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スペイン語翻訳通訳

Instituto de Traducciones de Tokio

翻訳・通訳学習を通して、本格的に、そして、本腰を入れ、じっくりとスペイン語を学び、実践的なスペイン語能力を身に付けたい、伸ばしたい人のための塾です


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Monólogo de un pasota == Serie I-04 ==
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『馬耳東風』第一編 スペイン語文法 番外編

  符号や記号(signos)シリーズの続編です。今回は、前回の文章中にもちょっと顔を出した『"..."(puntos suspensivos)』についてです。

  『"..."(puntos suspensivos)』は日本語でも最近頻繁に使用されますが、その用法はあまり明確ではないようです。しかしながら、スペイン語には明確なルールがありますので今回はそれらに沿った使用法をみてみましょう。

  使用法にはいくつかありますが、最もポピュラーなのは、言葉に詰まった状態などを表現するときに使用される手法です。

   例) Bueno...pues...no se que decirte...のようにです。

  さて、上記の例の最後に付けられた『"..."(puntos suspensivos)』ですが、途中で詰まっただけでなく、これは、結局、最終的にも「なにを言ったらいいかわからない」状態を表しています。しかし、その逆に、その後の言葉は言わなくても、あるいは言われなくても分かっているなどの場合にも『"..."(puntos suspensivos)』は使用されます。

   例) Ya te dije que ella esta..

  のようにです。つまり、「お前にはもう言ったぞ。彼女は...」。そう、つまり「彼女は既婚者であって、だから彼女には惚れるなよ、あれだけ言ったじゃないか」というわけです(もっとも、他の理由も考えられますが...。あくまでも一例です)。ようするに、聞き手は、この『"..."(puntos suspensivos)』のあとの言葉を『ya lo se que me lo has dicho.』ということで十分承知しているのです。だからこそ、すべてを言うまでもないことなので、略してもOKなわけです。

  同様に、話者間のみで承知しているこのような上記のケース以外にも、誰もが知っているフレーズというのはいくらでもあります。そのような場合も、「みなまで言わなくても十分会話は成立」しますから、略してしまうことが可能です。

   例) No te preocupes que tal como estan las cosas "no llegara la sangre..."

  つまり、このような慣用句や有名な言い回しなどの場合ですと、すべてを聞かなくても分かってしまいます。「心配するなよ。状況が状況だから、『最悪の事態にはならないだろう』」と。つまり、最後の「ならないだろう」を聞かなくても十分理解可能だからです。ちなみに、余談ですが、スペイン語人の場合ですと、通常『sangre』まで言わず『no llegara la』まででも分かります。

  一方、日本語の文章などで、何らかの長い文章を引き合いに出したりする場合に『−中略−』などしたりすることがあります。実際は中略されると読み手はその間に何が書いてあるのか分からないような場合があるのですが、その時に話されている内容と直接関係がなかったり、さほどの重要性を持たないような場合、あるいは逆に、よく知られている長い文章を例文として使用する場合などにもよくこの手法が使用されます。スペイン語の場合、この『−中略−』に『"..."(puntos suspensivos)』が使用されるわけです。

   例) El texto de "Don Quijote de la Mancha" comenzaba asi; "En un lugar de la [...] y galgo corredor[...]".

  さて、この例文でお気付きのように、『"..."(puntos suspensivos)』を『corchetes』の中に挿入しました。中略の場合はこのcorchetesを使用するのを忘れないようにしましょう。なぜなら、最初の例のように「言葉に詰まった」箇所と区別せねばならないからです。

  もう一つの大きな特徴で、以外に知られていない『"..."(puntos suspensivos)』の用法があります。それは、他でもありません。『"..."(puntos suspensivos)』は『etc.』の代わりをするのです。つまり、この二つの符号を同じ意味で使用することが可能なわけです。したがって、この場合、二つが持つ意味は同じですから決して同時に使用しないようにして下さい。

   例) He ido a comprar huevos, leche, mantequilla...は
      He ido a comprar huevos, leche, mantequilla, etcと同じです。

      しかし、
      He ido a comprar huevos, leche, mantequilla, etc..

  とは絶対にしないようにしましょう。意図としては、「バター以下、買ってきた品物が山ほどあって、この後品物の名前の羅列が延々と続くのだ」ということなのでしょうが、これは明らかな用法ミスですので注意して下さい。

  『"..."(puntos suspensivos)』は、『coma","』や『dos puntos":"』、そして『punto y coma";"』の手前で使用することができますが、『感嘆詞』や『疑問詞』と一緒に使用する場合は、必ず、その後に付けて下さい。

   例) ?Que me has dicho?...や!Que maravilla!..

  のようにです。もっとも、作者が何らかの意図をもっているときなどは、手前に付けることは許されていない手法ではありません...。

  さて、最後に、何でもないようなことですが、以外に守られていない、『"..."(puntos suspensivos)』の最も重要な使用法があります。それは、『"..."(puntos suspensivos)』の点は必ず3つのみだということです。3つ以上でもそれ以下でも『"..."(puntos suspensivos)』にはなりません。日本語文でよくみかけるのは、おそらく、例えば言葉に詰まった時間が長かったことを表現しようとしているのでしょうか、『.......』などと大袈裟に多数の点を付けてある場合があります。スペイン語ではこれは御法度で、まず『"..."(puntos suspensivos)』という理解をしてもらえないわけですから、その文章全体をも理解してもらえないことになりかねませんので十分にご注意下さい。
 
  以上は、本塾のメールマガジン『e-yakuニュースNo.07(2001年5月末発行)』に掲載されたものです。