞれの例文を以下に上げますので参照して下さい。

   例文-1) Creo que padece usted 《síndrome de Estocolmo》.
         貴方は『ストックホルム症候群』にかかっておられるようですな。

   例文-2) Ya estás perdido Simón Cárdenas 《el Bardo》.
         シモン・カルデナス『エル・バルド』、お前さん、もうお終いだな。

   例文-3) Una señora 《atildada y educadísima》 que, al verme parado frente a su puerta, se introdujo en la negrura del corredor de su piso para emerger segundos después con un par de píldoras y entregármelas.
         『実に教養のあるお洒落』なご婦人が、僕がドアの前に立っているのを見ると、数秒後にアスピリンを数錠手にして現れ、僕に渡してくれるため、廊下の薄暗闇の中に消えていった。(注:つまり、皮肉を込めてその部分を表現していることになります)

   例文-4) Se me vino a la mente la frase del 《Otelo de Shakespeare》 según la cual 《vale más ser engañado mucho que saber sólo un poco》.
         『シェークスピアのオセロー』の一節が頭に浮かんだが、それは『大いにだま騙されよ。僅かを知るよりは良い』というやつだった。(この例文では、1と4の両方の使用方法がでています。)

   さて、いつものように、使用にあたって、犯してはならないよくある間違いを見てみましょう。

   いつものように、『coma","』や『punto y coma";"』に関連した注意ですが、必ず、Comillasの終了符は、これらの前で使用します。

   正しい例) Él apretó el botón, dejando caer la bomba sobre Hiroshima, del 《Enola Gay》, confesó.
            彼が『Enola Gay』の投下ボタンを押し、広島に原爆を落としたのだと言った。

   但し、Comillasで強調したいような文章全体や言葉が疑問文や感嘆文の場合は、疑問符や感嘆符は、Comillasの中で、完結させてしまうようにしましょう。
 
  以上は、本塾のメールマガジン『e-yakuニュースNo.09-10(2001年7-8月末合併号発行)』に掲載されたものです。