=========================================== Monólogo de un pasota == Serie I-09 == ===========================================
『馬耳東風』第一編 スペイン語文法 番外編
さて今回は、前回のel guión(-)でお話しした事と関連した話をしましょう。
スペイン語の単語は必ず一つ以上のla sílaba(音節)から成り立っていることはご承知の通りです。前回はこの音節を分けるのにel
guión(-)を使うという事を説明しました。では、その音節の分け方はどうすればいいのか、何か規則があるのでしょうか、と言うのが今回のテーマです。
但し、話の都合上、音節の話を中心に話を進めますが、本題は音節ではなく、前回のel
guión(-)のお話しをしたことの続きで、文章の最後に来た単語をどこで切るかを説明しようと言うわけです。
まず、la sílaba(音節)とは、簡単に言うと、子音が母音に引っ張られるようにしてその母音にくっついてできた単語で構成された、通常ならそれのみでは意味をなさない文字の塊なわけです。ただ、ここで問題になるのは、単語というのは、様々な母音と子音が混淆して形成されているわけですから、子音がその周辺にあるどの母音にくっつくのかが問題になってきます。基本的には、子音は子音の後に来る母音に引っ張られます。
例-1) Navidad → Na-vi-dad
でも、母音が最初に来る単語も山のようにありますが、その場合でも子音は後の母音に付きます。
例-2) enemigo → e-ne-mi-go
以上のような簡単な単語、というよりも、単純な音節の場合(わざと簡単なものを選んだのですが)はいいのですが、音節にはいろいろと複雑なものもあります。まずその基は、二重・三重母音や、二重子音の存在です。
例-3) averiguación → a-ve-ri-gua-ción (二重母音) averiguáis → a-ve-ri-guáis (三重母音) tribuna → tri-bu-na (二重子音)
さてここで、上の例でも明らかなように、二重・三重母音や二重子音は絶対に分けられませんので気を付けて下さい。但し、子音『c』の場合は例外です。この『c』が二つ連なった場合、つまり、『cc』となった場合にはこれら二つは前後双方に分かれることになります。
例-4) accidente → ac-ci-den-te
通常なら、上記のような場合、最初の『a』が一つの音節を形成してもよさそうなものですが、『cc』がその後に来た場合、前の母音に子音『c』が引っ張られ『cc』が分かれてしまいますので注意して下さい。もっとも、『ll』や『rr』の場合は、絶対に分裂することはありませんのでお間違いのないように。また、『br』の場合も同様に分かれることはないのですが、次のような特殊な場合に限り、分裂が可能です。理由は、『b』が『sub』という接頭辞の一部だからです。
例-4) subrayar → sub-rayar
以上は文章の最後にこれらの言葉の中で切ることができる部分(切って、次の行に移ることが可能な)を表記してきましたが、ここで少々特殊なケースを紹介してみましょう。
単語の中には、いくら音節の区切りだからと言って区切ることができても、例-2)のenemigoの『e』ように、1音節が1母音の場合、この『e』の所で『切って行を変える』ことは『好ましくない』とされています。つまり、
悪い例-1) Ella tenía muchas e- nemigas.(彼女は多くの敵を持っていた)
こう言った場合、どうしてもスペースがなければ、 Ella tenía muchas -- enemigas.
と、すべきです。
これと同様に、二重母音も行の最後で切るのは相応しくありません。
悪い例-2) Ella con mi novio se re -ía mucho de mí. .(彼女は私の彼氏と一緒になって私のことを笑っていた)
この場合も上記同様の処理をするのが望ましいわけです。
最後に2つの特殊な切り方(行の変更方法)をご紹介しましょう。まず、『nosotros』や『vosotros』をどこで切って行を変えるかです。通常の音節での切り方なら、『nosotros→no-so-tros』や『vosotros→vo-so-tros』というふうになり、その2箇所、どこで区切って行を変えても良いのですが、スペイン王立アカデミーは、次のような切り方での行変更も認めています。『nosotros→nos-otros』や『vosotros→vos-otros』のようにです。
もう一つは、接頭辞が付いた単語の場合です。これは例-4と少々相反する規則かも知れないのですが、必ずしも接頭辞を別にする必要はないということです。
例えば、desarmar → des-ar-marのどこで切っても良いのですが、同時に、de-sarmarと切って行を変えても良いというわけです。
さて、符号や記号(signos)シリーズもいよいよネタ切れになりそうで、次はどんなシリーズを始めようかと思案中だということは、すでに前回でも申し上げました。考え方としては、執筆者の専攻分野である『スペインの現代政治・経済など』に関するシリーズにすることが一つです。もう一つは、スペインには『locuciones』と言いますか、『dichos』とか、あるいは『modismo』と呼ばれる、所謂日本語の『慣用句』のようなものが山ほどありますので、それを紹介していくか迷っています。もう少し、お時間下さい。他に何かご希望、又は、前述に関し、ご意見等があればメールにて遠慮なくおよせ下さい。 以上は、本塾のメールマガジン『e-yakuニュースNo.14(2001年12月末号発行)』に掲載されたものです |
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